コラム

 公開日: 2012-07-21  最終更新日: 2014-08-01

PTAの役割考えよう(3) | 「任意加入」という仕組み

「任意加入」という仕組み
活動の目的をもう一度、考え、会員同士で共有しよう

ドラマ『七人の敵がいる』には、たくさんの貴重な意見が寄せられています。

朝日新聞では、教育面「どうする?」の中で、1月から半年間、8回にわたってPTA問題を取り上げていきました。また、春からは、加納朋子さんの小説『七人の敵がいる』が、『七人の敵がいる! 〜ママたちのPTA奮闘記〜』としてテレビドラマ化され、昼の時間帯に毎日、放送されていきました。

これらの報道や企画は、新年度が始まる前のこの時期、各単位PTAの活動、特に役員選出に際して、影響を与えないはずはなく、現場で役員選出を担当している役員は、かなり困惑したようです。

新聞記事についてFaceBookの増田のウォールで紹介したところ、コメントをいただきました。いくつかの内容をご紹介します。
--------
・PTA、確かに入退会は、自由の団体です。P(保護者)・T(教職員)による組織で、子どものため、地域のため、学校のため、そして自分自身のために保護者と教師が手を取り合い活動する組織であるべきなんですが…。
時には、PTAが保護者の盾となり、時には学校側の盾となり守る組織体であります。
「個」の集合体で、保護者と教員の思いをどれだけ共有するかが大事な組織だと思います。

・いろんな組織が階層的に重なっているのだが、その階層構造それぞれで目的を確認し合うとか、階層だけではなくて隣り合う団体、組織の境界も整理しないといけない時代なのかともおもいます。

・ 興味深い新聞記事でした。私も会長をやった経験がありますが、こちらでは学校にとってPTAは便利なお財布にもなっているので、尚の事問題が根深いです^^;
私は、地域の自立のためにPTAが果たす役割は大きいと思ってて、「任意加入」=PTA崩壊にならない方向を目指してほしいんですよね。

・あまり気にならなかったんですが、色々ありますよね~。増田さんはPTAは大事というか、やっぱり必要でみんなが入ろうって考えですよね~、こういうのを観てて思うのが労働組合なんかも、そうだし、ほかの団体も何となく思う節がある。ちゃんと大義はあるんだけど、今はいろんな問題が多いと思う。
(※「増田さんはPTAは大事というか、やっぱり必要でみんなが入ろうって考えですよね~」。
=そうとも言い切れないのですが:増田・注)

・うわぁ、いっぱい思うところがある~ 

・「自由」の追求がsolitude(孤独)につながっちゃったらつまんないっていうか、楽しくないよね。コミュニティの崩壊、って古い言葉もあるけど。あまたの特異性が持つ「自由」は結集してmultitudeとして運動し、生産しなきゃ、そのための組織化を工夫しようぜ、って言うのが「新しい民主主義」なんだと思うんですよね。

・意見が違うのはもちろん当たり前です。意見を出し合い、皆さんからの会費を必要な活動費にあてないといけない。しかし現実は、異なる意見を出したとたん、陰口や大人のいじめが始まります。

・「損したくない、自分だけしんどいことはしたくない」という考え方が最優先。価値観が共有できない。

・新聞の記事を盾に話してくる保護者もいるので、PTA役員と保護者のバトルが大変です。声を聞き、思いを実現する会長になるには、苦難の道が続きます。

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なお、テレビドラマ『七人の敵がいる』のホームページには、番組に寄せられたメッセージが掲載されています。この内容をみれば、今、PTAや地域の団体がどのような課題を抱えているのかのほぼすべてが分かると思います。
想像できる賛否両論ほぼ全体を網羅しているのではないでしょうか。
PTAに関心のある方、特に、役員の方は、ぜひご一読ください。
保護者の皆さんに、いろいろな考え方や、異なる生活状況があるということが分かると思います。
http://tokai-tv.com/shichinin/message/
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<まずは、活動の目的を共有しよう>

さて、私は数年前から、兵庫、大阪を中心に、時間が許す限り、PTAの広報委員さんを応援する広報セミナーを行っています。
PTAの各委員(部)の中でも、もっとも作業量が多く、ゆえに人気がないといわれている「広報委員・部」さんにノウハウをお伝えして、みなさんを少しでも応援できたら、楽しくPTA活動に携わってもらえるのではないかなと考えて、お手伝いをさせていただいているものです。

私がお伝えするセミナーは、だいたいにおいて2部構成になっています。
1部は、「PTA広報とは」
2部は、「広報誌の作り方」
です。
1部は、PTA広報の役割を理解してもらう内容で、2部は、企画、文章、写真、レイアウトのコツをコンパクトにお伝えしようというもの。

今年度は、一連のPTA報道もあったことから、再度、地元の現役PTAやOBに取材を行い、第1部の「PTA広報とは」に次のようなポイントをおいたセミナーとしました。
つまり、ひと言でまとめると、
「互いの価値観の違いを分かった上で、活動の目的を明確にし、組織で共有しよう。そして、目的達成のしくみを考えよう」
ということです。

「いろいろな考え方の人がいる」というのは、PTAに限ったことではありません。
今や、育った地域も世界規模に広がって、世代の異なる人が共に活動するのです。
そもそも価値観が違って当たり前。まずは、そのこと自体に目を向け、排除することなく、理解することが必要になると思います。

次に、価観の違う人たちをまとめていくのは、「リーダー」の手腕になりますね。
リーダーとは、会長、役員、校長、各部委員長などです。
この中で、トップリーダーは、活動の目的、すなわち、会の達成目標を明確にし、分かりやすいメッセージとして伝え、メンバーはこれを理解し、共有する必要があると思います。

この目標を達成するために、どのような「しくみ」を考えるのか、それが、各リーダーの役割になると思います。
とえば、「任意加入」というしくみを使って、どう、目的を達成するのか、そのために、うまく進まない点があれば、そこをどのように「改革」していくのか。

今回のセミナーではそのような内容でお伝えしていきました。
お伝えする中で、「PTA広報誌の目的は?」「単位PTAの目的は?」とも質問しましたが、あらためて,私の方から質問を投げかけると、「すぐにはこたえられない」という方がほとんどでした。
意外と、目的や役割について、あまり意識していないものなのです。

PTAとか、自治会活動、NPO、ボランティア活動というのは、「儲ける」という明確な目的があるわけではないので、常に意識をしていないと、活動の目的を見失ってしまいます。
構成員は、「世の中のため」という美しい言葉の前に、異なる意見をいいにくくなってしまうのも事実かと思います。

まずは、基本的なことですが、達成目標を明確にして、共有し、そのプロセスを分かりやすく示してみてほしいとおもいます。

目的は、各学校・PTAによって異なって当たり前です。
抱えている問題が違うからです。
その単位PTA、地域の実情に合わせた課題解決を目標として掲げて欲しいと思います。

増田は、このように考えていますので、
「入退会自由を保障すれば、保護者の支持を得られないPTA活動は改善されるはずだ」(朝日新聞より)というほど、簡単に捉えることができないのです。
-------------------------
さて、かつて、新聞記事がきっかけとなって、わが街の「子ども会活動」は急速に崩壊していきました。とても苦い経験ですし、新聞記事というのは、これほどの影響力があるものなのかと恐れいったものです。
私が退会していく人たちを引き止めることができなかったのは、活動の目的を理解できていなかったからです。引き止めるべき言葉や理由を持ち合わせていなかったのです。
その後、女性の会(婦人会)が消え、町内会すらも崩壊しようとしています。

この経験があるだけに、今年の広報セミナーでは、各会場で「新聞記事」や「テレビドラマ」の影響を知ろうと、セミナーのはじめに挙手をしてもらいました。
プロジェクターで画像を投影して質問します。

「朝日新聞のこの記事を読んだことがある人」
「『七人の敵がいる』を見たことがある人」

その結果は、意外なことに「見たことがない」「知らない」という反応が圧倒的だったのです。
大阪でも、兵庫でも。
これは、逆に驚きの結果でした。
兵庫は地元新聞がシェア50%を超えているところもあります。
その影響かもしれません。

しかし、いずれ影響は出てきます。
その時のために、今、「目的」を明確にしておく必要があるとおもいます。
目的とは何か。
私は、シンプルに考えたらいいと思っています。
「子どもを守る」と。

次回は、「PTAの役割」|子どもを守れ! をテーマに書いてみようと思います。

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