日本酒のプロ
コラム
2010-08-02
◆蔵元ご紹介シリーズ◆ No.77 加那(かな) 黒糖焼酎

▲かめ壺の櫂入れ(撹拌)作業
鹿児島から南西へ380km、沖縄との中間に浮かぶ奄美大島は亜熱帯の島。
温暖多湿で年間降雨量も多く、深い山々やコバルトブルーの海など、
手つかずの自然が残っています。
国の天然記念物のアマミノクロウサギ、リュウキュウアユ、ルリカケスと
いった珍しい動植物も生息し、その美しい自然と独特の文化に触れに、
国内外から多くの人々が訪れます。
海上交通の要所であった奄美諸島は、古くから南方物産の交流拠点として
栄え、15世紀に琉球王朝、16世紀に薩摩藩、戦後にアメリカの統治を
受けるなど複雑な歴史を辿り、周辺からの文化的影響を受けながら独自の
文化を育んできました。
大島紬や黒糖焼酎もその一つ。蔵は奄美大島の中心・奄美市の、名瀬港から
山間に少し向かったところに建ちます。工場裏には小川が流れ、珊瑚礁の
深層から湧く豊富な地下水で黒糖焼酎を醸しています。
蔵の創業者は沖縄の首里で明治18年(1885年)に酒造免許を取得し、泡盛を造り
始めました。琉球王国が崩壊して6年が経ち、沖縄県に変わったばかりの頃です。
戦時中、泡盛の原料である米が極度に不足したため、地元の原料である黒糖に
切り換えて焼酎を造り、現在に至っています。
砂糖きびの搾汁を濃縮した黒糖を原料に、島の珊瑚層の深層から湧き出る
ミネラル豊富な天然地下水を仕込水に使用して仕込みます。
蒸留は主原料の特性を引き出す常圧蒸留法で造りあげ、黒糖の芳醇な香りと
まろやかで深いコクを引き出します。
昔ながらの製法を守り、品質にこだわった丁寧な造りで、まろやかな黒糖焼酎を
生み出されています。
黒糖ならではの豊かな香りと、まろやかで深いコクのある味わいは
オンザロックにしても失われません。
タンクで1年・樫樽で1年熟成させてうっすら琥珀色をした甘やかで
芳醇な「加那」。口に含んだ時に広がるまろやかさと深い味わいを
堪能し、南の島・奄美を想い浮かべて下さい。
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