コラム

 公開日: 2011-09-18 

もし、理不尽な職場で働くことになったら…?

この悩みを抱えている人はとても多いのではないかと思います。
実際、理不尽な職場にいることのストレスから心身の不調をきたし、相談に来られている人が私のクリニックにもたくさんいます。

理不尽とはどういうことか?
いろいろなケースがあります。
入社する前に聞いていた仕事や契約条件と現実の仕事や契約条件が違う。
仕事のやり方をまともに教えてもらえないままに仕事をさせられて、結果を求められる。
残業手当もなく早朝から深夜まで働かされる。
上司によるパワーハラスメント。

いざこうした状況下になると、どうすればいいのかと誰もが悩みます。
ああしたらいいのか、こうしたらいいのかと悩みます。
迷う、悩むということが続けば、それは悪いメンタルトレーニングをしているのと同じことです。
免疫力が落ち、自律神経のバランスが崩れ、心身の不調をきたすようになります。

では、どうすればいいのか?
冷静に考えれば、とるべき道は限られています。

まずその理不尽さについて会社側に伝え、是正してもらうことを提案することです。
直属の上司が理不尽な人ならさらにその上の上司に伝えることも必要です。
いざ話してみると、意外に理解を示してくれて、会社から誠意ある対応をしてもらえることもあります。
ただ黙って我慢をするだけでなく、かといって、いたずらに切れて訴えるのでもなく、冷静に相手に事情を伝えて提案をすることです。

しかし、現実にはそうした話が全く通用しない上司や会社もあります。
そんなときはどうするか?
道はふたつしかありません。
続けるか、辞めるかです。

この判断をするには、自分の生活や家庭の事情、年齢などいろいろな要素があるので、難しいものがあります。
ただひとつのポイントは、
    “なぜ、そのような不遇な職場に働くことになったか”
ということです。
自分自身の判断ミスだったのか?
非常に不遇のようには思われるけれども、そこで働くことに自分自身の人生の課題があり、何か学ぶべきものがあるのか?
その判断は微妙なのですが、これについて考えてみる必要があります。

その職場を選んだのはどう見ても自分の認識の甘さに基づく判断ミスだと考えられる場合には辞めるべきだと思います。
大学卒業とともに就職したけれども、理不尽な職場であり、全く自分に合わない。
そうした場合は潔く辞めて、別の仕事に就くことで生き生きと働けるようになることがあります。

一方、人事異動で職場が変わったところ、非常に理不尽な職場で働くことになった。
こうした場合は本当に難しい。
よほど体調を崩した場合には休むなり、職場の異動を希望するなりして対応するしかありません。
休息して自分を見つめることが必要なのかもしれません。

しかし、まだわずかなりとも考える余裕がある場合には、自分自身に問うてみてはどうかと思います。
自分にとってこの職場は、今すぐにでも離れるべきところなのか?
もう少し粘って、逆境の中で何かを学ぶべきなのか?

いずれにせよ、
    “苦しくて逃げるためだけに辞める”
ということは避けるのが望ましいように思います。
苦しいのに耐えられないからという理由だけで辞めると、不思議と次の職場でも同じような問題にぶつかることがあります。
どうも人生というものは、逆境の中で考えるべき課題があったのにそれと向き合わなかった場合には、遅かれ早かれまた同じ課題が自分に課せられるようになっているようです。
ですから、苦しくて逃げるためだけに辞めるということはできるだけ避けてほしいように思います。

理不尽な職場で働くことになったときには、一呼吸おいて、自分自身に問うてみることかなと思います。
もう少し粘って逆境の中で学ぶことを選び、それが適切な判断だった場合、学び終わった頃に次の部署への異動だったり、新しい仕事の話が来たりするなど不思議と新たなステージが開けてきます。
そうして人は成長し、発展していくことができます。

もし、理不尽な職場で働くことになったら…。
いたずらに迷い、悩み続けて、心身ともに消耗しないでほしいと思います。
そのときの判断には本当に難しいものがありますが、今日の話をひとつの参考にしていただければと思います。

この記事を書いたプロ

いずみハートクリニック [ホームページ]

精神科医 泉和秀

兵庫県神戸市東灘区岡本2-7-3 ピークス岡本3F [地図]
TEL:078-453-8010

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