コラム

 公開日: 2013-07-02 

「先生、あの子からゲームとスマホを取り上げて下さい

 先日、中3男子のお母さんから電話がありました。

 「最近あの子、ゲームやスマホばっかりして全然勉強してないんです。
  私がいくら言っても全然言うこと聞かないので、先生がゲームとスマホを取り上げてもらえませんか?」という内容でした。

 「お母さん、ご心配は大変よくわかります。
  僕も最近◯◯君あんまり勉強に身が入っていないなあとは感じていました。
  でも・・、申し訳ありませんが、
  僕がゲームやスマホを取り上げることは出来ません。
  そんなことをしたら彼との信頼関係がつぶれてしまいます。
  それではいい指導は出来なくなってしまいます。
  お母さん、『北風と太陽』の話はご存知でしょうか。
  ここは、子どもを管理したり、罰を与えたりする「北風作戦」ではなく、
  子どもの心に寄り添った「太陽作戦」でいきたいと思います。
  ちょっとこの件は僕に任せてもらえませんか。
  あの子も志望校には受かりたいという気持ちは持っていますし、
  また受かるだけの力も持っています。
  僕もなんとしてでも受からせてやりたいと思っています。
  だから僕のやり方に任せてもらえませんか?」

 「わかりました。お任せします。」
 ということで次の指導の時に彼と話をすることにしました。

 お母さんとの電話のやり取りを全部正直に話して、
 先生は君を援助するためにいるのだから管理したり強制したりはしない
 だから安心してくれたらいい。
 でもお母さんの心配な気持ちもわかるし、
 僕も最近の君の様子は心配に思っている。
 だから頑張ってほしい。
 そのように伝えました。

 それからしばらくしてその次の指導のとき
 どうも家で勉強している様子が見えません。
 話をきいてみると全く勉強していないようでした。
 何をしているの?
 と聞くと、スマホで色々としているとのこと。
 2年生の3学期くらいからあることに夢中になっていて
 それの情報交換やら何やらでスマホばっかりいじっているようでした。

 「そうか・・、なんでも夢中になれるものがあるってことはいいことや。
  でも、そんだけ勉強の邪魔になってたらちょっと考えなあかんな・・。
  やっぱりスマホが手許にあったら触ってしまうやろ、 
  いっそのことお母さんにスマホ預けたらどうや。
  このままやと次のテストもひどいことになって、
  結局、スマホ取り上げられたら何にもならないやろ。
  ここは自分からお母さんにスマホを預ける方が得策やと思うけど
  どう思う?」
  
 「そうですね・・、そのほうがいいかも・・」

 「まあ、あとは君に任すけど、君も◯◯高校行きたいやろ。 
  先生も行かせてやりたいし、君には行ける力もあるんやから
  がんばろう。」

 「はい、じゃあ・・、そうします。」

 という会話が交わされた後はじめて昨日その子の指導がありました。
 今はちょうどテスト中で、今までのテストはなかなか出来たとのこと。
 そしてスマホはちゃんと自分からお母さんに預けたとのことでした。

 「そうかあ。えらかったなあ。お母さんどう言ってった?」

 「はい。自分から預けてくるとはなあ・・と驚いていました。」

 「そうか、驚いてはったか・・。まあ、よかったやん。」
 
 「はい、よかったです。」


 はからずもいい展開になりました。
 子どもは何も考えてないように見えますが、ゲームだって携帯だってやり過ぎは良くないこともよくわかっていますし、勉強だってやらなくっちゃとも思っています。
 わかっちゃいるけどやめられないのです。
 そんなときこそ強権的に管理したり罰を与えたりするのではなく、子どもの立場で、子どもと一緒に考えるなら、どうすることが一番いいのか、自らその答えを見つけてくれるのだと思います。
 教育とは、親や先生が「これが正しい」「こうすることがいいのだ」と上から教えることではなく、子ども自身がどうすればいいのかを見つけていくことを援助することではないかと思うのです。
 子どもが大きくなった時、色々な状況の中で自分で判断しなければならないことにもたくさん遭遇することでしょう。そのとき、どうしたらいいのか、自分で答えを出せる力を養うことこそが教育であるように思います。





 子どもさんの学習の悩み・家庭教師のご相談は
 http://www.hariat.co.jp/ksg/

 不登校でお悩みなら
 http://www.hariat.co.jp/ksg/futoukou.htm

 親も子も幸せに成長していくヒントがいっぱい!
 ブログ「長谷川満の親学講座」
 http://hasegawa-mitsuru.seesaa.net/

 気づきがいっぱい!子育てコラム「あなたのままで100点満点」
 http://www.koushinococoro.com/magazine/kyouiku/hasegawa_100/

 感動!心が楽になる!子育て講演については
 http://mbp-kobe.com/hasegawa/service2/


この記事を書いたプロ

家庭教師システム学院 [ホームページ]

家庭教師 長谷川満

兵庫県加古川市加古川町木村44-6 亀井ビル3階 [地図]
TEL:079-422-8028

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

6
<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
著書紹介
子どもにも自分にもやさしくなれる本

 『あなたも子どもそのままでいい 〜長谷川満の親学講座〜 』¥500(税込み) いい親になろうとせず、いい子に育てようとせず、もっと自然に、もっとありのまま...

教育講演・人権講演について
イメージ

 「感動した」「心が軽くなった」「さらに子どもが愛しくなった」「子どもにやさしくなった」、そんな喜びの声が多数寄せられています。 人権についての講演会も多...

プロへのみんなの声

全ての評価・評判を見る>>

 
このプロの紹介記事
家庭教師システム学院の長谷川満さん

自己イメージ改善で、子どもの自信とやる気を引き出す家庭教師のスペシャリスト(1/3)

 加古川市、高砂市、加古郡といった東播学区の小・中・高校生を対象に、家庭教師派遣を行う「家庭教師システム学院」。代表を務める長谷川満さんは、25年以上、家庭教師を指導するとともに、自身も家庭教師として多くの生徒と関わってきました。 「私が...

長谷川満プロに相談してみよう!

神戸新聞社 マイベストプロ

子どもの自信を回復させ学習意欲を引き出すノウハウを持っている

会社名 : 家庭教師システム学院
住所 : 兵庫県加古川市加古川町木村44-6 亀井ビル3階 [地図]
TEL : 079-422-8028

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

079-422-8028

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

長谷川満(はせがわみつる)

家庭教師システム学院

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
このプロへのみんなの声
K・M
  • 30代/女性 
  • 参考になった数(21

このプロへの声をもっと見る

プロのおすすめコラム
受験が近づくこの時期 受験期の子どもに親がしてあげられること
イメージ

 受験が近づいてくると子どもよりも親の不安の方が大きくなってつい「そんな事で受かると思ってるの!」と否定的...

親の愛、親のエゴ。 親のエゴを自覚することが大切

 親には二つの心があります。 子どもに対する愛の心とエゴの心です。 愛の心は明るくてあたたかい心です...

子どもが見せてくれているありのままの自分の心 〜子育て是道場〜

    直心是道場(じきしん これ どうじょう) 仏教に由来する言葉で、「ありのままの心こそ、修行し...

ガミガミ言い過ぎて子どもが言うことを聞かなくなってしまいました

 先日ある中学校の講演会の際、こんな質問がありました。 「私は自分は許せるんです。主人のことも許せるん...

第43回ペアレントセミナー『子育ては自己成長力に任すと上手くいく』のお知らせ
イメージ

    第43回 ペアレントセミナー   『子育ては自己成長力に任すと上手くいく』    子...

[ ペアレントセミナー ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ