コラム

 公開日: 2012-10-30 

交通事故を弁護士に相談すべき10の理由

交通事故の被害者になった場合,加害者が任意保険に加入しているなら,保険会社との交渉になります。この交渉は,被害者本人が行うことも可能です。では,なぜ,弁護士に相談・依頼すべきなのでしょうか。

1 保険会社の提示が正しいとは限らない。

交通事故で怪我をさせてしまったときのための保険として,自賠責保険と任意保険とがあります。

自賠責保険というのは,必要最低限の損害をカバーするものです。

任意保険とは,法律上相当と認められる損害を全てカバーするものです。

ですから,任意保険会社は,本来,裁判所が相当性を認める損害を全て支払う必要があります。

裁判所がどのような損害をどの程度認めるかはケースバイケースですが,怪我の程度,治療期間,後遺障害の有無・程度等に応じて,ある程度の基準を定めています。

例えば,大阪地方裁判所は,「大阪地裁における交通損害賠償の算定基準」という本において基準を公表しています。

任意保険会社が裁判所の基準に従って示談の提示をしてくれれば何も問題はありません。

しかし,現実には,裁判所の基準を大きく下回る損害賠償額を提示されることがめずらしくありません。

場合によっては,最低限の賠償であるはずの自賠責保険の基準に近い金額を提示してくるケースすらあります。

一般の方からすると,「保険会社の担当者は交通事故のプロ。それに対して自分は素人だからよく分からない。プロの言い分に従って保険会社の提示で納得するしかないのか」と思いがちですが,そのようなことはありません。

加害者の保険会社から損害賠償額の提示を受けたら,その金額が相当なのかどうか,弁護士にご相談ください。

相談の結果,相当な提示額であれば,示談に応じればよいのです。

相談の結果,裁判所の基準との差が大きいようであれば,弁護士に依頼して交渉等を依頼するのがよいでしょう。

いずれにせよ,裁判所の基準からして相当な提示額であるかどうかを確認しないで示談してしまうのは,非常に危険ですので,やめた方が良いでしょう。

2 何を請求できるか?

交通事故で入院しました。入院するにあたり,色々と出費があったけれども,請求できるのでしょうか。

入院中,家族が付き添ってくれたのですが,付き添い費用は請求できるのでしょうか。

入院雑費は,1日あたり一定額を請求できます。また,付き添い費用を請求することができる場合もあります。

裁判所の損害算定基準は公表されているとはいえ,一般の方がそれを使いこなして請求できる費用をもれなく計上することは,簡単ではありません。

是非,弁護士にご相談いただき,何をどれだけ請求できるのか,計算してもらってください。

西脇法律事務所では,法律相談の範囲内で,損害額の簡単な見積りを行うことが可能です。http://nishiwaki-law.com/koutsuujiko.html#koutsuujiko

その場合には,入通院期間,事故前の収入の分かる資料,後遺症の認定を受けている場合には等級の分かる資料をお持ちください。

3 治療の打ち切りにどう対応する?

交通事故で怪我をさせられた場合でも,診療契約は患者と病院との間で成立していますので,病院に対して治療費の支払い義務を負うのは,患者=被害者本人です。

加害者が任意保険に加入している場合,通常,治療費は保険会社から病院に直接支払われますが,これは,あくまでも保険会社のサービスでしかありません。

ですから,保険会社がいつまで病院に治療費を直接払いするかは,保険会社の裁量となります。

逆に言えば,保険会社は,いつでも治療費の支払いを打ち切ることができるということです。

保険会社が治療費を打ち切れば,それ以降の治療費を支払ってもらうことはできないのかというと,そうとは限りません。

症状固定まで自費で通院し,自費で支払った治療費を加害者(保険会社)に請求することもできます。

もっとも,保険会社は支払を拒絶するでしょうから,訴訟を提起して,治療の必要性を主張立証していく必要があります。

少し話がそれましたが,保険会社による一方的な治療の打ち切りに対しては,保険会社の裁量である以上,弁護士を入れたからといって対抗できるとは限りません。

ただし,私の経験上,弁護士に示談交渉をご依頼いただき,弁護士から保険会社に対して治療継続の必要性をきちんと説明すれば,理解してもらえる場合も少なからずあります。

事故後,早い段階から弁護士に示談交渉をご依頼いただくと,このようなメリットも期待できます。

4 加害者側が先に弁護士を入れてくる場合も

事案によっては加害者側が先に弁護士を入れてくることもあります。

こうなると,一般の方では歯が立ちませんから,弁護士に相談・依頼しましょう。

「被害者の私が弁護士を入れてないのに,なぜ加害者が先に弁護士を介入させるのか!!」などと怒っても意味がありません。

目的は,あくまでも,法律上相当な賠償をきちんと受けることです。

相手方に弁護士が入ったらこちらもさっさと弁護士に依頼し,専門家にまかせてしまった方が楽ですし,結局は早く解決します。

5 「過失割合」分かる人いますか?

追突ならば前車0:後車100の過失割合であることは,ご存じの方もおられるでしょう。

では,右折車と直進車の事故ではどうでしょうか?
そのとき直進車側の信号が赤だったら?

分かる人は少ないと思います。

相手方保険会社の言い分を鵜呑みにして損をする前に,弁護士に相談しましょう。

6 事故状況が争いになったら?

加害者は事故直後は全面的に非を認めていたのに,あとで保険会社が入ると手のひらを返し,被害者の私が悪いような言い方をされる・・・

ということは,実は,全くめずらしくありません。

そのような場合,事故状況について何をどう主張すればよいのか,分からないままに保険会社の担当者に話をすることは,危険です。

あなた自身は自分に有利だと思って言ったことでも,のちの訴訟では不利に解釈されないとも限りません。

少しでも言い分が食い違うようであれば,要らないことを言ってしまう前に弁護士に相談し,場合によっては示談交渉に入ってもらいましょう。

7 後遺障害によって何が請求できる?

保険会社からの損害賠償額の提示は,「治療費」「交通費」「傷害慰謝料」「休業損害」といった損害項目ごとに記載されています。

そのなかで「後遺障害」という項目をよく目にします。

しかし,裁判所の交通事故損害賠償実務において,単なる「後遺障害」という損害項目はありません。

後遺障害に対する賠償としては,逸失利益と後遺症慰謝料とがあります。

逸失利益というのは,後遺障害の等級(1級から14級)に対応して,例えば,14級であれば労働能力が5%低下したとみて,交通事故がなかった場合と比較した将来の減収分を填補するためのものです。

後遺症慰謝料とは,文字通り,後遺症による精神的苦痛を填補するためのものです。

保険会社の提示にある「後遺障害」という損害項目は,裁判所でいう逸失利益と後遺症慰謝料とを一括りにしたものなのでしょう。

しかし,保険会社の提示する「後遺障害」の金額は,逸失利益と後遺症慰謝料との合計額よりも大幅に少ないことが多いようです。

この点でも,知らないと損をすることになりますので,弁護士に相談されることをお勧めします。

8 解決が早い。

西脇法律事務所では,多数の交通事故をあつかってきましたが,多くは症状固定後1~2か月の交渉期間の後,示談成立となっております。

ご自身で示談交渉される場合,保険会社の提示を断ったら,数か月何の連絡もなく放置されたなどという話もたまに聞きますので,弁護士に依頼した方が解決が早いと言えるでしょう。

9 弁護士費用特約なら,弁護士費用自己負担なし。

被害者ご自身の自動車保険に弁護士費用特約がついている場合,弁護士費用の自己負担なしに弁護士に依頼することも可能です(弁護士費用が弁護士費用特約の限度額内の場合)。

弁護士費用特約がない場合でも,収入が基準を満たせば,法テラスによる弁護士費用の立て替え制度を利用できる場合があります。

弁護士に依頼する場合,費用がネックと言われ続けてきましたが,弁護士費用特約や法テラスを活用することにより,弁護士費用の負担を気にせずに弁護士に相談・依頼することができるようになりました。

是非,有効にご活用ください。

10 面倒な交渉を全てまかせられる。

弁護士費用を気にせずに弁護士に相談や依頼をすることができるようになった関係で,最近,事故発生直後から示談交渉をご依頼いただくことが増えてきました。

加害者や相手方保険会社とのやりとりは,決して気の進むものではありません。

加害者自身も,保険会社の担当者も,決して,誠実な対応をする人ばかりではありません。なかには,どちらが被害者か分からないような対応をされる場合もあります。

加害者や保険会社との面倒なやりとりを最初から弁護士にまかせることができれば,被害者の負担も少しは軽くなるのではないでしょうか。

交通事故の被害者になられたら直ぐ弁護士に相談し,示談交渉を依頼する。そして,面倒なやりとりを全てまかせる。

これが,弁護士費用特約の上手な利用法ではないでしょうか。

取扱業務,費用等を詳しくご覧になりたい方はホームページへどうぞ
http://nishiwaki-law.com
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http://bengoshiyanokoji.wordpress.com/

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西脇法律事務所 [ホームページ]

弁護士 矢野耕司

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TEL:0795-23-7532

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