コラム

 公開日: 2016-01-15 

映画「ミルコのひかり」:目が見えなくなったミルコは「希望のひかり」を手に入れた

今回見たDVDはこれ

ミウrコの光

ある時遊んでいるうちにふと、バランスを崩した結果、暴発してしまったライフルによって視力を失ったミルコ。
彼は完全に視力を失ったわけではありませんでしたが、いわゆる弱視状態になったのです。

ほぼ光を失ったミルコは失意のもと、ある盲学校に入寮します。
そこには多くの光を失った子供たちがおり、今でいう特別支援教育のもと日々生活を共にしているのでした。

この映画は実話に基づいています。
盲目ながら、映画の音響デザイナーとして活躍するミルコ・メンカッチがその人です。
ミルコ・メンカッチは4歳の時に銃の暴発から視力を失ったとのことですが、当時の障害児教育は障害児と健常児に対しては全く別々の教育が行われ、あくまで最大目標は、治療教育であり、障害児の障害を克服あるいは軽減することが第一の目的だったのです。

しかし、1970年代に入り、ノーマライゼーションやインテグレーションの考え方が出され、現在で特別支援教育のバックボーンであるインクルージョン(全ての人々を孤独や孤立、排除や摩擦から援護し、健康で文化的な生活の実現につなげるよう、社会の構成員として包み支え合う」という理念)に発展していきます。

そういう時代の流れを背景に見るとこの映画のテーマが良くわかってきます。
つまり映画の最後にも字幕で語られるのですが、イタリアではこの頃を最後に盲学校は廃止され、盲人も一般校で教育を受ける権利を手に入れたのでした。

さて、それはともあれ、この映画のストーリーは、視力を失ったミルコ達が、聴覚を頼りに効果音やセリフを自分たちで考えたドラマを作る過程が語られています。

実際、ミルコ・メンカッチさんは音響デザイナーとして成功されるのですが、何より自分達の想像力を自由に膨らませて、決して障害者として社会に適応することだけをもとめられる縛られた生き方に収まらない「希望のひかり」を手に入れた子どもたちの姿に感動します。

そしてそういう子供たちの目線に立った教師の発案で、劇の発表に際しては観客に対して盲人と同じ世界を体験してもらう工夫をするのです。詳しく書けばネタバレになるのでここまでしか言えませんが、それは見ていてうれしくなるような工夫でした。

障害者が自らの努力で社会に適応することを一方的に求められる、という古い考え方ではなく。障害とともに生きる人も、そうでない人もお互いに距離を縮める共生社会が大切なのだ、ということをしみじみ感じさせる秀作でした。

興味のある方は ゼヒ!

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