コラム

 公開日: 2011-06-12 

人のせいにするか?自分の問題ととらえるか?②

一方、人間関係のトラブルがあったとき、一部の人はいつも「自分のせいだ」と考えます。
これは自己評価が低く、他の人とのトラブルを恐れる人に見られがちな傾向です。

そうした人は「自分のせいだ」と考えることで、他の人との摩擦を避け、自己防衛しようとします。
しかし、ただただ自分を責めるだけなら、それはさらに自己評価を下げるためのメンタルトレーニングをしていることと同じです。
いたずらに「ごめんなさい」「すみません」と言って自分を蔑(さげす)めば、心の奥にある「本当の自分」は苦しみ、いずれそれが何らかの心身の不調をもたらすようになります。

人間関係のトラブルがあったとき、本当に大事なのは相手のせいにするのでもなく、自分のせいにするのでもなく、
    「『相手の問題として見る目』と『自分の問題として見る目』のふたつの目を持つ」
ことです。
相手の問題として見る目については、前回に話した通りです。
ただそれだけではなく、自分の問題として見る目が大事ではないかと思うのです。

最初に述べたような自分のせいにする目ではありません。
自分の問題として見る目です。
確かに相手が悪い。
けれども、自分にも非はなかっただろうか?
あるいは、「鏡の法則」や「引き寄せの法則」と言われるように、自分の中にある何らかの問題がそうした相手を引き寄せ、トラブルになったのではないだろうか?
そのようにして自分を見つめる視点です。

トラブルの最中(さなか)にあるとき、人はなかなかこのように考えられません。
    「相手が悪い。相手のせいだ」
    「自分が悪い。自分のせいだ」
というように極端に考えがちです。

しかし、人間関係のトラブルを解決し、さらにそのトラブルをきっかけに成長していく人は、『相手の問題として見る目』と『自分の問題として見る目』のふたつの目を持っています。
トラブルの原因の大部分が相手にあった場合でも、自分の問題として見つめ、自分の課題として取り組む姿勢があります。
自分のせいだとして、自分を責めるのではありません。
    「自分の心の課題がここにあるのだ。
    だから、こうした問題が起こっているのかもしれない。
    もしそうであれば、この課題に取り組んで克服し、今後はこうした問題を引き起こさない自分になって、幸せに生きていこう」
と考えます。
これが自分の問題として見つめるということです。

「自分のせいだ!」と考えて、自分を責め続けるのはよくありません。
「相手のせいだ!」と考えて、相手を恨み続けるのもよくありません。
「相手の問題だ」と考える中で、「相手の問題は相手の問題」として、あるところで「それ以上、相手に求めることを止める」のが賢明なことです。

しかし、もし心に少し余裕が出てきたなら、さらに賢明なのは、相手の問題を見ながらも、自分の問題としてとらえるふたつの目を持ち、自分の課題に取り組む姿勢を持つことです。
こうした人はトラブルがあっても、そのトラブルをきっかけに飛躍的に成長し、幸せな本当の自分に近づいていきます。

私の目指す心の治療のゴールもこうしたところにあります。

この記事を書いたプロ

いずみハートクリニック [ホームページ]

精神科医 泉和秀

兵庫県神戸市東灘区岡本2-7-3 ピークス岡本3F [地図]
TEL:078-453-8010

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