コラム

 公開日: 2016-06-18 

遺言の効力発生は遺言者が亡くなった時点から

被相続人(遺言者)による自身の死後の財産処分に関する意思表示である遺言。この遺言の効力が発生するのは、原則的に被相続人が亡くなった時とされています。

しかし、被相続人や相続人の事情により効力発生に一定の条件や負担をつけた場合、遺言は亡くなった時ではなく、被相続人が設けた条件が成就した時、もしくは相続人が負担した義務を履行した時が遺言の効力発生時期となります。

今回はこの遺言の効力発生時期について詳しくご説明します。

遺言書を作成した時点で効力が発生しない理由

遺言は、被相続人が遺言書を作成することによって成立します。ただし、必ず民法等に規定されている方式に従って作成することが必要となります。そしてこの時点では、遺言の効力は発生しません。

遺言書を作成した時点で遺言の効力が発生しない理由は、被相続人の最終の意思を尊重する制度である遺言の成立時にその効力の発生を認めてしまうと、仮に作成後に本人の意思が変わった場合などに不都合が生じる可能性があるからです。

例えば、遺言書作成後に、財産を渡すとしていた相手とトラブルを起こしてしまってその相手に財産を渡したくなくなった場合や、身体が不自由になった時に看護してくれた相手に手厚く財産を分配したくなった場合などがあります。

遺言の効力発生時期の例外

遺言の効力が発生する時期が被相続人の亡くなった時というのは、あくまでも原則です。被相続人が何らかの事情により、遺言の効力発生時期に一定の条件や負担をつけることは自由にできます。

例えば、未成年の相続人が20歳になった時又は結婚をした時に財産を相続するといった場合や、遺言者の配偶者の世話をすることを条件に財産を遺贈するといった場合などがあります。

こういった条件や負担がある場合は、その条件が成就したり負担した義務を履行した時点で遺言の効力が発生します。

遺言の効力が発生しない場合

最後に、作成した遺言の効力が発生しない場合についてご説明します。

上述したように、遺言とは被相続人の最終の意思を尊重する制度です。そのため被相続人は自己の遺言をいつでも撤回することができます。また被相続人が何者かに脅迫され、本人の望まない遺言書を作成させられることがないよう、被相続人が生前に遺言を撤回する権利を放棄することはできません。

そのほか、被相続人が生前に遺言の内容と相反するような財産の処分をした場合も遺言を撤回したものとみなされます。また遺言書が複数存在し、それぞれの内容が矛盾しているような場合には、遺言書の日付が古いものが撤回されたとみなされます。

このように遺言が撤回された場合、原則、遺言の効力は発生しないこととなります。

この記事を書いたプロ

西村健一司法書士事務所 [ホームページ]

司法書士 西村健一

兵庫県三田市天神1丁目5番33号 三田市商工会館205 [地図]
TEL:079-559-0534

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
自由記入欄(1)

◆ STEP 1    お電話又はメールにて来所ご希望日時をお問い合わせください。◆STEP 2  当事務所にてご相談内容をお聞きし、今後のお手続き・費用概算をご...

 
このプロの紹介記事
西村健一司法書士事務所_西村健一様

遺産相続に伴う家族間トラブル解消へ力を注ぐ司法書士(1/3)

医療や介護など深刻な高齢化問題が山積する中、急激に増え続けているのが遺産相続にまつわる家族間トラブルです。「親御さんが亡くなられた後に、相続などの問題に直面したご家族の方が相談に来られるケースが近年目立っています。しかし、それは家族だけ...

西村健一プロに相談してみよう!

神戸新聞社 マイベストプロ

幅広いスキルを持つ司法書士が家族を守るトータルサポート

会社名 : 西村健一司法書士事務所
住所 : 兵庫県三田市天神1丁目5番33号 三田市商工会館205 [地図]
TEL : 079-559-0534

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

079-559-0534

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

西村健一(にしむらけんいち)

西村健一司法書士事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
遺言執行者の解任事由と解任手続きについて

遺言執行者に就任した者の義務は、遺言者が亡くなったら、遅滞なく相続財産目録を作成し、家庭裁判所、金融機関な...

[ 遺言執行者の権限と義務 ]

遺言執行者の権限と義務について。就任したらまず最初にやるべきこと

遺言執行者が行う業務は、被相続人(遺言者)の相続財産目録の調製から、家庭裁判所、金融機関、生命保険会社など...

[ 遺言執行者の権限と義務 ]

遺言執行者の選任について。誰がなるのが良いのか?

遺言執行者は、遺言の内容を実現するため、必要な行為や手続を中心となって行う役割を請け負う人です。もちろ...

[ 遺言執行者の権限と義務 ]

遺贈は放棄できる?遺言書と異なる遺産分割について

遺言者は、遺言書を作成することで自身の財産を自由に相続人やそれ以外の第三者に遺贈することができます。しか...

[ 遺言と相続 ]

遺言の種類、「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の違い

遺言書を作成する方法として、自筆証書遺言と公正証書遺言があります。いつでも好きな時に作成することができ...

[ 遺言と相続 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ