コラム

 公開日: 2014-02-19 

BeingとDoing

先日、参加しました第14回日本外来臨床精神医学会でのお話です。
そこである先生が『BeingとDoing』というお話をされました。

Beingというのは、存在してよいという感覚によって得られる自分。
Doingというのは、何かやること、達成することによって得られる自分。

動物の世界でも、赤ん坊の世界でもみんなBeingで生きている。
すなわち、当然のように生きて、親や自然の恩恵を受け、自分が生きているからみんな幸せという感覚を持っている。
生きる理由など必要としていないというのです。

ところが、現代はDoingの人が多い。
何かをやっていていれば価値があるが、何もしていない自分には価値がない。
そうした人は「自分はなぜ生まれてきたのだろう」「何のために生きるのだろう」といった疑問を抱き、生きる理由を必要としている。
そこに現代の心の病理がある。
だから、もっとBeingということに目覚めるのが大事ではないかと。

なるほど、そうかもしれませんね。
「自分はなぜ生まれてきたのだろう」「何のために生きるのだろう」といった疑問を抱き、思考することが、人間が人間たる所以(ゆえん)のような気もします。
しかし、赤ん坊がそうであるように、自分に対してもっと素直にBeingを言い聞かせてもいいかもしれません。

文明化された都会で生きている人ほどDoingかもしれません。
それほど豊かでなくても素朴な田舎で暮らしている人にBeingの人が多いような気がします。

沖縄やバリ、ハワイを愛する人というのは本当に多いように思いますが、そうしたところではBeingの人が多いのではないかと思います。
この世に存在して生きていることをありのままに受け入れ、屈託なく、純粋に生きているBeingの人と接すると、人はほっとできるのかもしれません。
だから、癒しを求めてそうした土地を訪れるのではないかと思います。

人間にとって「自分はなぜ生まれてきたのだろう」「何のために生きるのだろう」といった哲学を求めることも大切かもしれません。
しかしその前に、素直に動物や赤ん坊のようなBeingの心を取り戻そうとする試みも大切かもしれません。

この記事を書いたプロ

いずみハートクリニック [ホームページ]

精神科医 泉和秀

兵庫県神戸市東灘区岡本2-7-3 ピークス岡本3F [地図]
TEL:078-453-8010

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