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 公開日: 2016-06-02  最終更新日: 2016-10-19

財産管理等委任契約とは?任意後見契約との併用が有効となるケース

認知症、知的障害、精神障害などの理由で判断能力が不十分な人の保護、支援を行う法定後見制度に対し、任意後見制度とはそういった障害が出る前に、判断能力が不十分な状態になった場合に備え、あらかじめ自らが選んだ代理人(任意後見人)との間で自分の生活や療養看護、財産管理に関する事務の代理権を与える契約を公正証書で結ぶものです。

任意後見契約の効力が発生するまでの間、判断能力は不十分な状態ではないが、身体が不自由になり自分で歩き回ることが困難になる、手が震えて字が思うように書けなくなる、目や耳が悪くなり事務手続きを行えなくなるといった場合に、財産管理や生活上の事務手続きを委任し、その事務処理のために代理権を与える契約を、財産管理等委任契約といいます。

今回はこの財産管理等委任契約について詳しくご説明します。

財産管理等委任契約を行うことのメリット

財産管理等委任契約の最大のメリットは、本人にまだ判断能力がある段階において財産管理や事務手続きなどを代理人に依頼できる点です。任意後見は、判断能力が不十分になってからでなければ効力は発生しません。よって判断能力はあるものの、思うように身体が動かず不自由しているという方にとって大変に便利な制度です。

成年後見制度を補完する仕組みの一手段であり、任意後見のように家庭裁判所の審理を待たずに開始時期を自由に決められるという点、そして財産管理の範囲も自由に決めることができる点もメリットの一つです。

財産管理等委任契約を行うことのデメリット

財産管理等委任契約は家庭裁判所の審理を待たずに利用できると上述しましたが、これは場合によってはデメリットになることもあります。なぜなら家庭裁判所での審理がなく、任意後見制度における任意後見監督人のように、公的に財産管理などのチェックをする人がいないからです。

本人に判断能力があるとはいえ、代理人以外の家族、親族などと後々にトラブルが起きる可能性もあるため、入出金の記録などを取り、本人とはもちろん、家族や親族とも信頼関係をしっかりと継続していくことが求められます。

また金融機関によっては財産管理等委任契約書では代理権を認めない場合もあり、取引のたびに個別の委任状などの提出を要求されることもあります。

トラブルを避けるため財産管理等委任契約と任意後見契約とを併用する

財産管理等委任契約は、任意後見契約とセットで契約しなければならないものではありません。しかし、財産管理等委任契約を結んだ後に本人の判断能力が低下したにもかかわらず、そのまま財産管理等委任契約を継続していると、デメリットの項でも触れたように、任意後見監督人がつかないため大きなトラブルを生む可能性があります。

そういったトラブルを避ける意味でも、財産管理等委任契約は、任意後見契約と同時に契約をし、認知症などにより判断能力が不十分になった際には、速やかに任意後見に切り替えられるようにすることが望ましいでしょう。

また、財産管理等委任契約も公正証書にすると、契約書としての信用度が高まり、後々トラブルが発生したときにも対処しやすくなります(なお、任意後見契約は公正証書によって締結しなければなりません)。

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