コラム

 公開日: 2015-08-08  最終更新日: 2015-09-09

ホームページに英語のページをつけるとき、日本語をそのまま英語に翻訳していませんか?

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英語を使ってビジネスを拡大することを考えている方は多いでしょう。日本国内市場だけでなく外国人を見込み顧客と考えれば、市場は莫大なものになります。そこで、「これからは英語をつけなければ」と考えてインターネットで翻訳会社を探し出し、無料の見積もりを依頼して「思ったより安くしかも早くできるんだな」と安心して発注。翻訳が3日以内に届いて大満足。という方もいらっしゃるのではないでしょうか。


インバウンドとアウトバウンド

インバウンドという言葉をここ2年ほどの間によく耳にするようになりましたが、この単語はアウトバウンドとセットになります。
英語で書くと inbound / outbound bound とは「~向けの」という意味なので簡単に一言で言うと内向き、外向きでしょうか。つまり、ビジネスの場合で言うと国内向けと国外向けということになります。

インバウンドとは主に日本を訪れる外国人観光客を取り込むことを指して使われています。これに対してアウトバウンドとは海外に販路を求めて進出することを指します。どちらも外国語での対応が必須となります。

広報翻訳

そこでまず誰でも考える事が、翻訳サービスに頼んで外国語に対応しようということです。主な案件としては次のようなものが挙げられます。

◆ ホームページの多言語化
◆ 外国語パンフレット・チラシの作成
◆ 看板・メニュー・取扱説明書・掲示板の多言語化

こういったものを総称して、広報翻訳と呼びます。他に文芸翻訳、技術翻訳、医療翻訳、法務翻訳など翻訳には様々な分野があります。

ホームページを翻訳するときの注意点3つ

弊社のビジネス英語コンサルティングであった実例についてお伝えしましょう。
あるマッサージ店からの、今ある英語のホームページを見てもらいたいという案件でした。このお店は神戸市内の中心部の駅近でアクセスが非常に良いので、外国人観光客が来られるようになってホームページに英語のページをつけたということです。どこに依頼したのかをお聞きすると、コスト削減のため知り合いの外国人英会話講師に依頼したという返事でした。

そこで早速英語のページをチェックしてみました。すると私が危惧したことがやはり起こっていました。このお店の英語ページに見られた問題点は、多くの会社や商店の英語ページに共通するものです。それを3つに分類してみました。なお、ここでは日本語を英語に直す日英翻訳を考えています。

チェックポイント1 広報の文章を書くスキルを持つ人に頼んでいるか

ここで是非お伝えしたいことは、文章を書くことはセンスと練習、経験が必要なスキルであるということです。誰もが作家になって小説を書くことができるわけではないように、広報の文章も書くのは難しいのです。ですから、ある言語を自由に操るからと言って素人に依頼するのは危険です。日本語の原稿を翻訳するのだから一から書くわけではないし、バイリンガルであれば物書きのプロでなくても翻訳はできるだろう、と考える方が非常に多いのが現実です。

しかし、もう一度ホームページやチラシを英語にする意味を考えてみてください。集客のため、ですよね。ただ英語になれば、中国語になればいいと言うものではありません。日本語で書くのだから日本人であれば誰でも「使える」文章が書けるでしょうか?それなら広告代理店という業種はほぼ不要ですし、コピーライターという職業も消滅するでしょう。
本当に役に立つページを作るという意味では、広告代理店に依頼するのと同じ考えが広報翻訳にも必要なのです。

翻訳とは、ある言語を他の言語に置き換える際に、最適な訳語を探し出してつなげ、目的に合った文章を書く作業のことです。

チェックポイント2 日本語の原稿にこだわっていないか

次に考えなくてはならないのは、今ある日本語をそのまま翻訳すれば事足りるのか、ということです。翻訳会社は、依頼された原稿を勝手に手直しすることは行いません。原稿の校正を行う場合は別途料金が発生し、リライト(書き直し)という作業が追加されます。プロの翻訳者からよく聞くことは「日本語そのものの意味があいまいで、翻訳が非常にしにくい」「意味が伝わらないから意訳したら、元の日本語と違うとクレームが来た」というものです。この傾向は、社内に英語ができる日本人社員がいる場合に強くなります。「できない」からではなく「時間がない」から翻訳会社に仕方なく依頼しているのだ、というスタンスです。プライドが傷つくからでしょうか、原稿の直訳を強く要求する場合も多いようです。

最も翻訳者泣かせな原稿の一つは「社長あいさつ」と「会社の理念」です。日本の大手企業ではここは独創性を出さない方がよいとまで言われているようです。無難に突出しないようにということで、お客様にとって当たり障りのない、つまり読み終えた後で印象が薄い内容のものが多くなっています。これをそのまま翻訳しようとすると意味不明になってしまうのです。欧米では明確な理念と他社との差別化を打ち出し、積極的に攻めていくマーケティング戦略が主流です。日本式の奥ゆかしい「皆様のご愛顧に感謝し」「今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます」を英語にすることは至難の業とも言えるでしょう。したがって、時には原稿そのものを手直しする必要があるということが2点目です。

チェックポイント3 文化背景を考えた翻訳にする

上と関連してくるのですが、ターゲットとなる国の文化を十分に考慮に入れた翻訳をつけることは必須です。別の言い方をすれば、今ある日本語のページとは別のものを、英語圏向け、中国語圏向けに新たに作るとお考えください。なぜなら、日本人には当たり前のことが外国人には初めて聞くことで説明が必要な場合が多いからです。日本食レストランのメニューを一例に挙げてみましょう。「松花堂弁当」をどう訳すか?「焼きアナゴ入り茶碗蒸し」は?「夏野菜と冷やし麺のコラボ」?

冒頭にあげたマッサージ店の例で言うと、「小顔にするための骨格矯正マッサージ」と言うメニューがありました。この英訳を読んでみると何やら恐ろし気なことをされるようなイメージが浮かびます。そもそも欧米人であればみんな小顔なので、これは必要ありませんし、ふらりと来た観光客が骨格を矯正してもらおうとは思わないでしょう。観光客がほしいのは、長旅の疲れをいやすアロママッサージや指圧(これは英語としてそのまま使われています)です。その他の数多い日本人向けメニューはいらないので、2種類だけにしましょうと私はご提案しました。複雑なメニューを英語にしたところで理解してもらうことは難しいですし、質問されても英語で説明できる店員がいないからです。

このように、アジアでも欧米でも顧客のニーズを考える、つまり宗教や文化背景を考えた翻訳を考えなくてはなりません。

神戸ビジネススクールのビジネス英語コンサルティングサービスでは、翻訳したい原稿からご一緒に考え、目的に合った本当に役に立つ翻訳を提供します。次回に、どのようなサービスなのかを具体的にご紹介したいと思います。
サービスの内容はこちらからご覧ください。
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