コラム

 公開日: 2016-06-24 

遺留分とは?遺言による相続人の過度な不利益を回避する権利

被相続人(遺言者)は、基本的に自分の財産を自分の好きなように遺産分割方法の指定や遺贈をすることができます。これは極端な例ですが、遺言書さえ作成すれば法定相続人以外の第三者に自分の全財産を遺贈することも可能です。

ただし、法定相続人は民法第1028条において、最低限相続できる財産を遺留分として受け取れることが保証されています。
これは、被相続人の遺言によって全財産を第三者などに遺贈されてしまうといった過度な不利益を回避するための権利となります。

今回はこの遺留分に関して詳しくご説明します。

被相続人の兄弟姉妹には遺留分は発生しない

冒頭でも示したように、遺留分とは被相続人が亡くなった際に全財産が第三者などに遺贈されることにより、残された家族(法定相続人)が住む家を失ったり、日常的な生活を送れなくなってしまうなどの過度な不利益を被らなくてすむように認められた権利です。

この遺留分の主張ができるのは、被相続人の配偶者、直系卑属(子及びその代襲者)、直系尊属(父母、祖父母等)です。被相続人の兄弟姉妹には遺留分を主張する権利はありません。

また遺留分として主張できる持分は、直系尊属のみが相続人である場合は、被相続人の財産の3分の1。それ以外の場合は、被相続人の財産の2分の1。
例えば、配偶者と子が相続人の場合は配偶者、子共に4分の1の遺留分が認められます。

遺留分を確保するための「遺留分減殺請求」

相続人が遺留分を確保するためには、遺留分減殺請求を行わなくてはなりません。どんなに相続人にとって不利益を被る遺言であったとしても、遺留分減殺請求を行わない限り、その遺言は有効な遺言として効力を発揮します。

遺留分減殺請求は相続の開始および減殺すべき贈与や遺贈があったことを知った時から1年以内に行わないと消滅時効にかかります。また相続開始から10年が経過したときも権利の行使ができなくなるため、早急に行うことが必要です。

なお、遺留分は相続人以外の第三者に対してだけではなく、共同相続人の間であっても主張できます。
したがって、全財産の相続分を指定された相続人に対しては、他の相続人は遺留分を主張することができます。

トラブルを起こさないためには相続人の遺留分への配慮が必要

被相続人の財産は被相続人のものです。
しかし、その財産を築くには配偶者や両親、子どもたちの協力なくしては築けなかったという場合も多いのではないでしょうか?

もちろん、それぞれにさまざまな事情がありますので一概には言えませんが、被相続人が法定相続人の中の特定の人、または第三者に全財産を譲ろうとすると、ほかの相続人との間で少なからずトラブルが起こります。
しかし、それは被相続人が望むことではないでしょう。

そういった無用なトラブルを避けるためにも、被相続人は遺言書で遺産分割方法の指定や遺贈をする際、相続人の遺留分への配慮が必要だと言えます。

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