ボリンジャーバンドはトレンド系のインジケーターの中でも1番・2番を争う程人気のツールになります。ここではバイナリー・ハイロー攻略におすすめの設定方法やボリンジャーバンドの基礎知識や使い方まで確認する事が出来ます。
- ボリンジャーバンドの基礎知識が分かる
- ボリンジャーバンドでおすすめの設定方法が分かる
- ボリンジャーバンドの正しい使い方が分かる
ボリンジャーバンドとは
ボリンジャーバントとは統計学から生まれたテクニカル指標になります。標準偏差を為替に応用しており、確率で値動きを予想します。
難しく考えると覚えたくなくなるので「ボンジャーバンドは標準偏差を使っている」とだけ覚えておきましょう。
※標準偏差の求め方は無理に覚える必要はありません。
- 5日分のデータの平均値を求める
- 各データと平均値の差(各データ-平均値)を求める
- その差を二乗する
- 二乗した値の平均を求める(これを分散と呼ぶ)
- 分散の平方根を取ると標準偏差値になる
標準偏差を求める事で、5日間の平均に対して、どのくらい「ばらつき」があるか求める事が出来ます。ボリンジャーバンドではこの「ばらつき」が重要になっています。
ボリンジャーバンドのσ(シグマ)について
ボリンジャーバンドでは±1σ、±2σの様にσ(シグマ)を利用します。σ(シグマ)と聞くと難しい感じがしますが、難しく考えなくても大丈夫です。
ボリンジャーバンドは画像の様に±1σ内に68.3%、±2σ内に95.5%の確率で収まる様になっています。
±1σ | 68.3% |
---|---|
±2σ | 95.5% |
±3σ | 99.7% |
±1σ内に68.3%、±2σ内に95.5%の確率で収まるとだけまずは覚えましょう。場合によっては±3σまで利用する事があります。
σ(シグマ)の詳細
ここは飛ばしてもらっても大丈夫ですが、σ(シグマ)について詳しだけ詳細に説明します。
先ほど標準偏差を出す方法を紹介しましたが、1標準偏差とは±1σの事を指します。
1標準偏差(±1σ)や2標準偏差(±2σ)などが今後出てきますが、意味を理解しているボリンジャーバンドの理解力が上がります。
仮に5日間の標準偏差(データのばらつき具合)出す場合、まずは5日間平均値を出します。
1日目 | 156.2円 |
---|---|
2日目 | 155.4円 |
3日目 | 152.5円 |
4日目 | 154.1円 |
5日目 | 155.5円 |
※5日間の平均154.74円
細かい計算式は割愛しますが、以下の求め方で5日間の標準偏差(データのばらつき具合)を出します。
- 5日分のデータの平均値を求める
- 各データと平均値の差(各データ-平均値)を求める
- その差を二乗する
- 二乗した値の平均を求める(これを分散と呼ぶ)
- 分散の平方根を取ると標準偏差値になる
この5日間の標準偏差は1.309となっており、±1.309円の「ばらつき」がある事が分かります。
標準偏差で導きだされた「1.309」は「1標準偏差(±1σ)」となりますので、この場合1標準偏差(±1σ)=±1.309円になります。
5日間の平均は154.74円なので、154.74円(データの平均)から±1.309円内にデータが68.3%の確率で収まる計算になります。
ボリンジャーバンドを立ち上げると「偏差」と言う項目があるのですが、ここを1にすると1標準偏差(±1σ)のデータを出す事が出来ます。
では「2標準偏差(±2σ)」とは何なのか?
これは「1標準偏差(±1σ)の1.309円を2倍にしたもの」になります。1.309円の2倍は2.618円になります。
2標準偏差(±2σ)とは154.74円(データの平均)から±2.618円内で収まる確率を意味しており、95.5%の確率で収まります。
では「3標準偏差(±3σ)」とは何なのか?
これも先ほどと同じで、「1標準偏差(±1σ)の1.309円を3倍にしたもの」になります。
3標準偏差(±3σ)とは154.74円(データの平均)から±3.927円内で収まる確率を意味しており、99.7%の確率で収まります。
収まる確率に関してはその様なるとだけ覚えておきましょう。
±1σ | 68.3% |
---|---|
±2σ | 95.5% |
±3σ | 99.7% |
ボリンジャーバンドの設置で「偏差」に「1と入れれば±1σ」、「2と入れれば±2σ」、「3と入れれば±3σ」のボリンジャーバンドを表示する事が出来ます。
ボリンジャーバンドでおすすめの設定(期間)
MT4やMT5でボリンジャーバンドを開くと、パラメーターで「期間」を設定する事が出来ます。この期間は移動平均線の期間になるので、移動平均線をまだ使った事が無い方は関連記事をご確認下さい。
この期間ですが、ボリンジャーバンドでは「20」がおすすめとなっています。
ボリンジャーバンドを開発した「ジョン・ボリンジャーさん」が数々の書籍でおすすめしている為
あのボリンジャーさんが「20」と言っているのだから「20」!ちなみにボリンジャーさんは2024年時点75歳とまだまだ現役です。
「20」と言うのは日足チャートで20日分で、金融市場における土日を除いた1ヵ月の営業日に相当します。
ボリンジャーバンドを「20」で設定することで、20日分の平均が移動平均線の真ん中に表示されます。
前提として、期間とはそもそもローソク足の数を決めるものになります。「20」と設定すれば、ローソク足20本分を意味します。
日足チャートの場合、ローソク足1本=1日分となりますので、「20」と設定すれば20日分を意味します。
期間を「20」と設定した後に見る時間足のチャートによって「20」の意味が異なるので、ご注意下さい。
1分足 | 20分間分 |
---|---|
1時間足 | 20時間分 |
日足 | 20日分 |
週足 | 20週分 |
取引スタイル別おすすめの期間
ボリンジャーバンドのおすすめの期間は「20」なのですが取引スタイルによっておすすめの期間は異なります。
取引スタイルは大きく分けると「短期」・「中期」・「長期」によって異なり、おすすめの設定方法は以下の様になります。
短期 | 10 |
---|---|
中期 | 20 |
長期 | 50・75・100・200 |
短時間取引(スキャルピング)の場合、期間を長く設定するとシグナルが発生しづらいので「20」より短くされる事をおすすめします。
※あまり短くしすぎると「だまし」が多くなるのでご注意下さい。
長時間取引(スイングトレード)の場合、「20」より長く設定する事で、トレードの機会をしっかり見定める事が出来ます。
※あまり長くしすぎると、トレードの機会を減らしてしまいます。
バイナリーオプションやハイローオーストラリアで短時間取引をされる方は「10」がおすすめです。
ボリンジャーバンドの設定方法
ボリンジャーバンドはMT4やMT5を使う事で、無料で使用する事が出来ます。MT4やMT5のダウンロード方法に関しては関連記事をご確認下さい。
今回はMT4を使っての説明になります。
「挿入」⇒「インディケータ」⇒「Bollinger Bands」を選択します。
設定用のポップアップが表示されるので、期間を設定します。
まずは、ボリンジャーさんがおすすめする初期値「20」で設定しましょう。
表示移動は0のまま、適用価格も「Close」のままで問題ありません。
スタイルより色を選びます。今回は赤を選んでいます。
偏差とは標準偏差の事を指し、「1」にすると1標準偏差(±1σ)になります。まずは±1σを表示させたいので「1」と記入して「OK」ボタンをクリックします。
3本の線が表示されますが、上から「+1σ」、「移動平均線」、「-1σ」になります。
次にもう一度「挿入」⇒「インディケータ」⇒「Bollinger Bands」を選択します。
次は±2σを表示させたいので、偏差を「2」にしています。期間は同じ「20」でスタイルの色は分かりやすいものをお選び下さい。今回は青で設定しています。
±2σと移動平均線が追加されます。移動平均線に関しては±1σの移動平均線と重なりあっているので、後に追加された±2σの青色が表示されています。
±3σまで設定される方は偏差を「3」にする事によって±3σを追加する事が出来ます。
ボリンジャーバンドの利用目的は「トレンド」の確認
ボリンジャーバンドの基本的な使い方は、トレンドの確認で「±2σを超えたら順張り」を行います。
±2σを超える確率は4.5%と低く、かなり強い値動きが無いと±2σをローソク足が超える事はありません。
とは言えば「±2σを超える=トレンドの発生」では無いので注意しましょう。いくつかの要因が重なる事で、トレンドを察知する事が出来ます。
予備知識として、相場はレンジが7割、トレンド3が割と言われています。実はトレンドよりレンジ相場の方が圧倒的に多くなっています。
トレンドが発生しているかは移動平均線で確認
ボリンジャーバンドは±2σなどの標準偏差のラインに目がいきがちですが、トレンドを把握する際に最も重要になるのが移動平均線です。
移動平均線は上向きであれば上昇トレンド、下向きであれば下降トレンド、平行方向であればレンジと見ただけで分かるのですが、もう少し細かく見てみましょう。
ボリンジャーバンドの中心の線(移動平均線)をローソク足が行ったり来たりしている時はレンジ相場になります。
画像の場合移動平均線がやや下向きですが、ローソク足が移動平均線を行ったり来たりしています。この様な場合は±2σを超えてもトレンドは発生しづらくなっています。
トレンドが発生している条件は、移動平均線の角度だけではなくローソク足がほとんど触れない事が条件になります。トレンドが発生しているか確認したい時は、移動平均線とローソク足の離れ具合も確認しましょう。
ボリンジャーバンドは逆張りでも使える
ボリンジャーバンドは逆張りでも使う事が出来ます。※逆張りで使う為の条件は「レンジ相場」である事です。
レンジ相場の特徴は以下の様になります。
- 移動平均線が平行
- ローソク足が移動平均線に頻繁に触れる
- バンドの幅が狭い(ボラティリティが狭い)
- バンドの幅がある程度一定である
この様なレンジ相場の場合、ローソク足が±2σに触れた後、逆張りエントリーを行います。
ハイローオーストラリアの場合、+2σに触れたらLow、-2σに触れたらHighでエントリーを行います。
ボリンジャーバンドの逆張りは見極める事も大切で、±2σを超えるとそのままトレンドが発生する事もあります。
今が本当にレンジ相場なのか、トレンドが発生していないか、移動平均線の角度を確かめつつしっかりと判断を行いましょう。
ボリンジャーバンドの特徴
ボリンジャーバンドの特徴をまとめています。
±2σを超えると異常値なので注意
ボリンジャーバンドで±2σ内に収まる確率は95.5%になっています。±2σを超える確率は4.5%しかないので、±2σを超えた場合は注意が必要になります。
まずは±2σを超えた時に異常値として認識しましょう。この後にトレンドが発生するかが重要になります。
【異常値のパターン①】
±2σを超える場合、「確率的には低いパターンが出ている=強いトレンドが発生している」と捉える事も出来ます。
【異常値のパターン②】
±2σを超える場合、①の様に高値、安値を更新していくか、確率の高い±2σ内に戻るかの2パターンになります。
強いトレンドが発生するとバンドウォークになりやすい
ボリンジャーバンドは強いトレンドが発生した際に「バンドウォーク」が発生しやすくなります。バンドウォークとは上昇トレンドの場合+2σと+1σの間を、下降トレンドの場合-2σと-1σの間を価格が推移する事になります。
画像では+2σ付近でバンドウォークしています。
先ほども説明したのですが、強いトレンドは、移動平均線がしっかり傾き、移動平均線にローソク足がほとんど触れないので、そちらも必ずご確認下さい。
画像の様な場合は強い上昇トレンドが発生していると言えます。
強いトレンドが発生する前は「スクイーズ」⇒「エクスパンション」⇒「トレンド発生」の順になりやすい
ボリンジャーバンドは強いトレンドが発生する前にバンド幅の狭いスクイーズ(収縮)状態になりやすい特徴ともっています。
スクイーズの判断基準は「価格がほぼ横ばいでバンド幅が狭く」、「移動平均線もほぼ横ばい」になっている時になります。
強いトレンドが発生する場合、画像の様にバンドの幅が狭い状態(ボラティリティの低い状態)の後、それを打ち破るかの様にバンド幅が広がります。
バンド幅が大きく開く事をエクスパンション(拡散)と呼び、大きなトレンドが発生する流れは「スクイーズ(収縮)」⇒「エクスパンション(拡散)」⇒「トレンド発生」の流れになります。
イメージとしては「スクイーズ」で大きく力を貯め、「エクスパンション」で力を解放する感じです。
スクイーズの期間が長い程、エクスパンションは大きくなる傾向にあります。
スクイーズ中は取引が少ないので、新しいポジションが溜まってきます。何かをきっかけ動きだした時に一気に売られたり、買われたりするので値動きが大きくなりやすいのです。