コラム

 公開日: 2016-07-05 

遺言の種類、「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の違い

遺言書を作成する方法として、自筆証書遺言と公正証書遺言があります。

いつでも好きな時に作成することができて、費用もかからない自筆証書遺言。証人2人以上の立会いのもとに公証人が作成するため、不備がなく法的に信頼性のある内容を作成することができる公正証書遺言。基本的には遺言者が自身の事情や状況に応じて好きな方を選択することができますが、それぞれメリットだけではなくデメリットもあります。

そこで今回は自筆証書遺言と公正証書遺言のそれぞれのメリットとデメリット、そしてこの二つ以外の方式である秘密証書遺言についてもご紹介します。

自筆証書遺言のメリットとデメリット

自筆証書遺言は、文字通り紙に全て自筆して作成します。相続分の指定や遺産分割方法の指定などの遺言内容と日付、署名をし、最後に押印します。この押印は実印でなくとも問題ありません。

自筆証書遺言のメリットは、好きな時に自分だけで費用もかけずに作成できる点です。「お金をかけたくない」「誰にも知られることなく作成したい」という方は、この自筆証書遺言がおすすめです。

デメリットは日付、署名を含めて全て手書きでなくてはならず、遺言内容や日付の書き方、書き間違えた場合の訂正方法などについて細かい決まり事が定められていて、それらをクリアしないと方式不備で無効になってしまうという点です。

また仮にすべてクリアしていた場合でも、遺言者の死後にその相続人が家庭裁判所で検認の手続きを済ませなければならないため、実際に遺言の内容を実現させるまでに時間や手間がかかるというデメリットもあります。

公正証書遺言のメリットとデメリット

公正証書遺言は、公証役場で公証人に作成してもらいます。実印や印鑑証明書などを揃え、公証役場へ行き、遺言者が遺言の内容を口頭で述べ、その内容について2人以上の証人の立会いのもと公証人が遺言書を作成します。

仮に遺言者が病気等なんらかの事情で公証役場まで行けない場合、遺言者の自宅または病院等へ公証人に出張してもらうことも可能です。

公正証書遺言のメリットは、法律の専門家である公証人が作成に関与するため、不備のない遺言書を作成できる点です。また遺言者の死後に家庭裁判所で検認を受ける必要がないため、速やかに遺言の内容を実現させることができます。

デメリットは、公証人に手数料を支払う必要がある点、作成する公証人と2人以上立会う証人が必要なため、誰にも知られずに作成することはできない点です。

秘密証書遺言とは?

自筆証書遺言と公正証書遺言のほかにも、いくつかの遺言書の作成方法はありますが、その中でもこの2つに近い方法として秘密証書遺言というものがあります。

この秘密証書遺言とは自ら作成した遺言書(ワープロなどで作成、また代筆してもらったものでも大丈夫です)を公証役場へ持参し、証人2人以上の立会いのもと内容を見せずに遺言書の存在のみを公証人に証明してもらうものです。

自筆証書遺言の場合、それが本物かどうかでトラブルが起きることがあるため、それを避けるために内容を知られずに、公証人に遺言書が存在することだけを証明して欲しいといった場合などに利用します。

ただし、公証人は内容の確認をしないため、その遺言が有効なものであることの証明をするわけではないこと、公正証書遺言と同様に手数料がかかってしまうことなどから、現在ではあまり利用されていません。

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