“心の医療”のプロ
コラム
2012-02-18
コミュニケーション技法の一考察②
前回のコラムで、コミュニケーション技法のポイントとして、
『自分自身のコミュニケーション能力』
『自分自身の心の状態』
『相手の理解能力の見極め』
を挙げました。
4番目のポイントは、『相手の心の状態』です。
多くの人がコミュニケーションに悩むとき、その最大のポイントは
“相手の心の状態の見極め”
にあります。
松下幸之助氏はいつも「素直な心こそが大切である」と言います。
この素直な心という言葉はとても奥深いものがありますが、もし誰もが素直な心を持っていれば、お互いのコミュニケーションに悩むことはないでしょう。
しかし、人はしばしば偽りの自分にとらわれた状態にあって、素直な心を見失っています。
そうした方とのコミュニケーションはとても難しいものがあります。
その最たる人は、何を言っても被害的にとらえる人、杓子定規にものごとをとらえる人、言葉尻をとらえて揚げ足をとってくる人、自分の権利を一方的に主張して高い要求をしてくる人です。
「基本的に自分には何の問題もない、何か問題があるとすればそれはあなたに問題があるのだ」と言って自己反省する姿勢がなく、さらに、相手を自分より下の立場に置くことによって自分自身の満たされない気持ちを解消しようとする人です。
自己防衛のためにこうした思考パターンを身につけてしまったと考えられますが、こうした人への関わりはとても難しく、普通のコミュニケーションではうまくいきません。
まず、こうした相手の心理状態をできる限り早い段階で見抜くことです。
そして、もし見抜くことができたなら、限界設定というコミュニケーションパターンを実行しなければなりません。
限界設定という方法を実行し、それが成功したなら、そこから普通のコミュニケーションがとれるようになります。
恨みや怒りの感情に満ちていて、イライラした人へのコミュニケーションも難しいものがあります。
「一体、私はどうしたらいいのよ」と言って相手が相談してきているように見えても、こうした心理状態を見抜いたときには、いたずらに相手の問いかけに答えてはなりません。
どのような助言をしても反発する可能性が高いので、まずは話を聞き、共感できる部分に対して共感できるという態度を示すことです。
そうした対応に相手が今ひとつ納得のいかないふうに見えても、こうした心理状態の方をすぐに良い方向に導く手立てはありません。
この場面でのコミュニケーションでは、これ以上悪い心理状態に導かないことを目指すことです。
“いずれ”あるいは“いつか”相手が落ち着き、こちらの言葉を聞き入れる姿勢が見られるようになるまで待つことです。
他にも例を挙げればいろいろとありますが、これらはすべて『相手の心の状態』を見抜いた上でのコミュニケーションです。
いろいろな人と上手くコミュニケーションをとるには、『相手の心の状態』を見抜くという視点がとても重要なのです。
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