コラム

 公開日: 2016-08-16 

映画「ものすごくうるさくて ありえないほど近い」:自閉症の少年が父親の死を受け入れるまで

今回見た映画はこれ



タイトルがちょっとわかりにくいのでこれまで見ていなかった作品ですが、今回鑑賞してみました。いやぁ~予想以上に面白かったし、私にとってはとても勉強になった映画でした。

あらすじを簡単に言うと、どうやらアスペルガー障害を疑われ検査は受けたのですが「不確定」と診断された少年オスカー。彼はアメリカで起きた9.11のテロにより、突然最愛の父の命は奪われてしまいます。途方に暮れる母とオスカー。しかしやがて彼は、父のクローゼットで謎の鍵を見つけたのでした。そしてふとしたことから知り合った言葉が話せない老人とともに一本の鍵の穴を探す旅に出ることになります。

そしてオスカーは、謎の老人を同行者としてニューヨーク中を訪ね歩く旅の間に、初めて会う人への恐怖心や緊張も和らぎ、人間関係も柔軟になり、人と人とをつなぐ大きく温かい輪のなかで大きく成長していくのでした。果たしてその鍵の秘密は?その老人の正体は?また突然父を失った哀しみをどうやって癒していくのか?と興味が尽きないところですが、それを全部書いたらネタバレになっていしまうので・・・・。でも太鼓判を押しておきますが、これは面白いストーリーですよ。私は最後の最後まで物語の中に引きこまれていきました。

それ以上に興味深かったのが、オスカー君のアスペルガー的な言動の数々。もちろんアスペルガーの診断は不確定だったのですが、聴覚過敏や時間へのこだわり、新しい状況への不安、重力不安の様子など「さもありなん」と思わされる描き方でした。なにしろ謎の老人と旅に出るため待ち合わせた時、“(待ち合わせに遅れないよう)念のために23分37秒前に待ち合わせ場所に行った”とか老人に一緒に旅に出るためのに彼が決めたルールが“トイレは2回まで、食事は1回19分”などと時間へのこだわりが半端じゃない。また外の世界での車の騒音や雑踏のざわめきにパニックになるため、絶えず「タンバリン」の音を耳元で鳴らしながら気持ちを落ち着かせる様子などなど。

そしてそういうオスカーの特性を十分理解して彼がパニックになった時に「近づいて、小さな声で、冷静に」「繰り返し」語り続けることで彼のパニックを収めていく母親の接し方なども、発達障害児のパニックへの見本でしたね。さらに謎の老人は言葉が出ないため(失声か、緘黙か?)、筆談をするのですが、その方がオスカーにとっては伝わりやすいようでした。やはり彼らには「言葉より文字」の方がわかりやすいのでしょう。それらのことも大変納得する場面でした。

と言うことでストーリーも面白かったし、それ以外でもたいへん見どころのある映画でした。もし興味を持たれたら、是非!

◇◆◇  こんな映画も ◇◆◇
映画「博士と彼女のセオリー」:一人の人間、ホーキング博士を描いた作品
http://mbp-kobe.com/officekishii/column/53089/
映画「精神」:「病と共に生きる人」、そしてその彼らと共に生きる人
http://mbp-kobe.com/officekishii/column/52937/
映画「奇跡の2000マイル」:人生の砂漠を歩く女性の生き様
http://mbp-kobe.com/officekishii/column/52931/
映画「バイバイ、ママ」:「ママっ子男子」はアメリカでも!
http://mbp-kobe.com/officekishii/column/52748/
映画「「クワイエット・ルームにようこそ」:おもしろうて やがて悲しき映画かな
http://mbp-kobe.com/officekishii/column/52739/
映画「西の魔女が死んだ」:気が付いたからには目をそらすことはできない「自分」
http://mbp-kobe.com/officekishii/column/52560/
映画「セブン・サイコパス」:やれやれ、まともなのは俺だけだ、と思っているサイコパスの話
http://mbp-kobe.com/officekishii/column/52407/
映画「エレファント・ソング」:助けて・・・・僕は誰からも愛されてこなかった・・・
http://mbp-kobe.com/officekishii/column/52288/
映画「マーサ、あるいはマーシーメイ」:マインドコントロールから抜け出す苦しみ
http://mbp-kobe.com/officekishii/column/52112/
「hikikomori」を描いたドキュメンタリー映画を紹介します。
http://mbp-kobe.com/officekishii/column/52107/

うつ・発達障害・不登校・不適応等のお悩みに カウンセリング・オフィス岸井

□■□■□■□■  【カウンセリング・オフィス岸井】□■□■□■□■   
              ☆初回面接は無料です☆
JR・阪神「元町」阪急「花隈」神戸市営地下鉄「県庁前」駅からいずれも徒歩5分         
電話:090-1243-9646  メールはホームページからもできます

この記事を書いたプロ

カウンセリング・オフィス岸井 [ホームページ]

臨床心理士 岸井謙児

兵庫県神戸市中央区花隈町9-25 グランピア下山手通 002号室 [地図]
TEL:090-1243-9646

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

1

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
岸井 謙児(きしい けんじ)プロ

豊富な経験を生かし、相手に寄り添って希望を見出す手助けを(1/3)

JR・阪神元町駅、阪急花隈駅、神戸市営地下鉄県庁前駅からほど近い閑静な場所にある「カウンセリング・オフィス岸井」。カウンセラーの岸井謙児さんの元には、不登校、発達障害などの悩みを抱える思春期から青年期の子どもたちや親が多数訪れています。...

岸井謙児プロに相談してみよう!

神戸新聞社 マイベストプロ

子供から大人まで長い経験からさまざまな悩みに対応します。

事務所名 : カウンセリング・オフィス岸井
住所 : 兵庫県神戸市中央区花隈町9-25 グランピア下山手通 002号室 [地図]
TEL : 090-1243-9646

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

090-1243-9646

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

岸井謙児(きしいけんじ)

カウンセリング・オフィス岸井

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
あなたは悪くない
イメージ

あなたは悪くない。あなたのせいではない。あの人を救えなかった、変えられなかったのは、あなたの努力不足だ...

[ こころの散歩道 ]

中高生の自殺が平成に入って最多に。私に、そしてあなたに何ができるか?
イメージ

自殺総数が8年連続で減少する中、中高生の自殺が平成に入って最多になったというショッキングな統計が厚生労働省か...

[ JIJICO ]

私は悪くない
イメージ

親は子供に自分がかなえられなかった夢を託すものだ。自分がダメな人間だと思えば思うほど、その反対のイメージを...

[ こころの散歩道 ]

大切なことは絵本から学んだ<133> 私たちはどこからきてどこへ向かうのか 「みち」
イメージ

今回取り上げる絵本は阿部海太さんの「みち」タイトルと表紙の絵を観るだけで、この絵本が伝わってくるよ...

[ 大切なことは絵本から学んだ ]

ちょっといい言葉 47 ゲシュタルトセラピーの創始者パールズの人生の言葉
イメージ

 ゲシュタルトの祈り 「私は私のことをなし、 あなたはあなたのことをなす   私がこの世にあって生き...

[ ちょっといい言葉 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ