コラム

 公開日: 2016-04-02 

大切なことは絵本から学んだ<126> 自然と人生を教えてくれる「おじいちゃんと森へ」

「おとうさん、おかあさん、ぜひ、お子さんといっしょに読んでください。わたしたちの身のまわりには、すばらしい自然との対話、人生のよろこびが潜んでいることを、この本は教えてくれます」というC.W.ニコルさんの推薦文が帯に載せられている絵本「おじいちゃんと森へ」

おじいちゃんと森へ

「僕」が小さかった頃、一番のともだちはおじいちゃんだったのでした。おじいちゃんといると、いつも世の中の色々なことが「ほんとにそうなんだなぁ」と思えたものでした。そして森の中を二人で散歩するのが大好きだった「僕」はある日、おじいちゃん“お祈り”について聞いてみました。するとおじいちゃんはしばらく黙った後、こう言ったのです。
“知っているかい?おまえ。あの木たちがお祈りをしているってことを”
“岩たちだって、お祈りしているんだぞ。小さな石も、大きな石も、長い年月、風や雪にさらされてきた丘だって、そうなんだ”

昔、故・河合隼雄さんがある本の中で、「現代の子どもたちは不登校などで苦しんでいるけれど、なぜ今の子どもたちは自分の生き方を探し求めて苦労するのだろうか?その原因は何なのだろう?」と聞かれたことに「その原因は今の高齢者の方々にあるのではないか」とお答えになられた文章を読みました。
その理由として河合さんは「昔から日本人は、朝日が出れば朝日に向かって、夕日が沈む時は夕日に向かって、手を合わせたものだ。今の現代の高齢者はおてんとうさまに対して手を合わせる、という習慣をやめてしまった。それが原因だと思う」と言うようなことを述べられていました。

要するに今の現代人は自然に対する敬意を失って、自分の頭の中の意識的な世界がすべてだと思うようになってしまっている、と言うことなのでしょう。その原因を「高齢者に求める」というのも酷なような気もしますが、この絵本を読むと確かにおじいちゃんやおばあちゃんが次の世代、次の次の世代にまで人生や自然を含む世界のあり方を伝えてくれる存在なのだ、と思わせてくれます。

その時に教える内容は、たとえ科学技術が発達した現在であっても論理で説明できるものではない、のだと思います。ある意味証拠などなくても信じる世界、宗教や哲学の範疇でしょうね。心理学と言うのも自分の生き方を結び付けて考えるならば、ある意味「証拠などなくても『これいいのだ』と自分自身を信じる世界」なのです。

最後におじいちゃんが「僕」に語った言葉を引用しておきます。
“「お祈りは、聞き届けられるの?おじいちゃん」ぼくはたずねました。おじいいちゃんは微笑みました。「ほとんどのお祈りと言うものは、ほんとうは問いかけじゃないんだよ」おじいちゃんは言いました。「じっと耳をかたむけて聞いてみると、お祈りそれ自体がその答えだってことも、よくあるんだ。木や風や水と同じように、ぼくたちはここにいるからお祈りをするんだよ。世界を変えるためではなく、自分たち自身を変えるためにね・・・・。なぜならば、ぼくたち自身が変わることによって、世界も変わるからなんだ」”

今世界中で起きているテロ事件を思い出すと、この絵本の持つ意味が良くわかってくるのでした。

◇◆◇ 私たちは生きる上で、大切なことは絵本から学んできたのではないだろうか?
大切なことは絵本から学んだ㉔ どうみても立派な人になるわけです! 「みんながおしえてくれました」
http://mbp-kobe.com/officekishii/column/46847/
大切なことは絵本から学んだ ⑯ 「いけちゃんとぼく」西原理恵子
http://mbp-kobe.com/officekishii/column/45355/
大切なことは絵本から学んだ<97> 「わたし、ぜんぜん かわいくない」
http://mbp-kobe.com/officekishii/column/52293/
大切なことは絵本から学んだ<95> 「ちっちゃなサリーはみていたよ」
http://mbp-kobe.com/officekishii/column/52103/
大切なことは絵本から学んだ 32 「心をビンに閉じ込めて」
http://mbp-kobe.com/officekishii/column/48273/
大切なことは絵本から学んだ 33 泣いたっていいんだよ 「ちいさな しんぱい」
http://mbp-kobe.com/officekishii/column/48335/
大切なことは絵本から学んだ 34 いじめられてるわたしと 「ボロ」
http://mbp-kobe.com/officekishii/column/48488/
大切なことは絵本から学んだ ⑲ わたしはできる!!「わたしは とべる」
http://mbp-kobe.com/officekishii/column/45832/
大切なことは絵本から学んだ ㉓ 父親と娘のビミョーな関係「パパとわたし」
http://mbp-kobe.com/officekishii/column/46483/
大切なことは絵本から学んだ<49> 素敵な大人の絵本「森へ行く」
http://mbp-kobe.com/officekishii/column/50641/
大切なことは絵本から学んだ<104> 「バスをおりたら」そこは見たことのない風景だった
http://mbp-kobe.com/officekishii/column/53172/
大切なことは絵本から学んだ<103> 「どんなかんじかなぁ」
http://mbp-kobe.com/officekishii/column/53167/
大切なことは絵本から学んだ<101> 三本足の犬と過ごしたあの日々そして、「あの路」
http://mbp-kobe.com/officekishii/column/52939/
大切なことは絵本から学んだ ⑥ 大人はみんな寝てるのに、 「はんなちゃんが めをさましたら 」
http://mbp-kobe.com/officekishii/column/44503/

うつ・発達障害・不登校・不適応等のお悩みに カウンセリング・オフィス岸井

□■□■□■□■  【カウンセリング・オフィス岸井】□■□■□■□■   
              ☆初回面接は無料です☆
JR・阪神「元町」阪急「花隈」神戸市営地下鉄「県庁前」駅からいずれも徒歩5分         
電話:090-1243-9646  メールはホームページからもできます

この記事を書いたプロ

カウンセリング・オフィス岸井 [ホームページ]

臨床心理士 岸井謙児

兵庫県神戸市中央区花隈町9-25 グランピア下山手通 002号室 [地図]
TEL:090-1243-9646

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

1

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
岸井 謙児(きしい けんじ)プロ

豊富な経験を生かし、相手に寄り添って希望を見出す手助けを(1/3)

JR・阪神元町駅、阪急花隈駅、神戸市営地下鉄県庁前駅からほど近い閑静な場所にある「カウンセリング・オフィス岸井」。カウンセラーの岸井謙児さんの元には、不登校、発達障害などの悩みを抱える思春期から青年期の子どもたちや親が多数訪れています。...

岸井謙児プロに相談してみよう!

神戸新聞社 マイベストプロ

子供から大人まで長い経験からさまざまな悩みに対応します。

事務所名 : カウンセリング・オフィス岸井
住所 : 兵庫県神戸市中央区花隈町9-25 グランピア下山手通 002号室 [地図]
TEL : 090-1243-9646

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

090-1243-9646

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

岸井謙児(きしいけんじ)

カウンセリング・オフィス岸井

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
映画「精神」:「病と共に生きる人」、そしてその彼らと共に生きる人
イメージ

今回取り上げた映画はこれ岡山県にある外来の精神科診療所「こらーる岡山」に通院するさまざまな人たち。...

[ 「こころ」を描いたこんな映画 ]

ADHDのライフハック<17>目からうろこ!全社員が発達障害者のオフィスがスゴイ!

世の中には色々な世界があるもので、今回紹介する会社は、社員のほぼ全員が発達障害者のオフィス。twitterで噂に...

[ ADD/ADHDの方のためのライフハック ]

ADD/ADHDの方のためのライフハック <2> ~ホワイトボードは役に立つ!~
イメージ

生活のライフハック(仕事術)を実践してみて報告しています。前回は、「To  Do List」を作ってみようというこ...

[ ADD/ADHDの方のためのライフハック ]

あなたへ贈るネットで見つけた感動秘話。「ママに優しくしてあげたくて生まれてきたんだからね」

ネットで色々な話を読ませてもらっていると、こんな素敵なお話しが。どうしてもあなたに紹介したくて引用させて...

[ ちょっと気になるあれやこれ ]

笑っているうちに思わず泣けてきました・・・・発達障害児の生き辛さを描いた漫画「ニトロちゃん」
イメージ

最近読んだ中でも、飛び切り印象に残ったのが、これ「ニトロちゃん」作者の沖田×華(おきたばっか)さんは、...

[ 発達障害を考える ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ