コラム

 公開日: 2016-05-17 

見るたびにタメ息がでる映画「ある子供」

このDVDを見るのは2回目なのですが、見るたびにタメ息がでます。タイトルは「ある子ども」

ある子供

タイトル通り、主人公は年齢的には青年の域に入っているのかもしれませんが、その内面はあきらかに子ども。と言っても発達に問題があるということより、家庭環境の影響や社会における青年の閉塞感が彼らを大人にさせないのでしょう。甘えとそれを受け入れられない恨み。そして他人を信じることができず、信じられるものはお金だけ。

主人公は職もなく、家庭からも切り離されたのか、川岸の廃屋に寝泊まりして、日々をなんとなく過ごしている青年。彼は日々の小銭稼ぎに年下の手下を使って万引きや窃盗を重ねています。本当の愛情というものを体験したことが無いのでしょう、小遣い銭に困った彼は、彼女との間に生まれたばかりの息子を人身売買の組織に売り飛ばしてしまいます。

それを聞かされた彼女はパニックになりますが、その彼女に「また、(子どもは)できるさ」と軽く言い放ってしまうのです。自分の立場を守るためには嘘に嘘を重ね、全く良心が痛まない、そんな青年。この映画が描いている状況は、今や世界中で見受けられる姿ではないでしょうか。もちろん日本でも。

その原因を彼ら自身に求めたり、家庭環境に求めたり、あるいは社会に、時代に求めることはできるでしょう。しかし問題は何が原因か、ということよりも、「今、どうすれば良いのか」ということなのかもしれません。仮に家庭環境や社会、時代に原因を求めたとしても、それを変えていく解決策はすぐには見当たりません。

一番手っ取り早いのは、彼ら自身に原因を求め、やれ「行為障害」だ、「反抗挑戦性障害」だ、「反社会性人格障害」だ、挙句の果ては「発達障害」だ、と言って切り離したり特別扱いして終わってしまう、という方法なのでしょう。しかし、レッテルを貼ったからと言って、何も解決していないのは言うまでもありません。精神医学や臨床心理学がその片棒を担いでいるとすれば、無責任極まりないかもしれませんね。

レッテルを貼ることよりも、彼ら・彼女らに直接関わる営みをすることが大切なのかも。色々なことを深く考えさせられる映画です。

◇◆◇ 「どうして??」と思わずにいられない若者たち
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