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 公開日: 2016-05-29  最終更新日: 2016-10-19

成年後見人の変更は可能?手続きの方法と注意点

家庭裁判所が一旦選任した成年後見人は、「正当な事由」がない限り変更することはできません。正当な事由とは、後見人が病気で入院してしまう、また遠隔地へ引っ越しをすることによって、現実的に後見人の仕事を遂行することが困難になってしまった場合などで、家庭裁判所がそれを認めた場合です。

また、成年後見人について不正な行為、著しい不行跡、その他後見の任務に適さないと認められるような事情があると、家族や検察官などの申立てによって、家庭裁判所に解任されてしまいます。このような場合、早急に別の成年後見人を改めて選任してもらわなくてはなりません。

上述したような事情がない限りは、一旦選任された成年後見人を変更することはできません。では仮に変更できる、もしくは変更せざるを得なくなった場合にはどのような手続きが必要なのでしょう。今回は成年後見人変更の手続き方法と注意点についてご説明します。

成年後見人の重要性

成年後見制度は認知症、知的障害、精神障害などの理由で判断能力が不十分な人の財産を保護し、支援することを目的として作られた制度です。

成年後見人は、他人の財産を管理し、施設や医療に関する契約、納税などさまざまな重要事項を代理して行います。そのため家庭裁判所は、対面調査なども含め厳格な審理を行った上で後見人を選任します。

後見人には、民事上の過失責任の前提となる「善良な管理者の注意義務」が要求され、責任ある立場であるため、選任された以上は簡単に自分の都合のみで辞退をすることはできません。

一旦引き受けたら、冒頭で示したような事情がない限りは変更ができないということをまずはご理解ください。それでも、何かしらの事情によって変更することになった場合の手続きを見ていきます。

成年後見人変更の手続き

成年後見人の事情や、何かしらの行為によって解任されることになった場合、次の成年後見人が決まらなければ、その間、本人の保護ができない期間が続くという状況になります。そのため早急に次の成年後見人を選ぶ手続きをする必要があります。

辞任の場合、辞任の理由を証する資料を添付した成年後見人辞任許可申立書を提出します。添付書類は、事案に応じて追加提出を求められることがあります。それとあわせて、成年後見人は他に後見人がいる場合を除いて、遅延なく新たな成年後見人の選任を家庭裁判所に請求しなければなりません。

解任の場合は家庭裁判所によって、成年後見人解任の審判が終了次第、新たな成年後見人の選任手続をしていくこととなります。

成年後見人変更の注意点

法定後見の場合の成年後見人変更手続きは上述した通りですが、任意後見の場合は手続きも異なります。

締結した任意後見契約の当事者である任意後見人となる予定の者や任意後見契約が発効したあとの任意後見人を変更する場合は、一旦契約を解除し、新たに任意後見契約を締結する必要があります。

しかし任意後見契約の効力が生じている場合、本人の判断能力は低下している状態のため、本人は新たな契約を結ぶことが困難になります。この場合、法定後見への移行を検討することが望ましいでしょう。

◆関連コラム◆
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