コラム

 公開日: 2016-06-26 

遺言が無効となるケースは、法律の条件を満たさない遺言書

被相続人(遺言者)は、遺言書を作成することで自己の財産につき自由に遺産分割方法の指定をしたり、遺贈することができます。しかしそういった場合においても、必ずしも被相続人の希望通りになるとは限りません。一つは前回のコラム「遺留分とは?遺言による相続人の過度な不利益を回避する権利」でお話した遺留分。そしてもう一つは、遺言書が法定の要式を満たさなかった場合です。

遺留分に関しては、自筆証書遺言であっても公正証書遺言であっても効力に相違はありませんが、法定の要式に関しては2つで大きく異なります。そこで今回は自筆証書遺言と公正証書遺言のそれぞれ無効になるケースについてご説明します。

自筆証書遺言が無効になるケース

自筆証書遺言が無効になるケースは以下のようなものがあります。

(1)タイプライターやパソコンのワープロソフトなどで作成された場合
(2)テープレコーダーなど音声で作成された場合
(3)被相続人以外の者によって作成された場合
(4)署名がない場合
(5)押印がない場合
(6)日付が記載されていない場合(何年何月吉日といった記載で日付が特定できない場合も含む)
(7)遺言書作成の日より日付を遡らせて記載された場合
(8)2人以上の者が共同で作成した場合

基本的に「日付や署名も含めすべて手書きであること」「被相続人以外の者が作成に関与しないこと」「作成した日付が明確であること」が求められます。

ただし被相続人以外の者が作成に関与した場合でも、例えば、他人の添え手を受けて被相続人が作成したときは有効となる場合もあります。

公正証書遺言が無効になるケース

公正証書遺言が無効になるケースは以下のようなものがあります。

(1)証人2人以上の立会いがない場合
(2)証人が欠格事由に該当する場合
欠格事由とは?
①未成年者
②推定相続人、受遺者及びその配偶者並びに直系血族
③公証人の配偶者、4親等内の親族、書記および雇人
(3)公証人に口授ではなく身振り手振りなどで伝えた場合
(4)遺言書を書き始めるときから書き終えるまですべての段階で証人が立会っていなかった場合

上述したとおり、公正証書遺言の場合、当然ながら重要になるのは証人になります。

なお、証人の立会いは2人いれば足りるため、仮に立会った証人3人のうち1人が欠格事由に該当する者であっても、そうでない者が2人いれば原則無効にはなりません。

遺言が無効だと思われる場合の対処法

被相続人が亡くなった後、遺言を確認したところ無効だと思われる箇所を発見した場合、相続人、受遺者、遺言執行者、その他遺言について法律上の利害関係を有する者は家庭裁判所に対して遺言無効確認の調停申立をすることができます。

遺言書が無効であるという証拠書類などの提出を求められますが、それが認められればその遺言は無効となります。

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