コラム

 公開日: 2014-08-19  最終更新日: 2014-11-20

みんなが苦手な仮定法1~ビジネス英語のための英文法

私(副校長)は外語専門学校で長く英語を教えていますが、学生さんたちから「しゃべれるようになるのに文法は不要」と言う声をよく聴きます。しかし、耳を鍛えてリスニングができるようになっても、文章を組み立てられなければ話せるようにはなりません。また、英会話のテキストに出てくる例文を丸暗記したところで、応用ができなければ使えるシーンはごく限られてきます。ですから、中学校で習う文法の基礎はとても大切です。それらのに日本の平均的な学校では、相変わらず文法を難しく教えていますので、なかなか実践に役立つという実感がもてないのも無理はないかもしれません。

その中でも特に学生さんたちが苦手なものの一つが「仮定法」でしょう。同じく苦手な人が多い分詞構文や不定詞の用法などは、できなくても英語能力にほとんど影響はありません。英語で論文を書くと言うのなら別ですが、日常的にはあまり必要ないからです。しかし、仮定法は会話でもとてもよく使います。日本語で考えても、「昨夜あんなに飲みすぎなければ良かった」「もっと早くに取りかかっていれば、今こんなに焦らなくてすんだのに」「夏休みを2週間取れるといいのになあ」など、後悔や願望はいくらでもありますよね。これは全て仮定法です。

そこで今日から、本当に必要な仮定法の基本だけをシリーズでわかりやすくお伝えしていきます。ビジネスに、また日常会話に、広くお役立てください。

第1回 if がついても仮定法とは限らない

仮定法と言うためには、事実と違うことを「仮定」しなくてはなりません。「if=仮定法」と思っている人が多いのですが、そうではないので注意が必要です。では次の中で、仮定法と呼ぶものはどれでしょうか。

  1 If he was here now, he would know what to do.
  2 If you get there early, give me a call.
  3 If I had locked my bicycle, it wouldn't have been stolen.
  4 She won't accept the offer if the salary is not good.
  5 If I won 100 million yen in a lottery, I would buy a house.

1、3、5は仮定法ですが、2と4は違います。決め手は既成事実があるかどうかです。2の「もし早く着いたら電話してね」は、早く着かなければ電話は不要ということで、可能性は半々です。4の「給料が良くなければ、彼女はそのオファーを受けないだろう」も、条件次第で彼女がどうするかはまだわかりません。ですから、この二つは仮定法ではありません。

1「もし彼がここにいたら、どうすればいいか知っているのに」⇒事実「彼が今ここにいないので、どうすればいいかわからない」
3「自転車にカギをかけておけば、盗まれなくてすんだのに」⇒事実「自転車にカギをかけなかったので、盗まれてしまった」

このように、既に存在する事実と違う事を仮定するのが仮定法です。1は現在、2は過去の話をしています。それでは5はどうでしょうか。「宝くじで1億円当たれば、家を買うのに」これは未来の話ですから、もしかしたら当たるかもしれません。しかし、可能性はとても低く、ほとんど当たらないものと仮定しているのです。可能性が50%に近いときだけ、つまり実現性が高いときだけ、上の2と4のように仮定法ではなく「条件文」となります。

次回からは、具体的な用法について解説していきます。お楽しみに!

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