コラム

 公開日: 2016-06-28 

遺言ができる年齢と能力。認知症の高齢者は遺言を残せない?

遺言をするにあたっては、成人としての高い判断能力までは求められてはいません。したがって、本人の意思を尊重するという観点から、満15歳以上であれば誰の監督を受けることもなく遺言書の作成が可能です。

遺言のできる年齢の下限は15歳ですが、上限は特に決まってはいません。加齢による認知症や精神障害などで判断能力が衰えている場合であっても、その症状の重さによっては遺言が認められる場合もあります。

今回は、認知症などで判断能力が衰えている高齢者が、遺言を残せる可能性について詳しくご説明します。

認知症であっても遺言が残せる場合

冒頭でも示したように、認知症であってもその症状の重さによっては遺言を残せる場合があります。

仮に成年被後見人であったとしても、その事理弁識能力を一時回復したときに、医師2名以上の立会いがあれば遺言は可能とされています。

認知症の高齢者が遺言を残すとトラブルのリスクが高まる理由

上述したとおり、認知症などにかかっていたとしても、遺言を残せる可能性は決して低いとは言えません。
しかし、実は認知症の高齢者が遺言を残すことに関しては、別の大きな問題があります。それは相続人間で、トラブルが起きる可能性が高くなるということです。
そもそも、相続人に対する法定の相続分の割合を変えたい、相続人以外の第三者に財産を遺贈したいといった場合に遺言書を作成します。

つまり、法定相続人はその遺言書の内容によっては、本来相続によってもらえるべき財産が減らされたり、もらえなくなったりする、もしくはもらうために条件が付けられる、といった可能性が出てしまうわけです。

仮に被相続人が認知症などにかかっておらず、判断能力もしっかりしていたとしても遺産相続で相続人がトラブルを起こすことは少なくありません。

それが、被相続人が認知症であったとすれば、認知症であったことを理由に遺言の無効を主張する相続人が出たとしても不思議ではありません。

これが認知症の高齢者が遺言を残すと、トラブルのリスクが高まる理由です。

認知症の高齢者が遺言を残すための注意点

認知症の高齢者が、遺言でトラブルを起こさないようにするためには、まず自筆証書遺言ではなく公正証書遺言にすることです。

自筆証書遺言では、誰も立ち会うことなく作成されるため、死後に認知症だったことを理由に無効を主張される可能性が大きくなります。これに対し、公正証書遺言では、証人の立ち合いの元に公証人によって作成されるため、無効主張される可能性は少しでも減少させることができるからです。

公正証書遺言にした上で、かかりつけの医師に依頼し診断書を作成してもらえば、100%ではないもののトラブルが起きる可能性は更に減少させることができます。

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