コラム

 公開日: 2012-01-16  最終更新日: 2014-08-01

たかがPTAというなかれ。大切な人材をつぶさないで。|(株)ペンコム

朝日新聞 平成24年1月15日(日)

2012/01/15付け朝日新聞教育面32ページに、こんな記事が掲載されていました。

「どうする? PTA(上)「原則知って」
各地で動き「入退会は自由」

ほぼ、紙面の半分ものボリュームで書かれた特集です。
リード文には、「PTAの次期役員を選ぶ時期が近づいてきました。気をもむ保護者も少なくないでしょう。本来PTAは任意加入の団体。その原則に立ち返り、自由な入退会を周知する動きが出始めています」とあります。

シリーズで、次回の記事では「PTA改革の具体的な取り組みを紹介します」とあります。

日ごろ、新聞記事に取り上げられることが少ない「PTA活動」について、朝日新聞の全国版に掲載されたという機会をとらえて、私もPTAについて再度、考えてみたいと思います。

<相談の多くが人間関係のもつれ>

「PTA広報紙で、キラリ!学校プロジェクト」を立ち上げたのは2009年。
それは、私自身の広報委員という体験がきっかけでした。

「広報紙とは本来、編集に携わる人も、それを読んだ人も、みんな元気になる媒体。しかし、実際には広報担当になったPTAの皆さんは、分からないことばかりで、不安な気持ちで取り組んでいる場合が多い。本来、広報紙という媒体が持つ力を発揮できていない。ならば、少しでも気楽に楽しく携わる方法をお伝えしていきたい」
と考えたのが始まりでした。

ホームページを開設し、作り方を掲載し、相談コーナーも設けました。
相談コーナーでは、作り方でどんな質問があるかなあ、とワクワクしながら待っていたものです。

間もなく、電話やメールでたくさんの相談が来るようになりました。
どんな内容だったと思われますか?
私の当初の予想を大きく裏切られる内容ばかり。
ほとんどが、「人間関係」の相談だったのです。

・自分たちで企画に一生懸命取り組んだ広報紙だったのに、学校からOKが出なかった。
・あちらこちらで校正・修正が入り、自分たちの原型なんてのこっていない。
・仕事を休んでも必ず編集会議に出なさいと言われてこまっている。
・どうしても懇親会に行かなければいけないのでしょうか。
・原稿依頼の案内文が相手に失礼だといわれてきつくしかられて、もう、こわくて活動できない。
・毎年、広報コンクールに入賞しているのでプレッシャーにつぶされそう。
・先輩から引き継いだ通りに編集をしないとしかられる。自分たちがやりたいようにやらせてほしい。
・パソコン入力をできるのが自分だけなので大変。
・毎日のようにPTA関連で学校にいかなくてはならないので、家庭が崩壊しそう。。

相談にお答えしながら思ったものです。
こんな状態では、だれもPTA活動なんかしたくないだろうなあ、と。

<みんなで楽しく、明日を語ることのできる組織に>

PTAは、任意団体です。
各団体が、どのような規約で運営しているかによって異なると思いますが、記事が伝えるとおり、多くの場合は入会を強制している団体ではありません。

ですから、まず第一に、楽しく活動できる団体であるべきです。
そういう団体になるかどうかは、PTA幹部の皆さんがどんな姿勢で取り組んでいるかによるんですね。
学校長や会長が、会員を「上意下達」で管理しているような息苦しい組織では、そもそも「任意団体」というのは成立しません。

これは、PTAに限りませんね。
地域を組織する「自治会」「町内会」「子ども会」「婦人会・女性の会」「地域ボランティア」など、すべてに言えます。
会議に出て、ひと言でも意見を言おうものなら、会長さんに「あんたのところのお嫁さん、生意気」というレッテルをはられ、それがいやだから、ただひたすらに黙ってお茶をいれる。
こんな状態で、だれが地域のためにがんばろう!なんて思うでしょうか。

地位に上も下もない、「みんなが横並び」、自由な雰囲気、意見を出し合って街や学校の未来を考える、行動する、それが地域を支える「任意団体」組織のあり方だと思います。

できる人ができる範囲で行動する。
そう言う意識をもって,組織を変えていかなければ、崩壊していく一方でしょう。

<PTA活動の目的は?>

皆さんが所属される各種団体には、活動の「目的」がありますか。
会員どうし、目的は共有されていますか。

「子どもたちのためにがんばれ」
PTAの場合、よくこういう言い方で会員をしばります。

もっと具体的に考えてみませんか。

・子どもたちや地域の安全を守ろう
・この学校にいて良かったと思える誇りをみんなに残そう
・楽しい思い出をつくろう
・元気なPTAになろう

すべてはこの目的のために活動していこう。

ひとことでPTAと言ってきましたが、実は、幼稚園から、高校まで、年齢によっても、地域事情によっても、ひとつひとつの団体は、すべて異なる個性をもっています。

新聞では、次回、実際にPTA改革に取り組んだ事例を取材、掲載していくようですが、「改革」「改善」は、どんな組織であっても、PTAにかぎらず、常に取り組まなければならないことです。

どんな組織も、かならず、何らかの課題・問題をもっていることでしょう。
それらに耳をふさぐことなく、それぞれの実情にあった団体のありかたを、みなさんの手で、共に考えながら再構築していく必要があると思います。

<PTAはとても大事な組織であることを自覚して>

「PTAとか、自治会とか、必要があるのかな」
15年ほど前まで、私はそういう考え方の持ち主でした。
外で働き、家は寝るだけ。
子どもは母に託し、仕事にでかける。
「子育てサークルとかにいってみたら?」
という母のアドバイスにも全く耳を傾けることはありませんでした。

その日までは。

1995年1月17日、阪神淡路大震災
我が家は全壊

私は数日後からは、子どもたちを母に預け、地元のフリーペーパー記者として働き始めました。
仕事は、当時、まだとてもめずらしかったボランティア活動に携わる人たちを取材し、伝えることでした。

ご自宅も大変なのに、大きな鍋と食材を車に積んで、避難所に出向き、炊き出しをされる婦人会の皆さん。
仮設住宅で、訪問活動を続ける自治会のみなさん。

私はいつも質問しました。
「なぜ、ボランティアをするのですか。家も大変なのに」
今なら考えられないかもしれませんね。
今は、ボランティア活動をすることは当たり前の時代になりました。
でも、当時は違う。
「ボランティアなんて、人の苦労を楽しんでいるだけ」
そんな陰口を言う人もいました。

取材をさせていただくなかで、分かってきたことが一つあったのです。
皆さん、PTA活動の経験があると言うことです。
PTA、子ども会、自治会、ボランティア。
地域を支える人たちは、そういう地域活動の中で育ってきたのだと知りました。
そして、PTAは、はじめの第一歩。
「入り口」なのです。

すなわち、PTA活動の崩壊は、地域を支える人材の崩壊とも言えるのです。

PTAは、地域活動の入り口ですから、ほとんどの人は、不安で、先輩が怖くて、びくびくしながら活動に取り組みます。
分からないことばかりですから、失敗もします。
当然ですね。
慣習といわれるものに反したことをするかもしれません。
「青い」ことを言うかもしれません。

そんなものなんです。

この入り口で、いやな体験をしたら、もう2度と地域活動はしてくれないでしょう。
その街のことも嫌いになってしまうでしょう。
人材を失うことになるのです。

まもなく、PTA役員の改選時期です。
どうぞ、先輩方、広い視野に立って、新人会員さんたちを見守って下さい。


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