コラム

 公開日: 2012-05-13 

「でも…」という言葉

人は何か悩みがあると、ほかの誰かに相談をし、相手に助言をもらいます。
そうした助言をもらったときに「でも…」と言う人がいます。
この「でも…」という言葉…。
この言葉を発する癖がある人は、なかなか問題を解決することができず、いつまでも同じ悩みの中を堂々巡りします。

確かに、相手の助言が的を得ないこともあります。
そんなときには「でも…」と言いたくなります。

しかし、次々と問題を解決し、前向きに明るく生きている人を観察していると、「でも…」という言葉を発する人は滅多にいません。
相手から的を得ない助言を得たとしても、「なるほど、そうかあ」とか「そういう考え方もあるね」といった答え方をして、それ以上その人に求めることをしません。

的を得た助言が得られないとわかった時点で、その助言をくれた相手には不愉快な思いをさせないようにしながら、適切な助言を求めるのをあきらめます。
そして、また別の人に相談をするなりして、解決に至る道を探すのです。

そこには、自らの足で立ち、自らの足で歩んでいこうとする自助努力の精神が見られます。
たとえ、困難があっても、それが解決に至る道なら、自分の足で歩んでいくぞと姿勢があるのです。

それに対して、「でも…」と言う人には、自分の足では歩ける気がしないので、願わくば、誰かに魔法のように楽になる方法を教えてもらいたい、言い換えるなら、誰かにおぶってほしいというような依存的な気持ちが見られます。
大抵の場合、相手の助言は「私がすべてを解決してあげます」というものではなく、「(あなたが自らの力で」このようにしてみたらどうか?」というものです。
その「“自分の力で”やってみては?」というところに「でも…」と言ってしまうのです。

悩みの渦中にあるとき、一時的にはまわりの人が支え、おぶってくれることもあります。
しかし、最終的にその問題を解決するためには、自らの足で歩まなくてはなりません。
ですから、一般的に「でも…」という言葉を発する癖のある人は結局、自らの足で歩もうとせずにその場で立ちすくんでしまい、問題を解決することができないのです。
この傾向のある人は何年経っても、何十年経っても、同じことで悩み続けます。

「でも…」という言葉を発していけないのではありません。
「でも…」という言葉を発する人のすべてに依存的な気持ちがあるというわけではありません。
ただ「でも…」という言葉を相手から聞いたり、自ら発したりしているのに気がついたなら、「でも…」という言葉を発するその背景にある思いにもう一度、目を向けてみてはどうかと思います。
勇気を出して「でも…」という言葉を発するのをやめたときに、問題解決を可能とする自助努力の力が芽生え始めるのではないかと思います。

この記事を書いたプロ

いずみハートクリニック [ホームページ]

精神科医 泉和秀

兵庫県神戸市東灘区岡本2-7-3 ピークス岡本3F [地図]
TEL:078-453-8010

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