コラム

 公開日: 2016-04-15 

故・新藤兼人監督が30年も前にいじめを描いた秀作「ブラックボード」

今回見た映画はこれ



ひょんなことから手に入れたDVD「ブラックボード」。この映画は先日なくなられた新藤兼人監督が監督・脚本をされた社会派映画です。内容は「いじめ」について。

教育現場での「いじめ」については新聞紙上をにぎわす大きな事件が相次いだため、大きく社会問題となっていますが、その現代的問題である「いじめ」を取り上げた映画でありながら、なんと制作は1986年、30年も前なのです。

新藤さんといえば放射能を題材とした『第五福竜丸』、連続拳銃発砲事件の永山則夫を題材にした『裸の十九歳』、家庭内暴力に材を取った『絞殺』などなどさまざまな社会派映画を発表された監督ですが、今から約30年近くも前にこういう映画を発表されていたとは驚きでした。

さて、内容はある少年に対する殺人事件から始まります。しかし調べてみると、その少年は彼の通う中学校で影のボスとしていろいろな生徒をいじめていたのです。それに苦しみ続けた二人のクラスメイトが彼を殺害したのでした。その少年の家庭環境や学校の教員の取り組みなどを中心に丁寧に描かれていますが、この中で語れているセリフは今でも十分通用するセリフです。

と、言うことは30年前も今も子どもたちをめぐる環境や「いじめ」問題に対する取り組みはあまり進歩していない、と言うことなのでしょう。とても残念であると共に、「いじめ」の問題の解決の難しさを思い知らされます。

学校の教師も決して手を拱いているわけではなく、それなりにそれぞれの立場からなんとかしようと努力をして入るのですが、なかなか功を奏しません。またいじめの主犯者自身を取り上げて考えた時、彼ら・彼女らの生きてきた環境や生育暦は、確かに恵まれたものばかりであるとは言いにくく、気持ちがすさんだり非行に走る気持ちもわからないではありません。

だからと言って許されるものではありませんが、ではどうしたらよいのか、というと個人の問題として捉えるだけでは解決に結びつかないのも確かでしょう。当たり前のことかもしれんせんが、まずはみんなが一緒になって考えることが大切なのでしょうね。
「いじめは絶対に許さない!」という覚悟を持って、「ではどうすればよいのだろう?」とみんなが真剣に話し合い、行動していくことなのではないでしょうか。

結論から言うと、この映画でも「こうすればいじめはなくなる」と言うような結論ではありませんでした。ただ、淡々と事実を描いた、秀作でした。興味を持たれた方はゼヒ!

◇◆◇ ほう、こんな映画もあったのか!
映画「精神」:「病と共に生きる人」、そしてその彼らと共に生きる人
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