コラム

 公開日: 2013-03-07  最終更新日: 2014-01-07

第32回ペアレントセミナー「自信と意欲を育てる親子関係とは」<後半>

 最初から読みたい方はコチラから→http://hasegawa-mitsuru.seesaa.net/article/341880675.html

 親のありかたと国家のありかたはとても似ています。
 国家とは国民の生命・財産・安全を守るためにあります。
 また、困っている国民がいれば福祉によって助けます。
 そういう国民を守る側面があると同時に、実は支配者としての側面も持っています。
 政権の中枢にいる者たちが自分たちの都合がいいように国民を支配しようとする側面です。
 
 親も国家のありかたとよく似ています。
 子どもの生命・安全・健全な育ちを守ろうとする「保護者」の側面と、
 子どもを自分が望むような子どもにしようとする「支配者」としての側面です。
 支配者とは、「あなたが望むようにではなく、私が望むように振る舞いなさい」
 と言う者のことです。

 親は常に子どもを支配したがります。
 なぜか?
 それは、すべての人間が支配欲を持っているからです。
 この支配欲はどこからくるのか。
 支配欲はエゴから来ます。
 それでは<エゴの心と愛の心>の資料をご覧下さい。

        < エゴの心と愛の心 >

  エゴ(思考)               愛(純心)

  分ける働き(違いを見る)         つなぐ働き

  疑う(不安)               信じる(安心)

  コントロール(支配)しようとする     任せる

  自分を守る                楽しむ

  意見する                 共感する

  人からどう見られるか           自分がどうしたいか

  較べる                  較べない(みんな良し)

  決めつける                理解しようとする

  悪い所を見る               よい所を見ようとする

  悪いことを予想する            希望を持つ

  取引きする(利用する)          愛する(見返りを求めない)


 エゴとは、利己心から「こうすればいいだろう」とはからう心のことです。
 その根っこには不信があります。
 相手を信じられないから不安です。
 不安だからこそ、相手をコントロール(支配)したがります。

 愛とは、人間がもともと持っている心です。
 言うなれば「子どものような純真な心」です。
 無条件に愛する。無条件に信じる。無条件に希望を持つ。
 そういう心です。

 このどちらもを人間は持っています。

 実は、このエゴが<自信と意欲を育てる親子関係の作り方>で子どもに接することを邪魔してくるのです。
 いい関係を築けない根本原因はエゴの心にあるわけです。
 では、どのようにすればエゴを克服することが出来るのか?
 それは非常に逆説的ですが、
 「自分は絶対にエゴから逃れることはできない」と悟ることです。

 エゴとは思考のことです。
 考えることなく生きられる人間はいません。
 思考力は人間にとって最大の武器であると同時に最大の「業(ごう)」でもあります。
 思考力の闇の部分については、実は大昔から知られていました。


 旧約聖書に、アダムとイブが禁じられていた「知恵の木の実」を食べて楽園を追放されるという話があります。
 知恵の木の実を食べた人間は善悪を知る者となり、恐れを知り、羞恥心を持つようになります。
 人間は生まれながらに罪を背負っているというキリスト教の「原罪」思想はこれに由来します。
 この罪の自覚があって初めて「回心」(神に心を振り向ける)が行われ、救われるとされています。
 仏教にも、同じように「罪悪深重の凡夫」の自覚というものがあります。
 自分は救いようのない利己心だらけの罪の深い自分であると知ったとき初めて、すでに仏様に救われている自分を発見すると言われています。

 
 この<自信と意欲を育てる親子関係の作り方>を心がければ心がけるほど、そう出来ない自分、子どもの悪い所ばかりを見てしまう自分、口うるさくダメ出しばかりしている自分に気がついて、かえって落ち込まれることもあるでしょう。

 努力すればするほど、そう出来ない自分に気がついて自己嫌悪に陥りそうになる時もあるでしょう。
 自分さえ自分の思い通りにならない、
 だったら子どもが自分の思い通りにならないのはあたり前じゃないか、
 子どもに否定的なことは言うまいと心がけているのに、気がつけば山のようにそんな言葉が口をついて出てくる。

 そして、この不満や文句を言い続けている私を子どもたちは許していてくれていたんだなあと気がつかれるでしょう。

 その時、
 私は子どもを許そうとしていたけれど、許してもらわなければならなかったのは私の方だった・・
 申し訳なかった・・
 ずっと許してもらっていたんだ・・、有り難いなあ・・
 
 そう思われることでしょう。

 その時こそ、本当の意味で子どもに感謝し、子どもに対して謙虚になれたのです。
 それまでは子どもに対して「傲慢」だったのです。
 どうして子どもに対してダメ出しや注意ばかりをしていたのか。
 それは子どもに対して「傲慢」だったからです。
 そしてそれに気がつかれたとき、はじめて子どもに対して謙虚になれたのです。
 
 本当は、子どもを許そうと思っている間は絶対に子どもを許せないのです。
 自分は許す方ではなく、子どもに許してもらう方だったと気がついたとき、はじめて子どもを心から許せるようになるのです。

 親は子どもを変えることはできません。
 親にはそんな権利も、そんな力も、そんな資格もありません。
 みんな子どもを変えようとして、子どもを苦しめ、自分を苦しめています。
 そんな無駄なことはせず、そのままの自分でそのままの子どもを愛していれば、幸せでいられるのです、親も子も。
 そして、幸せな中で育つことが子どもの自信と意欲を育てるのです。
 
 子育ては子どもを良くするためにあるのではありません。
 子育ては親を幸せにするためにあるのです。
 勉強し、成長しなければいけないのは私たちの方です。
 
 <自信と意欲を育てる親子関係の作り方>を見て下さい。
 それでは、1~5を問いかける言葉に書き換えて下さい。


   < 自信と意欲を育てる親子関係の作り方 >

   1、そのままの子どもを愛していますか

   2、言葉とスキンシップで愛情を表現していますか

   3、子どもの素晴らしさを発見し、伝えていますか

   4、待つことや任せることで信頼していることを伝えていますか

   5、「プラスの問いかけ」で子どもの考えや気持ちを聞いていますか


 これが今日僕が一番伝えたかったことです。
 子育ては子どものありようが問題なのではありません。
 私たち親のありようこそが大切なのです。
 「自分はどうありたいのか?」
 それをいつも問いかけながら子どもを育てていくなら、
 子育ては喜びと幸せを通して成長していける素晴らしい機会となるでしょう。


 
 
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