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コラム
公開日: 2016-12-14 最終更新日: 2016-12-26
任意売却後の残債務はどうなるか?
住宅ローンの返済に困り任意売却を選択した場合、残った債務はどうなるか、競売と比較しながら見てみましょう。
任意売却と競売…①売却後の残債
任意売却と競売では売却価格に大きな違いが出ます。
ローンの残債2000万円の物件を任意売却した場合と、競売の場合の違いを見てみましょう。
物件の市場価格を2000万円としてみます。任意売却は市場価値の8割程度で売却することも可能ですから、その売却額は、「市場価格2000万円×0.8=売却額1600万円」。
一方、競売の場合、市場価格の6~7割程度になるのが一般的です。ここでは6割としてみます。すると、競売の場合の売却額は、「市場価格2000万円×0.6=売却額1200万円」となります。
残った債務から売却額を引いてみましょう。
任意売却の場合は、「残債2000万円-売却額1600万円=400万円」となります。
競売の場合は、「残債2000万円-1200万円=800万円」です。2倍の違いがあります。
任意売却と競売…②遅延損害金
また、住宅ローンの返済が滞ると遅延損害金が発生します。
金融機関によって違いますが、ローンの残債に対し14%を超える利率です(信金系は約18%、ノンバンク系は20%以上になることもあります)。
ローンの残債が2000万円とします。滞納開始時点の残高です。ローン返済滞納から2カ月後に、任意売却によって物件が売却でき、返済を済ますことができたとすれば遅延損害金は、
「残債2000万円×14%÷12カ月×2カ月=約47万円」です。
これに対し競売の場合、売却まで1年以上かかることもあります。ここでは、1年後として計算してみます。すると、遅延損害金は、
「残債2000万円×14%÷12カ月×12カ月=約280万円」。これも大きな違いです。
減額してもらえる可能性があります
任意売却をしても、残ったローンが帳消しになるわけではありません。しかし、任意売却後に残債を小額ずつ返していくことが可能になるケースもあります。
たとえば、これまでの月々のローン返済額が10万円として、任意売却後の残債に対しては月々3万円ずつ返済していくということです。
もちろん借入先(金融機関など債権者)の合意が必要ですが、任意売却によって残債をできるだけ少なくすることによって、この合意が得やすくなるのです。競売より任意売却のほうにメリットがある理由の一つです。
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神姫住宅産業の神足武志さんは、地元兵庫県明石市を拠点として、不動産仲介業をメインに土地売買からリフォーム等を展開しています。地元の明石を愛する神足さんは、地域密着で長年営業を続けており、多くの顧客のよき不動産アドバイザーになっています。...
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