コラム

 公開日: 2013-05-18  最終更新日: 2014-08-01

ホームシアター/防音室を作るにはどうしたらいいのか

今回は、音楽や映像を家で楽しむ部屋(ホームシアター、オーディオルームなど)を作るときのポイントについて書いていきます。


まず、部屋の防音についてです。

部屋を構成する要素は、壁、天井、床、ドア、窓です。

そして、音の漏れる先は、室内、室外の2つです。

これらの組み合わせから、防音で問題になりそうな経路を考えると、

  【A】窓→室外へ

  【B】壁→室外へ

  【C】ドア→室内へ

  【D】壁・天井・床→室内へ

という4つのルートが考えられます。


この中で、一番問題になるのは【A】の場合、つまり窓から外部への防音効果でしょうか。

外に漏れる音が大きければ、夜に音楽や映像を楽しむことが出来なくなってしまいます。

窓の防音に効果的なのは、やはり二重窓ですね。

二重窓
※写真はLIXIL(TOSTEM)の二重窓「インプラス」です。
見た目の違和感は、ほとんどありません。


これで、窓から漏れるほとんどの音はシャットアウト出来ます。

二重窓で問題になるのは、開け閉めが面倒なことと、室内側にスペースをとること、コストが余計に掛かることです。

このうち、スペースをとることとコストが掛かることについては、家を設計するときに計画に入れておけば、それほど大きな影響は無いかもしれません。

たとえばコストについては、窓が二重になるからといって、値段も2倍になるとは限りません。

最初から設計に入れておけば、窓1つにつき、数万円の追加で済むと思います。

開け閉めの面倒な二重窓ですが、室内からの防音の他に、遮熱、断熱などの効果も期待出来ます。
外部からの騒音防止にも、効果的です。

防音室を作る場合、窓には二重窓をおすすめします。


【B】の壁から室外への音漏れについては、それほど心配する必要は無いと思います。

充分な断熱材を使って、ちゃんと施工された家なら、通常の音なら問題無いでしょう。

それでも「隣の家が凄く近いので気になる」「夜中でも気にせず、大きな音で映画をみたい」というのでしたら、半地下室、鉄筋コンクリート構造をおすすめします。

コンクリートの壁なら、ほとんどの騒音をシャットアウトできます。

夜中でも気にせず、音楽や映像を楽しみたいのでしたら、二重窓+鉄筋コンクリートをおすすめします。


【C】の場合、ドアから室内側への騒音については、防音ドアで対応します。

通常であれば、簡易防音ドアで充分でしょう。

簡易防音ドア
※写真はDAIKENの簡易防音ドア。
使い勝手もデザインも、通常のドアとあまり変わりません。

値段的にも手頃で、日常の使い勝手も問題ないと思います。

これ以上の性能を求めるなら、スチール製の防音ドアになりますが、コストもかかり、ドアも重く、使い勝手が悪くなります。

防音ドア
※写真はYAMAHAのスチール製防音ドア。
本格的な防音室向きです。


防音性能はランクがあり、高性能のものは、当然ながら厚く、重く、高くなります。

オーディオルームと寝室との距離を離すなど、間取りなどで工夫するのも良いかもしれません。


【D】の、壁・天井・床から室内への騒音防止も同様です。

こだわるなら、鉄筋コンクリート壁で覆うこと。

簡易的な方法なら、防音材を壁に貼ること。

その他の方法としては、間取りを工夫し、寝室との距離を離すことなどですね。



設計する側から提案する「音楽や映像を家で楽しむ部屋のポイント」は、「使い勝手の良い部屋を作ること」です。

たとえば、幾ら防音性に優れ、音響の良い部屋を作っても、リビングから離れた地下室なら、気軽に楽しむことが出来なくなります。

使い勝手の良い、普段から寛げるスペースでこそ、音楽や映像が楽しみたいですね。

そこはリビングかもしれませんし、寝室かもしれません。

畳の部屋で寝転んで寛いでも良いし、書斎のソファで音楽を聴いても良いでしょう。

特別な部屋にせず、音楽や映像を気軽に楽しむことが出来るスペースを家の中に作ることをおすすめします。


たとえば鉄筋コンクリート住宅で、二重窓、住宅用の防音ドアの部屋をつくれば、実用的なシアタールームになると思います。


もう一点、考えて欲しいことは、「部屋を作り込みすぎないこと」です。

メディアやAV機器の進歩は早く、寿命は家よりも短くなります。

一昔前、ホームシアターといえばプロジェクターが人気でしたが、今では大画面液晶テレビが主流です。
テレビにはインターネット回線が繋がるようになりました。

ケーブルテレビや光ファイバ、CSやBSなどもあります。

サラウンドシステムも、今後変わっていく可能性があります。

現在の機器に合わせた部屋を作り込みすぎず、ある程度、可変可能な設計にした方が良いと思います。


音楽や映像を家で楽しむには、毎日の生活の中で寛げる場所にこそ、防音をしっかりと行ったスペースを用意することをおすすめします。


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