コラム

 公開日: 2012-10-18 

相続を弁護士に相談すべき10の理由

遺言は自分で書けます。遺産分割の協議にしても調停にしても,弁護士を雇わず自分で行うことも可能です。では,なぜ,相続の問題を弁護士に相談または依頼した方が良いのでしょうか。

1 ミスをせずにすむ。

自筆証書遺言は,要式が厳格に定められています。要式をひとつでも欠くと,遺言は無効です。

例えば,3人兄弟の中の長男に多く遺産を相続させたいと考え,遺言書を書いたつもりでも,要式をひとつでも欠いてしまうと,遺言は無効=遺言が存在しないことになってしまいます。

法定相続人が兄弟3人だとすると,3人で3等分という結果になってしまいます。

弁護士に相談して,遺言作成の注意点を予め聞いておけば,このようなミスを防ぐことができます。

遺言を作成しようと思ったら,弁護士に相談して,有効な自筆証書遺言または公正証書遺言を作成しましょう。

2 損をせずにすむ。

相続人同士で話し合いをする場合,えてして「声の大きい人」「知ったかぶりで理屈を言う人」「とにかくしつこく主張する人」の主張が通ってしまいがちです。

弁護士に遺産分割の協議を依頼し,あなたの代理人として遺産分割協議を行い,または調停に出席させることで,法律上正当な利益を守ることができます。

3 感情がもつれずにすむ。

当事者同士の話しあいでは,みなさん法律の専門家ではありませんので,法律とは関係のない感情論になってしまうことがよくあります。

お金や財産のことになると人の本性が現れるといいます。

これまで表面化しなかったいろいろな感情が,いざ相続となり財産を分けるという段になって,一気に爆発してしまうことも珍しくありません。

しかし,感情をぶつけ合っても相続問題は解決しません。むしろ,解決には逆効果です。

相続でもめたことがきっかけで,兄弟が口も聞かなくなったなどということにならないよう,第三者である弁護士を間に入れ,冷静に法律に従って解決することが重要です。

弁護士に対してはご自身の要望をしっかり伝え,他の共同相続人に対しては「相続のことは弁護士にまかせてます」とだけおっしゃって,他の共同相続人に面と向かって感情をぶつけるのは避ける。これが得策です。

4 得をする場合も。

特別受益や寄与分について,よくご理解されている方は少ないと思います。

特別受益は相続分を減らす方向,寄与分は相続分を増やす方向に働くのですが,ただ主張すればそれで認めてもらえるというものではありません。

特別受益の主張により他の共同相続人の相続分を減らし,相対的に自分の相続分を増やすにせよ,
寄与分により自分の被相続人に対する貢献度を評価してもらい自分の相続分を増やすにしろ,
弁護士に依頼して,ポイントを突いた主張・立証を行うことが必要です。

5 面倒くさいことを任せられる。

遺産分割の協議を行う場合,また,調停を申し立てる場合,誰が相続権をもつのか=法定相続人の範囲を確定することがまず必要です。

法定相続人の範囲を確定するためには,被相続人の生まれてから亡くなるまでの全ての戸籍謄本が必要となります。

しかし,一般の方がこれらをきっちりと不足なく収集するのは,簡単ではありません。

また,そもそも,遠方の共同相続人が話し合いの度にいちいち集まったり,あるいは,多くの共同相続人といちいち郵便などでやりとりすること自体,手間がかかるという場合もあるでしょう。

そのような場合には,餅は餅屋,弁護士に依頼してしまうのが楽でよいと思います。

6 結局は早く解決する。

率直に申し上げて,共同相続人間で直ぐに話がまとまればよいですが,そうでない場合,法律の素人同士であれこれと議論しても埒があきません。

法律の専門家である弁護士を入れて,「法律上はこうなる」ということを全員に説明し,それでも話がまとまらないならば早々に調停を申し立て,調停でも合意ができなければ審判で裁判所に決めてもらうのがよいでしょう。

「裁判すると時間がかかる」とよく言います。しかし,「法律上はこうなる」という専門家のアドバイスなしに,それぞれがそれぞれの考え方を主張し続けるようでは,結局,調停→審判よりも時間がかかってしまうこともあります。

何度か話し合いに機会を持ち,らちがあかないと感じたら直ぐに専門家に依頼し,法律に基づいて粛々と手続を進めた方が結局は早いと思います。

7 知らなかった遺産がみつかるかも。

弁護士を入れた場合,弁護士は,まず,被相続人の生まれてから亡くなるまでの全ての戸籍謄本等を取り寄せ,法定相続人の範囲を確定するとともに,関係者の聞き取りから,被相続人にはどのような財産があるかの調査=遺産の範囲の確定を行います。

ケースによっては,被相続人の住所地近くの銀行や信用金庫に預金等がなかったかどうか照会したり,保険会社に保険契約の有無を照会したりします。

その結果,相続人の誰もが知らなかった遺産がみつかることもあります。

8 遺言によって争いが生じることを回避できる。

遺言は万能ではありません。例えば,3人兄弟の長男に遺産の全てを相続させたいと考え「遺産の全てを長男に相続させる」という遺言書を作成したとします。

では,遺言者の死後,長男は遺言の通り全ての遺産を手に入れることができるでしょうか。そうは思えません。

次男,三男は,遺留分減殺請求権を行使するでしょう。遺留分については,調停や訴訟で激しい争いになることも少なくありません。

こうなると,せっかく遺言を作ったのに,紛争を予防できるどころか,逆に,兄弟の紛争の原因になってしまいます。

遺言書を作成するとき,弁護士にご相談頂ければ,遺留分を侵害しない遺言を作成することができ,死後の紛争を予防する遺言を作成することができます。

9 特殊な遺言を作成することも可能。

遺言では,系譜,祭具,墳墓などの祭祀財産を誰に承継させるかを定めることができます。

また,例えば,3人兄弟の長男に自宅土地建物を生前贈与した場合,その自宅土地建物は,特別受益として,相続時の財産から長男が承継する相続分を減少させる要素となります。詳しくはこちら
http://bengoshiyanokoji.wordpress.com/2011/12/19/%e7%89%b9%e5%88%a5%e5%8f%97%e7%9b%8a%ef%bd%9e%e5%85%84%e3%81%a0%e3%81%91%e7%94%9f%e5%89%8d%e8%b4%88%e4%b8%8e%e3%82%92%e5%8f%97%e3%81%91%e3%81%a6%e4%b8%8d%e5%85%ac%e5%b9%b3%e3%81%a0/

しかし,自宅土地建物を特別受益としてカウントせず,長男にも相続時の財産の3分の1を承継させたいという場合,その旨を遺言書に記載することにより,特別受益の持ち戻しを免除することができます(ただし,遺留分を侵害する場合には,遺留分減殺請求を受ける場合はあります)。

他にも,遺言により認知したり,未成年の子どもを残して亡くなってしまう可能性のある場合,遺言により未成年者後見人を指定することもできます。

これらの遺言は,一般の方が自分で作成するのは難しいと思いますので,弁護士にご依頼されることをお勧めいたします。

10 遺言執行を依頼することも可能

有効な遺言を作成しても,その内容がきちんと実現されなければ意味がありません。

そこで,遺言を作成する場合には遺言執行者を指定しておくのがお勧めです。

とはいえ,共同相続人のうちの一人を遺言執行者とする場合,他の共同相続人からすると,遺言執行者が本当に信頼できるのか,不正をはたらかないか,疑心暗鬼となり,関係が悪化しないとも限りません。

弁護士に遺言書の作成を依頼し,弁護士を遺言執行者に指定しておけば,このような心配も要りません。

また,弁護士に遺言書の保管を依頼しておけば,遺言を紛失したり,自分の死後,相続人に遺言を見つけてもらえないといった事態も防ぐことができます。

取扱業務,費用等を詳しくご覧になりたい方はホームページへどうぞ
http://nishiwaki-law.com
ブログには,他にも記事を掲載しています
http://bengoshiyanokoji.wordpress.com/

この記事を書いたプロ

西脇法律事務所 [ホームページ]

弁護士 矢野耕司

兵庫県西脇市西脇990 西脇経済センタービル1階 [地図]
TEL:0795-23-7532

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0
<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
西脇法律事務所の矢野耕司さん

西脇市を拠点に、民事や家事、刑事などあらゆる分野の法律問題に応える弁護士(1/3)

 西脇市の市街地にある「西脇法律事務所」。弁護士の矢野耕司さんが同市を中心に加東市や加西市、小野市、三木市、加古川市などの北播磨エリアで、賃貸借問題や交通事故などの民事、離婚や相続といった家事、捜査段階での弁護や起訴後の公判弁護を行う刑事と...

矢野耕司プロに相談してみよう!

神戸新聞社 マイベストプロ

事務所名 : 西脇法律事務所
住所 : 兵庫県西脇市西脇990 西脇経済センタービル1階 [地図]
TEL : 0795-23-7532

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

0795-23-7532

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

矢野耕司(やのこうじ)

西脇法律事務所

アクセスマップ

プロのおすすめコラム
はじめまして

この度,マイベストプロに「地域密着で民事・家事を解決する法律のプロ」としてご紹介いただきました西脇法律事務...

私的整理の手法

私的整理による事業再生には,どのような手法があるのでしょうか。1 リスケジュール返済期限を延ばしてもらう...

私的整理による事業再生

事業の経営が思わしくない場合,金融機関から追加融資を断られた場合,資金繰りがうまくいかなくなった場合などに...

学資保険の元本割れ

学資保険が元本割れしたケースで,元本割れした分を返還する和解が成立したようです。朝日新聞デジタルによると...

弁護士に依頼をする場合の流れ

弁護士に事件の解決を依頼する場合,どのような手続を踏むのでしょうか。【法律相談】弁護士との関係は,まず...

コラム一覧を見る

人気のコラムTOP5
スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ