金融庁はハイローオーストラリアに対して、名指しで警告を行っています。またハイローオーストラリアを含む無登録業者(海外バイナリーオプション)に対して、注意喚起を行っています。
何故ハイローオーストラリアを含む無登録業者(海外バイナリーオプション)は金融庁に危険視されているのか、その理由をまとめてみました。
金融庁に3回警告を受けているハイローオーストラリア
ハイローオーストラリアは、金融庁に登録されていない無登録業者です。
日本の法律では「日本の居住者に対して金融商品を取り扱う場合は、拠点が海外であっても金融庁への登録が必要」となります。
日本に居住する投資者に対してバイナリーオプション取引を業として行うときは、金融商品取引業の登録が必要です。たとえ海外で金融商品取引のライセンスを持つ業者であっても、日本で登録を受けずに日本に居住する者に対して金融商品取引を業として行うことは禁止されています。
引用:金融庁
金融庁もハイローオーストを認識しており、警告を出しています。そしていままでに、3回も警告を出しているのです。
何故3回も?実はハイローオーストラリアは2010年の運営開始から3回も社名・住所が変わっているのです。
1回目の警告は「Highlow Markets Pty. Ltd.」時代になります。
運営当時のデータを確認したのですが、この頃のハイローオーストラリアはオーストラリアに法人があり、ASICでライセンスで運営をしていました。
運営会社 | Highlow Markets Pty. Ltd. |
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国 | 豪州 |
住所 | Level 14, Macquarie House, 167 Macquarie Street, Sydney, NSW 2000, Australia |
ライセンス | ASICでライセンス |
2回目の警告は令和元年10月25日になります。画像は財務省のものになりますが、HLMI Ltdと言う名前で運営していた事が分かります。
運営会社 | HLMI Ltd |
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住所 | Trust Company Complex, Ajeltake Road, Ajeltake Island, Majuro, Republic of the Marshall Islands MH 96960 |
ライセンス | マーショル諸島の金融ライセンス |
この頃の特徴はオーストラリアでの運営では無くマーシャル諸島の金融ライセンスを取得し、運営しています。
3回目の警告は令和5年9月25日になります。画像は財務省のものになりますが、HLMI Markets International Limited と言う名前で、現在のハイローオーストラリアになります。ハイローオーストラリアは現在進行形で警告を受けています。
運営会社 | HLMI Markets International Limited |
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住所 | Po Box 590, Suite 9, Henville Building, Charlestown, Nevis |
ライセンス | バヌアツ共和国金融庁規定のもとライセンス |
現在のハイローオーストラリアは複数の住所で運営しており、そのうちの一つがバヌアツ共和国金融庁規定のもとライセンスを取得している様ですが、ライセンスが機能しているのかについては不明です。
金融庁に警告を受けているがハイローでの取引は「適法」
ハイローオーストラリアで取引を行う事は「適法」である為、取引を行ったからと言って罰を受ける事はありません。
ハイローオーストラリアで取引する事自体は何の問題もありません。全て自己責任で行いましょう。
しかし、ハイローオーストラリアなどの海外業者は「海外のルールで運営」しています。この海外のルールがゆる過ぎて、国としては許す訳にはいかないのです。
日本と言う国は言わずとしれた「ギャンブル大国」であり、ギャンブル依存症は数百万人いると言われています。
日本人のギャンブル依存率は、成人全体で 4.8%(男性 8.8%, 女性 1.8%)と報告されていた(2013 年調査)。この依存率から割り出される日本人のギャンブル依存症の人数は、合計で 536 万人(男性 438 万人 女性 98 万人)である。
引用:甲南大学
ハイローオーストラリアなど、海外のルールで運営されている海外バイナリーオプションは「射幸性が高く」、日本人は特にハマりやすいと言われています。
本来であれば、国がしっかりと管理したい所ですが、海外業者は海外にある事もあり、実態の把握が難しいのが現状です。
無登録の海外所在業者は、業務の実態等の把握が難しく、仮にトラブルが生じた
としても業者への追及は極めて困難です。引用:金融庁
金融庁でも、海外になると助ける事が出来ない様です。
何故ハイローオーストラリアが金融庁の許可を取らないのか
何故ハイローオーストラリアは金融庁の許可を取らないのか?あくまでも予想にはなってしまうのですが、規制をかけられて事により利用者が減るからだと思います。
バイナリーオプションと言えば「当たるか」・「当たらないか」の二社一択のイメージが強いのですが、規制を受けるとそのシンプルさを失ってしまいます。
- 判定時間までの時間は最短で2時間
- ペイアウト率は一律1000円
- 購入価格は変動制
- 売り・買いの価格は提示する
国内バイナリーオプションは変動制で、ペイアウトは固定なのですが、2時間後にどの位置で終えるかを予想します。
予想する位置で購入金額が変わり当たると差額を貰う事が出来ます。画像の場合はA~Fの中から選びます。
いつ購入しても大丈夫なのですが、時間が経てば経つほど予想しやすいので購入金額が高くなります。終了間際に950円で購入しても利益は50円になります。
もちろん国内バイナリーオプションも負ければ全額没収になるので、国内バイナリーオプションだからと言ってリスクが少ないとは言えません。
一方海外業者のペイアウト率は1.6倍~2.3倍くらいで、当たれば(取引金額×ペイアプト)分が貰え、負ければ全額没収になります。
ルールのシンプルさや、利益の大きさに関して言えば、間違いなく海外バイナリーオプションの方が魅力的です。海外業者があえて日本のルールに従う事はまずありえないでしょう。
ハイローオーストラリアは射幸性が高い
ハイローオーストラリアなどの海外バイナリーオプションは、国内バイナリーオプションの様な規制が無いため、射幸性が上限突破しています。何故、射幸性が高くなるのか考えてみましょう。
取引時間・取引回数に規制が無い
国内バイナリーオプションの判定時間は2時間、あるいは3時間と決まっている為、一日の取引回数は8回から11回が上限になっています。
回数が決まっているとある程度の抑制が可能です。
しかし、ハイローオーストラリアは取引時間に規制が無く、無制限に取引する事が出来ます。やろうと思えば一日1000回以上の取引も可能になっています。
ハイローオーストラリアは「30秒取引」があり、国内バイナリーの「2時間取引」と比べると、そのやばさが分かります。
取引金額が1回20万円までと高額
ハイローオーストラリアの取引額は1回で20万円と高いのですが、国内バイナリーオプションも同じくらいとなっています。
1回の取引金額は同じでも、取引時間が短い為事もあり、負けようと思えば1日に1000万円以上負ける事も出来ます。逆に勝とうと思えば1日に1000万円以上勝つ事も理論上は可能になっています。
動く金額が大きければ大きい程、射幸性は上がります。
海外バイナリーオプションは投資詐欺が多い
海外バイナリーオプション全般の話になるのですが、投資詐欺が多すぎる事が問題視されています。金融庁ホームページには以下の様な事が書かれています。
友人やSNSを通じて「儲かる」と勧誘され、バイナリーオプション取引の分析ツールが入ったUSBなど高額な情報商材を購入し、勧められた海外無登録業者と取引したところ、多額の損失が発生したなどの相談が増加しています。
引用:金融庁
特に多いのが「必ず勝てる」・「必ず儲かる」と嘘を付き、取引をさせる手段です。ハイローオーストラリアはアフィリエイト報酬が多いので、取引さえさせてしまえば、アフィリエイト報酬が入ってきます。
「必勝法」・「攻略法」・「サインツール」・「自動売買ツール」等を無料で渡し、勝てると信じ込ませ取引をさせています。
これらに関して言えば、ハイローオーストラリアが悪いと言うより、ハイローオーストラリアのアフィリエイトに群がるアフィカスが悪いと言えます。
ハイローオーストラリアで「必ず勝てる方法」はありません。そんなものがあるのならハイローオーストラリアはとっくに潰れています。
ハイローオーストラリアを含む海外バイナリーオプションは「簡単」と良く言われていますが、簡単ではありません。
デモ取引を行うことで、海外バイナリーオプションの難しさが実感できると思います。数回程度だと「簡単!」と勘違いする方も多いのですが、100回、200回と回を増すごとに牙を向いてきます。
出来れば毎日10回以上、一か月以上はデモ取引練習される事をおすすめします。収支をしっかりメモしておき、負けた分は負けた事にして、そのお金で好きなものを買う事をおすすめします。
少なくとも100回以上デモ取引を行って下さい。100回以上取引をすると大半の方が負けているはずでなので、一度冷静に考える事をおすすめします。
国内バイナリーも海外バイナリー相当危険
海外バイナリーオプションは無登録業者と言う事と、射幸性の高さから危険視されており、「海外バイナリーオプションだから危険」、「国内バイナリーオプションは安全」とよく言われますが、国内バイナリーオプションも十分に危険です。
規制があっても1回の取引で200枚程購入できます。仮に1枚700円で購入した場合700×200枚=14万円、1日10回取引すれば140万円使う事になります。
10回連続で負ける確率は少ないのですが、一日に数百万円負ける事も出来ます。
パチンコなんてどんなに負けても10~20万円が限界ですよ。
そう考えると、国内バイナリーオプションもかなり危険と言えます。
更に上を行くの海外バイナリーオプションで負けようと思えば一日数千万円負ける事も理論上可能になっています。
まとめ
金融庁はハイローオーストラリアに3回も警告を行っていますが、海外業者と言う事もあり警告止まりになっています。
警告をされているハイローオーストラリアですが、取引を行う事は法律上問題はありません。ここは金融庁としても頭がいたいところだと思います。
法律上取引が出来るとは言え、無登録の海外バイナリーオプションは「高い射幸性」・「詐欺」等多くの問題を抱えています。
国内のバイイナリーオプションであれば、問題が起きても国が助けてくれます。しかし無登録の海外バイナリーオプションであれば、全て自己責任になります。
国内バイナリーオプションに比べると海外バイナリーオプションの方がシンプルで分かりやすく、魅力的なのですが、様々な危険がある事を必ず理解しておきましょう。