コラム

 公開日: 2016-06-13  最終更新日: 2016-06-28

就業規則で退職金の規定の仕方について


退職金は、「必ず支払わなくてはいけない」というものではありません。したがって、起業し、これから就業規則を作るといった場合、経営者の判断で退職金は支払わないとしても法的に何の問題もありません。

しかし、これまでに退職金を支払ってきた、もしくは就業規則で退職金の規定を作成してあるといった場合は、義務として退職金を支払う必要があります。そこで今回は就業規則で退職金の見直しをする際の注意点をご紹介します。

退職金規定見直しのポイント-1-支払時期と支払方法

企業の業績が上がれば、それに合わせて従業員の人数も増やしていくことになります。業績が上がること自体は何の問題もありませんが、従業員が増えていけば、その分退職金の額は増えていき、いずれは経営を圧迫する可能性もあります。

そういったことを防ぐためにも現在の退職金規定を見直し、将来に備えることは企業にとって大変に重要な問題です。では、まず退職金規定の見直しポイントの一つ目、支払時期とその方法についてご紹介します。

基本的に支払時期に関する規定を作っていないと、仮に従業員の請求があった場合、その請求から7日以内に退職金を支払わなければなりません。そのため同時に複数人が退職するとなれば、企業の負担は相当なものになってしまいます。

そういったリスクを防ぐには、退職金の支払いを一括ではなく分割支給にする、また退職金額の一部を企業年金化し、その企業年金からも支払うといった形にし、支払時期を分散します。

退職金規定見直しのポイント-2-退職金支払い対象者と支給額算出方法

退職金を支払うのは社員だけなのか、それとも一定期間働いていればパートやアルバイトにも支払うのかといったことを明確に規定します。

これも支払時期と同様に規定がない場合、パートやアルバイトから請求されれば、社員同様に支払わなくてはならないケースもあります。

また社員であっても自己都合退職の場合と会社都合退職の場合、同じ金額の退職金を支払うのか?定年退職の場合はどうするのか?といったことも細かく規定します。

他にも懲戒規定との関連性を明確にし、そういった社員には不支給、または減額できるようにするといった規定も作成します。

退職金支払いの対象者が決まったら、次は支給額の算出方法の見直しです。もし賃金比例方式(退職時の基本給×勤務年数×係数)を採用している場合は、企業側の負担が大きくなるため、必ず支払い可能な規定に変更します。

退職金規定を見直すには従業員との対話が重要

基本的に、これまでは支払ってきたものを就業規則改定に合わせて急に廃止することは困難です。なぜなら、新たな中長期の事業計画・経営計画を作成した上で、退職金の支払い債務が過大であり、経営に著しく支障をきたす旨の説明を労働基準監督署から求められる場合もあるからです。

また退職金の減額は労働条件の不利益変更となるため、従業員と十分に話し合うことも必要です。定年後の継続雇用など、退職金以外の労働条件の向上を検討しつつ、退職金規定の変更後、数年間以内に退職する従業員に対しては、若干の猶予期間を設けるといったことも必要になるでしょう。

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