コラム

 公開日: 2015-05-24 

自分で家を建てたい人、セルフビルドの実際【3】建築工事の実務作業、安全性の確保

今回は、自分で家を建てるときの実務作業について、セルフビルドで問題になりそうな事柄を挙げていきます。


【以前のコラム】

【1】テレビや雑誌に惑わされない。

【2】法的な問題について(確認申請、建築許可)


DIYはプロ並み、大工仕事に関しては体力も知識も充分という人でも、1軒の家を建てるとなると、簡単にはいかないところが幾つもあります。


◆構造計算

木造2階建ての住宅では、確認申請書作成時の構造計算書の添付が省略されている場合がありますが、当然、全く構造計算を行っていない家を建てる訳にはいきません。

安全性の確保は、家作りの基本です。

木造住宅の場合、耐震性の確保、特に基礎と土台、柱の連結金物の配置などが、非常に重要になってきます。

「ホールダウン金物」や「耐力壁」をどのように配置するのか、きちんと構造安全性を検討しておく必要があります。

構造計算は誰が行うのか、これは計画段階で決めておかなくてはいけません。


◆地盤の安全性

家は地面の上に建っています。

いくら家が丈夫に出来ていても、地盤が不安定では安全な家とは言えません。

現在の確認申請では、審査時に地盤の安全性の証明を求められる場合が殆どだと思います。

地盤調査による支持力の確認、軟弱地盤であれば地盤改良工事・・・このあたりは、専門家でないと難しいところです。

地盤改良
写真は、一般的な地盤改良工事「柱状改良」の様子です。


◆コンクリート基礎工事

木造住宅でも鉄骨住宅でも、基礎はすべて鉄筋コンクリートで出来ています。

通常、鉄筋の仕入れ、組み立ては鉄筋業者、コンクリートは生コン業者に頼みます。

普通の人が鉄筋を仕入れ、その加工、組み立てを行い、生コンを発注するのは、かなりハードルが高いと思われます。

鉄筋コンクリート工事も、素人さんには困難な作業工程だと思います。

基礎打設
写真はコンクリート基礎工事の様子です。


◆足場、重機の確保

通常、2階以上の住宅では家のまわりに足場を組みます。

また、2階以上の住宅では、クレーンなどの重機を使って柱や梁を組み立てることが多いと思います。

足場や重機の操作には、それぞれ専門業者がいます。

セルフビルドの場合、個人でこれらをすべて手配するのは、なかなか困難だと思います。

建物が低く、柱や梁がすべて人力で運べる大きさに揃えて、資材を置く場所もあって・・・という条件を揃えないと、なかなか人力だけで家を建てるのは難しいのではないかと思います。


◆材料の確保

近年、一般的な木造住宅の場合、柱や梁は図面に合わせてプレカットした形で納入されることが普通になっています。

プレカット部材は、現場での木材加工が必要ありません。

プレカットの現場では、骨組みは木材を組上げるだけ、加工精度もキッチリ仕上がってきていますので、言い様によっては「セルフビルド向き」とも考えられます。

しかしその分、プレカットでは発注時に正確な図面が要求されます。

また、納品前には材料屋さんの描く「プレカット図面」をチェックする必要もあります。

木造住宅の主な構造材料、柱や梁はどこでどうやって購入するのか、これも最初に決めておいた方が良いでしょう。


◆上水道、下水道の接続

上水道、下水道は通常、自治体が管理しています。

新たに住宅を建て、生活する人は、各自治体に「接続工事許可」「使用許可」をとる必要があります。

そして、これらの工事の多くは、自治体が定めた「指定業者」による工事が必要になります。

「指定業者」以外が工事を申請し、施工することは非常に困難(一般的には、無理)です。

着工前には、このあたりの手配も行っておく必要があります。



・・・ネガディブなことばかり書いてきましたが、現実的に、上記のようなことをクリアしないと家は建てられません。

セルフビルドを行う人は、まず、着工前にこれらの事項をどうクリアするのか、考えておきましょう。

◆関連コラム◆

自分で家を建てたい人、セルフビルドの実際

【4】それでもやりたい人向け、新築DIYについて。


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