コラム

 公開日: 2016-01-11 

映画「メイジーの瞳」:「愛のない親」より、「愛のある他人」を選んだメイジーの乾いた瞳

正月休みに見た映画を紹介。今日はこれ「メイジーの瞳」

メイジーの瞳

このDVDケースの、少女メイジーの瞳と表情を見て下さい。この6歳の少女の瞳に映っている光景は何なのでしょうか?

ロック歌手の母と美術商の父の間に生まれた少女メイジー。両親はお互いに自分の仕事に夢中で、顔を合わせると激しいののしり合いの喧嘩ばかり。その様子をじっと見つめるメイジー。両親はついに離婚を決め、親権を巡る裁判の中で下された結論は、メイジーがそれぞれの家を10日ごとに行き帰するという生活でした。それでも両親はメイジーを巡ってお互いの愛情の深さを競うのでしたが、それは親としての本当の愛とは言えず、あくまでもお互いが相手に対する優位を得るための手段なのです。

案の定、忙しい父はベビーシッターのマーゴに、母は新恋人リンカーンにメイジーを預けるようになって行きます。しかしマーゴとリンカーンは実の両親とは違い、不器用ながらも心からメイジーに愛を注いでくれるのでした。

こんな騒動に巻き込まれた子どもはどういう気持ちになるでしょうか。その答えをこのメイジーの乾いた瞳が表現しています。
虐待やネグレクトの被害者となった子どもによっては、「凍り付いたまなざし」と言われる、乾いた、冷たいほどの冷静さに覆われた、人を信じることができない瞳を見せることがあります。

私が関わったある「凍り付いたまなざし」を見せる中学生は「自分は5歳の時から人を信じられなくなった」と伝えてくれました。
元来「親と子の間の愛着」と言うものは子どもが生きていくために欠かせない「生きる喜びと安心感」を与えてくれるものです。その生きていく土壌となるべき親の愛を信じることができなくなった時の気持ちの殺伐さは想像するに余りあります。

ただしメイジーは、「愛を与えてくる他人」に出会うことができました。人は「愛情」さえあれば生きていける。たとえその愛が実の親からのものでなくても、誰かに「愛される体験」こそが子どもの「生きていく希望」をはぐくんでくれるのだ、とこの映画を見て思いました。

興味を持たれた方はゼヒ!

◇◆◇ こんな映画もゼヒ!
映画「エレファント・ソング」:助けて・・・・僕は誰からも愛されてこなかった・・・
http://mbp-kobe.com/officekishii/column/52288/
映画「マーサ、あるいはマーシーメイ」:マインドコントロールから抜け出す苦しみ
http://mbp-kobe.com/officekishii/column/52112/
「hikikomori」を描いたドキュメンタリー映画を紹介します。
http://mbp-kobe.com/officekishii/column/52107/
映画「デタッチメント 優しい無関心」:みんなが誰かの助けを求めている
http://mbp-kobe.com/officekishii/column/52294/
映画「精神科医ヘンリーカーターの憂鬱」:精神科医は自分を治療できるのか?
http://mbp-kobe.com/officekishii/column/52105/
映画「パパが遺した物語」:大切な人を失った心の空洞
http://mbp-kobe.com/officekishii/column/53383/

うつ・発達障害・不登校・不適応等のお悩みに カウンセリング・オフィス岸井

□■□■□■□■  【カウンセリング・オフィス岸井】□■□■□■□■   
              ☆初回面接は無料です☆
JR・阪神「元町」阪急「花隈」神戸市営地下鉄「県庁前」駅からいずれも徒歩5分         
電話:090-1243-9646  メールはホームページからもできます

この記事を書いたプロ

カウンセリング・オフィス岸井 [ホームページ]

臨床心理士 岸井謙児

兵庫県神戸市中央区花隈町9-25 グランピア下山手通 002号室 [地図]
TEL:090-1243-9646

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
岸井 謙児(きしい けんじ)プロ

豊富な経験を生かし、相手に寄り添って希望を見出す手助けを(1/3)

JR・阪神元町駅、阪急花隈駅、神戸市営地下鉄県庁前駅からほど近い閑静な場所にある「カウンセリング・オフィス岸井」。カウンセラーの岸井謙児さんの元には、不登校、発達障害などの悩みを抱える思春期から青年期の子どもたちや親が多数訪れています。...

岸井謙児プロに相談してみよう!

神戸新聞社 マイベストプロ

子供から大人まで長い経験からさまざまな悩みに対応します。

事務所名 : カウンセリング・オフィス岸井
住所 : 兵庫県神戸市中央区花隈町9-25 グランピア下山手通 002号室 [地図]
TEL : 090-1243-9646

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

090-1243-9646

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

岸井謙児(きしいけんじ)

カウンセリング・オフィス岸井

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
映画「精神」:「病と共に生きる人」、そしてその彼らと共に生きる人
イメージ

今回取り上げた映画はこれ岡山県にある外来の精神科診療所「こらーる岡山」に通院するさまざまな人たち。...

[ 「こころ」を描いたこんな映画 ]

ADHDのライフハック<17>目からうろこ!全社員が発達障害者のオフィスがスゴイ!

世の中には色々な世界があるもので、今回紹介する会社は、社員のほぼ全員が発達障害者のオフィス。twitterで噂に...

[ ADD/ADHDの方のためのライフハック ]

ADD/ADHDの方のためのライフハック <2> ~ホワイトボードは役に立つ!~
イメージ

生活のライフハック(仕事術)を実践してみて報告しています。前回は、「To  Do List」を作ってみようというこ...

[ ADD/ADHDの方のためのライフハック ]

あなたへ贈るネットで見つけた感動秘話。「ママに優しくしてあげたくて生まれてきたんだからね」

ネットで色々な話を読ませてもらっていると、こんな素敵なお話しが。どうしてもあなたに紹介したくて引用させて...

[ ちょっと気になるあれやこれ ]

笑っているうちに思わず泣けてきました・・・・発達障害児の生き辛さを描いた漫画「ニトロちゃん」
イメージ

最近読んだ中でも、飛び切り印象に残ったのが、これ「ニトロちゃん」作者の沖田×華(おきたばっか)さんは、...

[ 発達障害を考える ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ