コラム

 公開日: 2012-03-11  最終更新日: 2014-08-01

大震災から1年。そのとき、新聞、ネットは何を伝えたのか。

大震災でネットはどう使われたのか

1年前の今日、あの大震災が発生しました。
今なお、復興への道は遠く、多くの方が未来に不安を抱えたまま、今日という日を迎えていらしゃることでしょう。

今まさに、季節は卒業シーズン。
受験を前にラストスパートをかけていたであろう中学生。
卒業の準備を進めていたであろう小学生。
真新しいランドセルを前に、希望で胸がはちきれそうだったであろう幼児たち。

いつもと同じ朝が、もうこないということ、生きているということが、当たり前ではないのだということを知らされたあの日。
新聞やテレビが伝える震災のニュースに触れ、涙がとまりません。

本日は、2冊の本をご紹介させて下さい。

1冊目は、「河北新報のいちばん長い日」(河北新報社著、文藝春秋刊)。
河北新報社は、宮城県を中心に東北6県を発行区域とする新聞社です。
大震災では、新聞社も大きな被害を受け、十数人もの販売員がなくなるなど、大きな被害を受けた被災者であると同時に、報道する立場でもあり、震災下で記者たちは何を伝え、どんな行動をとったのか。
全社員へのアンケートをもとに、再取材をした社員たちの記録となっています。

私は、この本を仙台へいったときに、河北新報社の方からいただきました。
「神戸の震災を経験した増田さん、この内容はよく分かってもらえると思う」と。
仙台空港から大阪の伊丹空港までの約1時間、拝読しながら涙がとまりませんでした。

何を伝えるべきなのか、この報道姿勢は被災者の気持ちに寄り添っているのか。
記者たちの苦悩が伝わってくる、震災報道の最前線にいた河北新報のみなさんだからこそ書くことの出来た住民の記録にもなっています。
ぜひ、お読み下さい。

2冊目は、「大震災でネットはどう使われたのか」。(洋泉社刊)
私は、先の阪神淡路大震災のさいに、「生きているよ」「この避難所にいるよ」という「安否確認情報」の重要性を感じ、なんとかネットを活用できないものだろうかという模索をずっとつづけてきました。
当時は、やっと携帯電話が普及しはじめた頃で、ネット回線を使って何かをする、というレベルのインフラとしてはまだまだ確立していなかったのですが、いつかは必ず技術の進歩で役立つ日が来ると信じ、仲間と共に実験を続けてきました。

その後、官民あげての災害へのネット活用、情報技術の進展が、今回の大震災では情報伝達分野において大いに活用されたと思っています。

本書は具体例を取材にもとづいて紹介しています。
「ソーシャルメディアがライフラインになる」ためには、まだまだ整備すべき点も多いとは思いますが、先日は、FaceBookが安否確認情報の実験も行うなどの取り組みも行われたように、さらに技術を高め、使う側の私たちのスキルや意識を高めることで、重要なツールになることは間違いないと思います。

まもなく、あの日の時間となります。

増田幸美 2012/03/11 13:38

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