コラム

 公開日: 2016-06-20 

遺言の書き方、「相続させる」と「遺贈する」の違い

遺言書を書く上で、相続人や相続人以外の人に対し自身の財産を「相続する」と書くか「遺贈する」と書くかで、後々の手続きが大きく変わってきます。

公正証書遺言であれば、公証人が関与するためあまり問題はありません。しかし、自筆証書遺言の場合、本人が内容に問題がないかも含めて判断しなければいけなくなりますので、亡くなった後にその法定相続人や第三者によってトラブルに発展する可能性もあります。

そこで今回は遺言書の書き方で「相続させる」と「遺贈する」の違いについてご説明します。

遺言における「相続」とは?

「相続させる」という文言は、法定相続人に対してのみ使用します。したがって法定相続人以外には、「相続」という文言は使用しません。
ちなみに法定相続人とは、配偶者、子(第1順位)、父母や祖父母などの直系尊属(第2順位)、兄弟姉妹(第3順位)を指します。

遺言書に「相続させる」と記載した場合、原則、被相続人の財産は遺言書に記載した内容で相続人に承継させることができます。

例えば、「不動産については相続人A、預貯金については相続人Bにそれぞれ相続させる」という内容の遺言書を作成した場合、遺言者の死亡により、Aは不動産を、Bは預貯金を相続することになります。

遺言における「遺贈」とは?

「遺贈する」という文言は、遺言によって被相続人の財産の全てまたは一部を贈与する際に使用します。「遺贈」は、法定相続人だけではなく法定相続人以外の第三者に対しても使用できる文言になります。

「相続」は遺言の有無に関係なく、被相続人が亡くなれば必ず発生しますが、「遺贈」は遺言書に記載がない限り効力は発生しません。

したがって、遺言によって法定相続人以外の者に財産を取得させたい場合、遺言書に「遺贈」と記載する必要があります。

包括遺贈と特定遺贈

遺贈には、包括遺贈と特定遺贈の二種類があります。
包括遺贈とは個々の財産を特定せずに割合で遺贈する方法です。具体的には「全財産を贈与する」「遺産の4分の1を与える」といった形になります。

特定遺贈とは個々の財産を特定して遺贈する方法です。「被相続人が持つ土地Aを妻に与える」といったように、特定の財産を指定する形になります。

効力の点では、特定遺贈を受けた者は被相続人の特定のプラスの財産のみを取得できるのに対し、包括遺贈を受けた者は相続人と同じ権利義務を持つことになります。
その結果、包括遺贈を受けた者はマイナスの財産までをも承継することになります。
更に、包括遺贈を受けた者が相続人以外の第三者であっても法定相続人と同様に遺産分割協議にも参加しなくてはなりません。

法定相続人以外の第三者が、遺産分割協議に参加することはトラブルのもとにもなります。そのため、もし第三者に財産を残したい場合、被相続人はよほどの事情がない限りは特定遺贈にすることをおすすめします。

この記事を書いたプロ

西村健一司法書士事務所 [ホームページ]

司法書士 西村健一

兵庫県三田市天神1丁目5番33号 三田市商工会館205 [地図]
TEL:079-559-0534

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
自由記入欄(1)

◆ STEP 1    お電話又はメールにて来所ご希望日時をお問い合わせください。◆STEP 2  当事務所にてご相談内容をお聞きし、今後のお手続き・費用概算をご...

 
このプロの紹介記事
西村健一司法書士事務所_西村健一様

遺産相続に伴う家族間トラブル解消へ力を注ぐ司法書士(1/3)

医療や介護など深刻な高齢化問題が山積する中、急激に増え続けているのが遺産相続にまつわる家族間トラブルです。「親御さんが亡くなられた後に、相続などの問題に直面したご家族の方が相談に来られるケースが近年目立っています。しかし、それは家族だけ...

西村健一プロに相談してみよう!

神戸新聞社 マイベストプロ

幅広いスキルを持つ司法書士が家族を守るトータルサポート

会社名 : 西村健一司法書士事務所
住所 : 兵庫県三田市天神1丁目5番33号 三田市商工会館205 [地図]
TEL : 079-559-0534

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

079-559-0534

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

西村健一(にしむらけんいち)

西村健一司法書士事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
遺言執行者の解任事由と解任手続きについて

遺言執行者に就任した者の義務は、遺言者が亡くなったら、遅滞なく相続財産目録を作成し、家庭裁判所、金融機関な...

[ 遺言執行者の権限と義務 ]

遺言執行者の権限と義務について。就任したらまず最初にやるべきこと

遺言執行者が行う業務は、被相続人(遺言者)の相続財産目録の調製から、家庭裁判所、金融機関、生命保険会社など...

[ 遺言執行者の権限と義務 ]

遺言執行者の選任について。誰がなるのが良いのか?

遺言執行者は、遺言の内容を実現するため、必要な行為や手続を中心となって行う役割を請け負う人です。もちろ...

[ 遺言執行者の権限と義務 ]

遺贈は放棄できる?遺言書と異なる遺産分割について

遺言者は、遺言書を作成することで自身の財産を自由に相続人やそれ以外の第三者に遺贈することができます。しか...

[ 遺言と相続 ]

遺言の種類、「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の違い

遺言書を作成する方法として、自筆証書遺言と公正証書遺言があります。いつでも好きな時に作成することができ...

[ 遺言と相続 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ