コラム

 公開日: 2016-05-31  最終更新日: 2016-10-19

成年後見人が成年被後見人の死亡後に負う義務

成年後見人の仕事は成年被後見人の財産の保護管理のほか、病院や介護施設などとの契約も代理で行います。成年被後見人が死亡したら後見人の代理権は消滅しますが、すぐにその仕事全てが終わるわけではありません。

死亡届の提出や家庭裁判所への報告、管理計算、相続人への財産引渡、場合によっては事実上入院費、施設使用料の支払など多くの仕事をやらなくてはなりません。そこで今回は成年後見人が、成年被後見人の死亡後に負う義務についてご説明します。

成年被後見人死亡後の手続き-1-死亡届

成年被後見人が死亡した場合、まず行うことは死亡届の提出です。提出先は成年被後見人の本籍地、死亡地、住所地のいずれかの市区町村の役所窓口になります。提出期限は通常と同様に死亡の事実を知ってから7日以内です。

死亡届の提出は、必ずしも「成年後見人が行わなくてはならない」というわけではありません。もし同居の親族がいればその親族が行っても問題はありません。

成年被後見人死亡後の手続き-2-報告、登記、管理計算

次に成年被後見人が死亡したことを家庭裁判所へ報告します。また法務局に対し、後見終了の登記を申請します。

管理計算とは、成年被後見人の収入と支出を明確にした管理計算書と現在の財産目録を作成することを言います。これは成年被後見人の死亡から2ヶ月以内に行い、その結果を家庭裁判所に報告します。ただし何らかの事情があり2ヶ月以内に管理計算ができない場合は、家庭裁判所に申立てすることで伸長することができます。

また法定後見の場合、成年後見監督人が選任されていれば、成年後見監督人の立ち会いのもとで管理計算をしなくてはなりません。

成年被後見人死亡後の手続き-3-相続人への財産引渡

最後に相続人への財産引渡です。相続人が複数いる場合や相続人間で争いがある場合などは、成年後見人の引渡す方法によって大きなトラブルを引き起こす可能性もあるため、十分な注意が必要です。

相続人が複数であっても、その中の一人に管理する財産を引き渡せば成年後見人の仕事としては問題はありません。しかしこの場合、複数の中から一人だけに引き渡したことで、ほかの相続人からクレームが来ることもあります。

相続人全員から同意書をもらった上で代表者に引き渡す、もしくは遺産分割協議を行ってもらい、その結果を見た上でおのおのに引き渡すといった形を取ることが、トラブルを防ぐためにも必要になります。

なお、相続人がいない場合は、相続財産管理人の選任を申立てた上で、相続財産管理人に対し引き継ぎを行います。

◆関連コラム◆
任意後見を適切なタイミングで開始させる制度
財産管理等委任契約と任意後見契約との併用
成年後見人の変更は可能?手続きの方法と注意点
成年後見人の解任事例と解任手続き
成年後見人を付けることのデメリット

この記事を書いたプロ

西村健一司法書士事務所 [ホームページ]

司法書士 西村健一

兵庫県三田市天神1丁目5番33号 三田市商工会館205 [地図]
TEL:079-559-0534

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
自由記入欄(1)

◆ STEP 1    お電話又はメールにて来所ご希望日時をお問い合わせください。◆STEP 2  当事務所にてご相談内容をお聞きし、今後のお手続き・費用概算をご...

 
このプロの紹介記事
西村健一司法書士事務所_西村健一様

遺産相続に伴う家族間トラブル解消へ力を注ぐ司法書士(1/3)

医療や介護など深刻な高齢化問題が山積する中、急激に増え続けているのが遺産相続にまつわる家族間トラブルです。「親御さんが亡くなられた後に、相続などの問題に直面したご家族の方が相談に来られるケースが近年目立っています。しかし、それは家族だけ...

西村健一プロに相談してみよう!

神戸新聞社 マイベストプロ

幅広いスキルを持つ司法書士が家族を守るトータルサポート

会社名 : 西村健一司法書士事務所
住所 : 兵庫県三田市天神1丁目5番33号 三田市商工会館205 [地図]
TEL : 079-559-0534

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

079-559-0534

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

西村健一(にしむらけんいち)

西村健一司法書士事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
遺言執行者の解任事由と解任手続きについて

遺言執行者に就任した者の義務は、遺言者が亡くなったら、遅滞なく相続財産目録を作成し、家庭裁判所、金融機関な...

[ 遺言執行者の権限と義務 ]

遺言執行者の権限と義務について。就任したらまず最初にやるべきこと

遺言執行者が行う業務は、被相続人(遺言者)の相続財産目録の調製から、家庭裁判所、金融機関、生命保険会社など...

[ 遺言執行者の権限と義務 ]

遺言執行者の選任について。誰がなるのが良いのか?

遺言執行者は、遺言の内容を実現するため、必要な行為や手続を中心となって行う役割を請け負う人です。もちろ...

[ 遺言執行者の権限と義務 ]

遺贈は放棄できる?遺言書と異なる遺産分割について

遺言者は、遺言書を作成することで自身の財産を自由に相続人やそれ以外の第三者に遺贈することができます。しか...

[ 遺言と相続 ]

遺言の種類、「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の違い

遺言書を作成する方法として、自筆証書遺言と公正証書遺言があります。いつでも好きな時に作成することができ...

[ 遺言と相続 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ