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 公開日: 2016-06-12  最終更新日: 2016-10-19

任意後見制度を利用するメリットと手続きの方法

任意後見制度とは、本人にまだ十分な判断能力がある状態の時に、将来的に認知症、知的障害、精神障害などによって、判断能力が衰えてしまった場合に備えてあらかじめ生活や療養看護、財産管理に関する事務について代理権を与える契約を、公証人の作成する公正証書で結んでおくというものです。

法定後見制度との大きな違いは、判断能力が衰えてしまった後ではなく、あらかじめ判断能力がある状態の時に自分で契約するという点です。ではこの任意後見制度は法定後見制度と比べてどんなメリットがあるのでしょう。今回は、任意後見制度を利用するメリットと手続きの方法についてご説明します。

任意後見制度のメリット-1-後見人を自分で決められる

任意後見制度の大きなメリットとしては、後見人(任意後見人)を自分で決められるということです。

法定後見の場合、後見人になる人を自分で決めることはできません。家庭裁判所に申立てを行う際に候補者として特定の人を指名することはできますが、必ずしもその人が選任されるとは限りません。

しかし任意後見の場合、本人が契約した相手方が後見人となります。任意後見人予定者として、配偶者や親族以外に弁護士・司法書士などの法律の専門家、福祉の専門家に依頼することも可能です。

任意後見制度のメリット-2-事前に任意後見契約で要望する事項定めておける

法定後見と違い、本人が後見契約の内容(「自己の生活」「療養看護」「財産管理」に関わる事項)を自由に決めることができます。そして、本人が死んだ後の葬儀や入院費の支払などの死後事務の委任契約を行うこともできます。

また家庭裁判所が、任意後見人を監督する任意後見監督人を選任するため、万が一、任意後見人が契約を守らないようなことがあった場合においても、任意後見監督人がしっかりとチェックを行いますので本人保護にとっても安心です。

任意後見制度の手続き

任意後見契約の手続きでは、本人が任意後見人の予定者や支援してもらいたいことの範囲を決めます。そして任意後見人の予定者と本人とで公証役場へ行き、公証人の立会いのもとで契約を結び、公正証書を作成してもらいます。

公正証書を作成した後の流れとしては、公証人が法務局へ登記を嘱託し、任意後見登記がなされます。後に本人の判断能力が不十分になった際に本人、配偶者、四親等以内の親族または任意後見受任者が家庭裁判所に任意後見監督人の選任の申立てをし、任意後見監督人が選任された時に任意後見が開始されます。

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