コラム

 公開日: 2012-10-24 

離婚を弁護士に相談すべき10の理由

当事者間の離婚協議はもちろん,離婚調停も弁護士を雇わず自分で行うことが可能です。その気になれば,離婚訴訟も本人で行うことができます。では,なぜ,離婚の問題について弁護士に相談したり依頼したりした方がよいのでしょうか。

1 損をせずにすむ

当事者間で離婚の協議をする場合,お互い法律の専門家ではありませんから,法律的に適切かどうか分からないままに,互いの要望をぶつけ合うことになります。

離婚に際しては,親権,養育費,財産分与,慰謝料等について話し合う必要があります。
しかし,これらは,必ず法律に従わなければならないというものではありません。

当事者が合意できればそれでよいのです。ですから,法律上認められた権利を放棄する合意も,法的に有効なのです。

となると,法律を知らずに正当な権利を放棄する合意をしてしまったとしても,その合意は有効であり,あとからひっくり返すことは難しくなります。

また,相手方が法律に詳しいようによそおったり,弁護士に相談しているようなふりをして,自分に一方的に有利な条件を提示してくる場合もあります。

そのような場合に,相手方の言い分をそのまま鵜呑みにしてしまうと,法律上正当な権利まで失ってしまう場合があります。

このようなことを防ぐために,弁護士に相談したり,当事者間の離婚協議の段階から弁護士を代理人として話し合いを行うことが重要です。

2 交渉はやり方・順序が重要

例えば,
夫が別の女性と再婚したいといった理由で早急に離婚したいと希望し,
妻は離婚に応じてもよいが,財産分与や慰謝料はしっかりと払ってもらいたいという場合,

夫から「先に離婚届を出してから,後でゆっくりと財産分与や慰謝料の話をしよう」ともちかけられたとします。

妻としては,これに応じるべきでしょうか。

答えはNOです。

このケースで,夫の離婚届を出してしまえば夫の目的は達成してしまいます。
夫にとってはあとはどうでもよいわけで,財産分与や慰謝料は逃れられるなら逃れたいものでしかありません。

もしも先に離婚届を出してしまったら,夫は財産分与や慰謝料の話に前向きに応じない可能性があります。

結果,話し合いでは財産分与や慰謝料を解決できず,調停や訴訟を行わなければならなくなり,手間も時間もかかってしまうことになりかねません。

交渉には,やり方と順序が重要なのです。

そして,「やり方と順序」には,決まった公式があるわけではありません。
事案ごとに,夫・妻双方の思惑,離婚したい理由,どのような財産があるか,子どもの意思,などの諸事情を総合的に検討する必要があります。

このようなときにこそ,弁護士の知識と経験を活用することが重要です。

3 実は知らないことも多い?

離婚する場合,親権,慰謝料,財産分与については皆さんよくご存じだと思います。

しかし,親権について争いになった場合,裁判所はどのような点を考慮して親権者を定めるのか,慰謝料は具体的にどのような場合に発生するのか,退職金や生命保険は財産分与の対象になるのか,などなど,
一般の方が詳しくはご存じないことも多くあります。

弁護士に相談することによって,法律を最大限有利に生かすことができます。

4 明確な戦略を立てることができる

例えば,夫がどうしても離婚したいと考えています。
しかし,妻の方が離婚に応じるならばそれなりの財産分与をしてほしいと主張しています。
夫としては,離婚はしたいけれども財産分与について譲歩もしたくない。

そのような場合,どうすればよいのでしょうか。

夫の言い分が離婚原因
http://bengoshiyanokoji.wordpress.com/2011/11/18/%e9%9b%a2%e5%a9%9a%e5%8e%9f%e5%9b%a0%e3%81%ae%e6%95%b4%e7%90%86/
に該当するのであれば,最終的に訴訟になったとしても,勝てる可能性が高いわけですから,強気に交渉していくべきです。

しかし,夫の言い分がどうも離婚原因に該当しない場合,訴訟を提起しても敗訴する可能性が高いわけです。

どうしても離婚したい=離婚の成立が最優先事項であるならば,財産分与については一定の譲歩をしてでも離婚の成立に持ち込むのが得策です。

二兎追うものは一兎をも得ずです。
優先度の低い財産分与にこだわるあまり,最優先の離婚ができないとなっては,全く意味がありません。

このように,もし訴訟になった場合にどうなるかを予想し,そこから逆算して交渉の方針を導き出すわけです。

そして,訴訟の結果を予想することは,弁護士でなければ難しいでしょう。

よく,弁護士以外の専門家やいわゆる事情通が,当事者の一方の話だけを聞いて「こんなケースなら離婚できるに決まっている」などと言っているのを聞いたりします。

しかし,訴訟の勝敗は,訴訟追行の経験がない人間が一方当事者の言い分を聞いただけで予想できるような単純なものではありません。

数多くの訴訟を経験した弁護士のみが,ある程度の予測を立てることができるのです。

離婚の協議や調停に臨まれる場合には,必ず,経験豊富な弁護士に相談をして訴訟の見通しを聞き,最善の戦略を立ててもらってください。

5 思わぬところで違法行為を行ってしまっている可能性が

離婚を決意して別居を開始する場合,妻が専業主婦であれば,当座の生活費をどのように確保するかが問題になります。

婚姻費用を請求することもできますが,調停等を行うとなるとある程度時間がかかります。
http://bengoshiyanokoji.wordpress.com/2012/09/24/%e5%88%a5%e5%b1%85%e4%b8%ad%e3%81%ae%e7%94%9f%e6%b4%bb%e8%b2%bb%e3%81%af%ef%bc%9f/

そこで,夫名義の財産を持ち出すことを検討せざるを得ないわけですが,どの財産をどの程度持ち出してよいのかについては,難しいものがあります。

この判断を誤ると,不法行為になる可能性があります。

また,別居中,相手方配偶者が監護する子どもを相手方の承諾なく連れ帰った場合,犯罪になる場合があります。
http://bengoshiyanokoji.wordpress.com/2012/08/10/%e5%88%a5%e5%b1%85%e4%b8%ad%e3%81%ae%e5%a6%bb%ef%bc%88%e5%a4%ab%ef%bc%89%e3%81%8c%e9%a4%8a%e8%82%b2%e3%81%97%e3%81%a6%e3%81%84%e3%82%8b%e5%ad%90%e3%81%a9%e3%82%82%e3%82%92%e9%80%a3%e3%82%8c%e3%81%a6/

このようなことを避けるため,弁護士のアドバイスは不可欠です。

6 調停委員があなたの味方になるとは限らない

調停委員は,本来,中立的な立場から各当事者の話を聞き,必要に応じてアドバイスをしながら,調停手続を進行する立場にあります。

あくまで中立ですから,あなたの味方になるわけではありません。相手方の味方につくわけでもありません。

しかし,調停委員も人間です。また,多くの場合,法律の専門家ではない人たちが選任されているのが実情です。

ですから,非常に残念なことに,「調停委員が相手方の味方ばかりをして,私に対して譲歩ばかり求めてくる」というご相談をお受けすることがよくあります。

そのようなことはないはずだけど・・・と思いつつ詳しくお話をお聞きしてみると,法律上正当と思われる請求についてまで大幅な譲歩を求められているケースも少なからずあります。

言うまでもなく,弁護士を代理人として調停に臨めば,このような事態にはならずにすみます。

7 事実関係の証拠化が重要

訴訟では,十中八九,あなたの言い分と相手方の言い分とは真っ向から食い違うことになります。私の弁護士としての経験から間違いありません。

では,裁判官は,あなたの言い分が正しいか,相手方の言い分が正しいのか,どうやって決めればよいのでしょうか。
裁判官は,あなたと相手方との結婚生活を目の当たりにしたわけではありません。

客観的な証拠に基づいて,それに沿った主張をする方と,全く証拠に基づかず,ただ言いたいことを主張しているだけの方と,どちらの言い分を信用するでしょうか。

答えは明らかだと思います。離婚訴訟においても,きちんと証拠を残しておくことが勝訴判決を勝ち取るために非常に重要なのです。

しかし,どのような事実についてはどのような証拠をどのように残しておけばよいのか,理解されている一般の方は少ないと思います。

離婚を検討しはじめたときから,是非,弁護士に相談してください。法律相談は何回受けてもかまいません。

そして,証拠の残し方についてアドバイスを受け,その通り実行してください。

8 自分に有利だと思った主張が自分に不利に働くことも

離婚訴訟に限らず,民事訴訟は弁護士をつけずに当事者本人が訴訟追行することができます。これを,本人訴訟といいます。

本人訴訟においては,主張・立証ともに弁護士のアドバイスを受けずに本人が自分で行います。

ところが,非常に恐ろしいことに,ご本人が自分に有利だと思って行った主張や,提出した証拠であっても,逆に相手方に有利に解釈される可能性があるのです。

実際,私が経験したことがあります。相手方に弁護士がついていない訴訟において,相手方が出してきた証拠に,逆に私の依頼者に有利な情報が記載されていたため,私がその点を指摘し,簡単に勝訴してしまいました。

訴訟は,皆さんが思っておられる以上に専門性が高いのです。

これまで述べたとおり,離婚を決意した時点で直ぐに弁護士に相談に来ていただきたいのですが,少なくとも,離婚が訴訟にまで発展した場合には,必ず弁護士に依頼しましょう。

勝てる裁判も勝てなくなります。

9 ピント外れの主張・立証をせずにすむ

訴訟の期日においては,裁判所から「この点をもっと具体的に主張してほしい」とか,「この点については主張しないのですか」とか,「この点について証拠を提出してください」とか,色々と指摘されます。

最近は,裁判所も随分と親切になり,本人訴訟で出廷された当事者本人にも分かりやすく説明しようと努力しておられます。

しかし,先ほど述べたとおり,たとえ離婚といえども,訴訟において勝訴判決を得るためには,専門的な知識経験が必要です。

私が見聞きする限り,裁判所の指示を的確に理解し実行できる一般人は皆無に近いと思います。

結果,裁判所の指示を理解したつもりで全然ピント外れの主張立証を行い,敗訴判決を受けることになってしまうのです。

第1審でピント外れの訴訟活動をしてしまうと,上訴審で逆転勝訴判決を得ることも困難です。

餅は餅屋といいますので,難しい裁判を自分でやろうなどと思わずに,専門家である弁護士にまかせてしまいましょう。

10 弁護士費用を安く抑える方法も

とはいえ,弁護士を雇うとなると,それなりの費用がかかります。
西脇法律事務所で離婚を依頼する場合の費用はこちら。
http://nishiwaki-law.com/rikon.html

しかし,世帯の収入が一定の範囲内におさまる場合,法テラスの法律扶助を利用することができ,弁護士費用を法テラスに一旦立て替えてもらい,ご依頼者は法テラスに月々5000円を支払っていくという方法をとることができます。

世帯の収入が法テラスの基準を満たさないという場合でも,西脇法律事務所の場合,ご事情によっては3回程度であれば分割払いにも応じさせていただいております。

是非,ご相談ください。

取扱業務,費用等を詳しくご覧になりたい方はホームページへどうぞ
http://nishiwaki-law.com
ブログには,他にも記事を掲載しています
http://bengoshiyanokoji.wordpress.com/

この記事を書いたプロ

西脇法律事務所 [ホームページ]

弁護士 矢野耕司

兵庫県西脇市西脇990 西脇経済センタービル1階 [地図]
TEL:0795-23-7532

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