コラム

 公開日: 2010-09-10 

自分の心に光を灯す


よく心の病の家族の方に
    「本人に対してどのように関わればいいでしょうか」
という質問を受けます。

子どもに問題を抱えた母親の場合、自分が仕事を持っていると、
    「仕事を辞めて、傍(そば)にいてやった方がいいでしょうか」
という質問をされる方もいます。

こうしたとき一番大事なことというのは、本当はどのように関わるかということや、傍にいるか否かということではありません。
そうしたことよりも関わる人自身が
    “その心の中に光が灯っているかどうか?”
    “相手に伝えるべき光を持っているかどうか?”
ということです。

関わる人自身の心の中が不安でいっぱいであれば、本人と一緒にいればいるほどにその不安が伝わってしまって、余計に不安定にさせます。
そうであれば、むしろ仕事などに行って家から離れて、少しでも心の余裕を取り戻すことの方がずっと大事なことです。
心を少しでも明るく光のある状態にして、たとえ短い時間であってもそうした明るい心で本人と接することが意味のあることです。

もし、関わる人自身がその心の病のことを知らないならまずは知ることですが、心の病のことを知ってもなおうまく関われないときには、関わる人自身の心に問題があることがあります。
関わる人は、その人にどのような光を伝えようとしているのか?
光ではなく、単なる常識や理屈であったり、自分自身のイライラであったり、相手の心の影を落とすようなものばかり伝えていることがあります。

心の病の人に関わる人は、相手にどのように関わるかということや自己犠牲精神で関わることを超えて、まずは
    “自らの心に光を灯す”
ことを考えることです。
具体的には、
    心に余裕を持つことです。
    相手の病気を理解することです。
    病気に至った已(や)むに已(や)まれぬ心を理解することです。

特に最後に述べた已むに已まれぬ心を理解するには、関わる人自身が自分の中にある心の問題と向き合わなければならないかもしれません。
相手と向き合うよりも自分自身と向き合い、その問題を乗り越えることが必要かもしれません。

私自身も心の医者になってから、特にある時期からはずっとこうしたことを繰り返してきました。
自分自身の心の問題を乗り越え、心に光を灯した分だけ、その光が相手に伝わり、そのときに不思議とよくなっていくのです。

“自分の心に光を灯す”というのは意外に誰も気づかない視点です。
しかし、ここに最大のポイントがあることを知っていただければ、今、いろいろと関わりに行き詰っている方にも一筋の光が見えてくるかもしれません。

この記事を書いたプロ

いずみハートクリニック [ホームページ]

精神科医 泉和秀

兵庫県神戸市東灘区岡本2-7-3 ピークス岡本3F [地図]
TEL:078-453-8010

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