コラム

 公開日: 2012-09-18  最終更新日: 2014-08-01

「一冊入魂」ミシマ出版 三島社長の講演メモから|ペンコム

計画と無計画のあいだ
<小社では、「一冊の力」を信じ、本づくりに従事します。>

2006年、そう宣言して出版社「ミシマ社」を設立された三島邦弘氏。
去る2012年9月10日、大阪の産創館にて、三島氏の講演会「計画と無計画のあいだ」が行われ、聴講してまいりました。

三島氏は、「自由が丘のほがらかな出版社」こと、ミシマ社の社長。
2011年10月には『計画と無計画のあいだ』を執筆しベストセラーに。
同書では、「まっすぐ」な活動を愚直につづける、原点回帰の出版社・ミシマ社を単身起業した後、愉快な「無法者たち」が集まってくる過程から、現在に至る5年間のエピソードと発見をつづり、痛快、爽快なエッセイとして話題になっています。
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以下は増田のメモです。
聞きとり内容が誤っている点、多々ありです(おそらく)。その点につきましては、あらかじめご承知おきください。
なお、「計画」とは何か、「無計画」とは何か、という点については、ここでは書ききれませんので、ぜひ著書をお読みください。

<講演メモ ここから>
2006年、ある日突然、「出版社を作ろう」とふとんを跳ねあげて、起き上がったわけです。
パワーがみなぎってきて、「原点に回帰した読者にまっすぐ、ストレートにつながっていく出版社をやろう」とメモに綴った。それが今につながっています。

2006年10月、300万円で株式会社を設立しました。
やがて1冊目の本を出したのですが、その時に思ったことは、何よりこの本を読者に届けることが重要であるということでした。
書店で読者が手にとって、「これは、自分のための本だ。」と思ってもらえる営業の方法があるはずだと。
設立後は、私ひとりでやっていて、まだ収益もなく、会社としては厳しい状況だったのですが、とにかく営業は必要だと採用しました。

自社営業とは、一冊を読者に届ける作業です。
自分が作った荷物は、自分のタイヤで運ぶ。
書店さんとの直取引にしたのも、思いを込めた1冊を一人でも多くの人に届けたいという気持ちからです。
非効率とされるこの分野に踏み出さないと、逆に非効率になると考えました。

私は、これまでの出版社と同じことをするのならば、やらない方がましだと思っています。
読者や社会に耳を澄まし、形(本)にしていく。
ミシマ社が出した本は、「絶版だけにはしたくない」。これは、私が出版社を設立した原点です。
いわば、出版社として在庫を持つ責任。
「その本が欲しい」という声にこたえ、その人に本を届け続けることができるかどうか。
これが原点です。

世の中では活字離れと言われます。しかし、その責任は読者にあるのではない。
むしろ、読者離れです。つまり、読者の期待に応えられていないのだと思っています。

この世の中、先が見えないことは、悪いことじゃない。これまでの世の中と、抜本的に違うことが求められているわけで、何が求められているのかを感知して突っ走ればいいのだと。
私は1975年生まれで、何かとネガティブに表現される世代です。
私は感覚はとぎすませておきたいんですね。
ネガティブに表現され、社会的な環境に縛られてしまう私たち男性に比べ、イキイキとした女性の生活言語がすごいと感じることがありませんか。
この感覚による「直感と情熱」。
男性も、そういう感覚をもっと表に出してもいいのではないかと。
私は、自分の感覚を信じて、動く。
自分のセンサーにかかったところを日々生きる。
みつけ、出会い、つないでいく。この感覚を鈍らせてはならないと。

あえて、東京の出版社やデザイナーさんから離れ、京都で仕事をしていることが多くなっていますが、これは、近くにいると、無意識のうちに影響を受けてしまうからなんです。
意識して自由度を高めるために、あえて、離れるというか。

本質的に、根本的に、抜本的に新しいことを求め、出版の新しいフィールドを作っていきたい。本質的な出版活動をしたい。
そのためには、普通のことをしていてはダメだと思っています。

大きな流れの中で、感度を上げ耳をすまして、自然にからだが動いていく、そういうメディア的なからだを作っていきたい。
そんなことを考えながら、日々を駆け抜けています。

<メモ、ここまで>

株式会社ミシマ社
http://www.mishimasha.com/

計画と無計画のあいだ---「自由が丘のほがらかな出版社」の話
河出書房新社 (2011/10/14)
http://www.amazon.co.jp/dp/4309020704


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