コラム

 公開日: 2014-11-27 

病院が病気を作る?②

医者には、病気の発見とその原因の探求、そして治療に意識があります。
それは「人間を一つの物体と見て、より完全に健康な状態にする」という科学的な思考に基づいているからであります。
その際に医者の意識に見られるひとつの盲点は、「検査を行うことや薬を処方することに対する患者様のデメリットについて深く見つめる視点が欠けてしまうことがある」ということです。

さて、もうひとつの盲点は、病院で検査を受け、説明を受け、薬を処方されるときに患者様の心理状態が及ぼす病気への影響です。
私などもよくありますが、熱が出ていてもそれなりに仕事などを行ったりしています。
それが体温計で39℃などという数字を見た瞬間、急にしんどくなって動けなくなることがあります。
薬の処方も同じです。
大した病気でなくても、薬を処方されて飲むようになると、すっかりと病人気分になることがあります。
さらにあれやこれやと薬を変えているうちにますます自分は病気だという意識が強くなり、最初のときには見られなかった様々な症状を引き起こすようになり、いつの間にか本当にひどい病気になってしまうことがあります。

ですから、医者というものは病気だけを見て検査をしたり、薬を出したりしていると、本当に「病院に行くと医者が病気を作る」などと言われるようなどこかずれた医療に陥ることがあります。
医者は病気だけではなく、患者様という人間、その心理状態、そして人生を見なくてはなりません。
それらを見た上で総合的に判断し、検査することを提案したり、お薬を処方することを提案したりすることが重要です。
勘違いしないでほしいのですが、適切に検査を行い、適切に薬を処方されれば、人間にとっていずれもとても有効なものです。
それらが開発されていなかった時代に比べて、様々な検査や薬が開発されたことによって救われた人は数知れません。
ただそれらのデメリットを見つめる視点に欠けていたり、患者様の心理状態が及ぼす病気への影響について配慮する視点に欠けていたりすると、「病院に行くことで病気になる」ということにもなりかねないということなのです。
このあたりへの配慮ができるか否かは、医者の技術というよりも、医者自身の人格によるところが大きいのではないかと思います。
医者は単なる技術者ではなく、その人格を磨く努力を怠ってはならないということです。

この記事を書いたプロ

いずみハートクリニック [ホームページ]

精神科医 泉和秀

兵庫県神戸市東灘区岡本2-7-3 ピークス岡本3F [地図]
TEL:078-453-8010

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

12
<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
泉和秀 いずみかずひで

誰もが持つ“ダイヤモンドの心”。その輝きを取り戻すために(1/3)

 神戸・岡本、山手幹線沿いにある「いずみハートクリニック」。明るい表通りに面したこのクリニックを昨年(2008年)4月に開業したのが同院長・泉和秀さんです。 自然光がふんだんに射し込む受付・待合室から診察室まで、全室にわたり院内だという...

泉和秀プロに相談してみよう!

神戸新聞社 マイベストプロ

会社名 : いずみハートクリニック
住所 : 兵庫県神戸市東灘区岡本2-7-3 ピークス岡本3F [地図]
TEL : 078-453-8010

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

078-453-8010

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

泉和秀(いずみかずひで)

いずみハートクリニック

アクセスマップ

プロのおすすめコラム
直感を信じる

ここ数日、凍りつきそうな寒い日々が続いています。そんな中、ふと夜空を見上げると、月と星がとてもきれいに輝...

どんな言葉が人の心に伝わるのか?

どんな言葉が人の心に伝わるのか?それはわかりません。患者様に「この前、先生に言っていただいた言葉がす...

優秀な人が陥る罠(わな)

優秀な人が人間関係において陥る罠というのがあります。優秀な人は勉強ができたり、仕事ができたりします。...

幸せになる心の教育

今の学校教育にあればいいなあと思うことがいくつかあります。そのひとつに『幸せになる心の学問』というような...

エネルギー量の高い人

何かをなすためには、エネルギー量ってとても大事だと思います。人格の良し悪しにかかわらず、エネルギー量が...

コラム一覧を見る

人気のコラムTOP5
スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ