コラム

 公開日: 2016-03-30 

「あんまり、ほめないで。ほめられるとプレッシャーになるから」

昔、ある不登校の女子中学生と卓球をしたことがありました。私は単純だった(今も)ので、彼女がうまく返してきた時は、「うまいね!」などと声をかけていたのです。しかしある時、彼女はこういったのです。「あんまり、ほめないで。ほめられるとプレッシャーになるから」
あぁ、そうなのか、人間ほめられれば良いというものではないんだ、と気がつかされた瞬間でした。

それに関して以前週刊誌で脚本家の宮藤官九郎さんが、こういう文章を書かれていました。
“思春期を迎えると褒められる事が次へのプレッシャーになって来る。この前褒められたけど、次も同じように褒められるだろうか。次第に褒められるのが怖くなる。褒め言葉が重圧になって来る。”
なるほど、さすが、役者・脚本家として活躍されている宮藤さんですね。人間観察がするどい。

それにしても「ほめらるとプレッシャーになる」、という感覚はどこから来るのでしょうか?もしかしたらその人が「ありのままの姿でいいんだ、ありのままの自分を受け入れてもらえた」、という体験が不足していることと関連があるのかもしれません。

例えば親の望むような結果を出した時だけほめられる、という体験を積み重ねてくると、「ほめられない自分はだめだ」、と思うようになっていくことも考えられますね。そういう状態ならむしろ「叱責された方が気が楽」になっても不思議ではないかもしれません。

そこまで行かなくても、こういう感覚は思春期にはありがちの心性だ、とも言えるかもしれません。子どもが思春期に入ると言うことは、万能感に満ちたこども時代を過ぎて、気がつけば自分はたいしてハンサムでも美人でもない、普通の才能の、平凡な、いやむしろ、情けない人間だったんだ、と言うことを少しずつ、あきらめとともに受け入れていく過程なのです。

とってもつらいことですが、この体験を故・河合隼雄さんは“10歳にして、『もののあわれ』を知る”とおっしゃいました。まさに名言でしょう。





確かに人生と言うものは、ある意味“あきらめ”が肝心でしょうね。もっとも、そのあきらめを受け入れられるために、「ありのままの自分を受け入れてもらった」経験からくる安心感が育っていることが必要だとも言えます。その安心感が育っていない時、「ほめられた」体験が「次もほめられないと自分はだめな人間だ」というプレッシャーになってしまうのではないでしょうか。常に100点を取り続けるというのは大変なことだもの。

どうせ自分はこんなもの、と「ありのままの自分」を受け入れて、「ほめられた」うれしさは素直に受け入れるとしても、ま、それも一時(いっとき)のこと、「ほめられなかった」としても、それがどうした、たいしたことじゃないさ、と思えれば楽なのでしょうけど。そう思える時が来たとき、それが成長の証でしょう。


最後に官九郎さんは
“長い長い思春期が終わりました。宮藤官九郎、もう叩かれても伸びません。褒めて下さい!”とおっしゃられています。
ここまで行けば中年の図々しさかもしれませんが、まさしく同感!私もほめられれば、木にでも何にでも登りますよ!

◇◆◇ 中年にして「我が身のあわれさ」を知る?
自らの体験をもとに、いじめに対するメッセージを訴える魂のことば
http://mbp-kobe.com/officekishii/column/49206/
ウソでもいいから胸を張れ!ボディランゲージが人生を左右する!!
http://mbp-kobe.com/officekishii/column/49249/
人の気持ちがどうしても気になってしまう人と全く気にならない人の間
http://mbp-kobe.com/officekishii/column/49351/
絶対、あなたは笑顔になる!幸せを約束する2分間の動画を紹介!
http://mbp-kobe.com/officekishii/column/50969/
5月病・6月病に御用心!
http://mbp-kobe.com/officekishii/column/51194/
6ヵ月になる娘が居ます。私に母性が有るのか不安です。育てていけるのか不安です。
http://mbp-kobe.com/officekishii/column/51479/
人はうれしくなると手をあげてガッツポーズをするのは、なぜ?
http://mbp-kobe.com/officekishii/column/51644/
汝の哀しき性(さが)に泣け
http://mbp-kobe.com/officekishii/column/51679/
おいおい、本当!? 脳細胞に光を当てて「うつ」を改善できる?
http://mbp-kobe.com/officekishii/column/51772/
「物語」は明日を生きる力を産み出す
http://mbp-kobe.com/officekishii/column/51897/
虐待が疑われる時、いち早く、<189>へ電話を!
http://mbp-kobe.com/officekishii/column/51898/
光と影をどう生きるか? ① -生き方の光と影-
http://mbp-kobe.com/officekishii/column/55789/
「良かれと思った『押し付け』が、一番たちが悪い」
http://mbp-kobe.com/officekishii/column/55819/
「こころもからだ  からだもこころ」
http://mbp-kobe.com/officekishii/column/55618/
イメージを使ったストレス解消法
http://mbp-kobe.com/officekishii/column/55617/

うつ・発達障害・不登校・不適応等のお悩みに カウンセリング・オフィス岸井

□■□■□■□■  【カウンセリング・オフィス岸井】□■□■□■□■   
              ☆初回面接は無料です☆
JR・阪神「元町」阪急「花隈」神戸市営地下鉄「県庁前」駅からいずれも徒歩5分         
電話:090-1243-9646  メールはホームページからもできます

この記事を書いたプロ

カウンセリング・オフィス岸井 [ホームページ]

臨床心理士 岸井謙児

兵庫県神戸市中央区花隈町9-25 グランピア下山手通 002号室 [地図]
TEL:090-1243-9646

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
岸井 謙児(きしい けんじ)プロ

豊富な経験を生かし、相手に寄り添って希望を見出す手助けを(1/3)

JR・阪神元町駅、阪急花隈駅、神戸市営地下鉄県庁前駅からほど近い閑静な場所にある「カウンセリング・オフィス岸井」。カウンセラーの岸井謙児さんの元には、不登校、発達障害などの悩みを抱える思春期から青年期の子どもたちや親が多数訪れています。...

岸井謙児プロに相談してみよう!

神戸新聞社 マイベストプロ

子供から大人まで長い経験からさまざまな悩みに対応します。

事務所名 : カウンセリング・オフィス岸井
住所 : 兵庫県神戸市中央区花隈町9-25 グランピア下山手通 002号室 [地図]
TEL : 090-1243-9646

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

090-1243-9646

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

岸井謙児(きしいけんじ)

カウンセリング・オフィス岸井

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
映画「精神」:「病と共に生きる人」、そしてその彼らと共に生きる人
イメージ

今回取り上げた映画はこれ岡山県にある外来の精神科診療所「こらーる岡山」に通院するさまざまな人たち。...

[ 「こころ」を描いたこんな映画 ]

ADHDのライフハック<17>目からうろこ!全社員が発達障害者のオフィスがスゴイ!

世の中には色々な世界があるもので、今回紹介する会社は、社員のほぼ全員が発達障害者のオフィス。twitterで噂に...

[ ADD/ADHDの方のためのライフハック ]

ADD/ADHDの方のためのライフハック <2> ~ホワイトボードは役に立つ!~
イメージ

生活のライフハック(仕事術)を実践してみて報告しています。前回は、「To  Do List」を作ってみようというこ...

[ ADD/ADHDの方のためのライフハック ]

あなたへ贈るネットで見つけた感動秘話。「ママに優しくしてあげたくて生まれてきたんだからね」

ネットで色々な話を読ませてもらっていると、こんな素敵なお話しが。どうしてもあなたに紹介したくて引用させて...

[ ちょっと気になるあれやこれ ]

笑っているうちに思わず泣けてきました・・・・発達障害児の生き辛さを描いた漫画「ニトロちゃん」
イメージ

最近読んだ中でも、飛び切り印象に残ったのが、これ「ニトロちゃん」作者の沖田×華(おきたばっか)さんは、...

[ 発達障害を考える ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ