コラム

 公開日: 2014-04-24 

遺留分について

宝塚花のみち法律事務所,弁護士の木野達夫です。
今回は「遺留分」について。


遺留分とは,被相続人が有していた相続財産について,その一定割合の承継を一定の法定相続人に保障する制度です。


具体的に見ていきましょう。
例えば,遺言で二人の子供のうち,「長男だけに全財産をあげる」と書いた場合,他の子供の遺留分を侵害することになります。
「遺留分を侵害する」とはどういうことでしょうか。


まず,遺留分の割合というものが民法で決められています。
つまり,遺言によっても侵害できない相続分の割合です。
子供が二人の場合,配偶者がいないとすると,一人につき遺産の4分の1が遺留分割合となります。
遺産のうち4分の1は最低限与えてあげようというのが法律の考え方です。


そうすると,先の例で,遺言で「100%長男に与える」と書いてあっても,4分の1は次男に権利があります。


問題は,この場合の処理の方法です。
次男は黙っていては4分の1を取得できません。
「遺留分減殺請求」というのを行わなければなりません。権利を行使しなければ4分の1を取得できないのです。


なぜ,こういう制度になっているかというと,次男が,「オヤジの遺志だから異議は唱えたくない」と考えて遺言を尊重する場合もあるので,そういう場合まで,強制的に4分の1を与えなくてもいいだろう,という考え方が背景にあります。


ですから,「4分の1欲しい」という場合は,自分で行動を起こす必要があります。
具体的には,口頭または書面で(通常は書面がいいでしょう),長男に遺留分減殺請求の意思表示をします。
これだけで権利関係としては,4分の1を手に入れたことになります。


「なんだ簡単じゃないか」と思われるかもしれませんが,実はこれだけでは終わりません。
この時点では「4分の1」という「割合」を手に入れただけですので,実際に遺産をどのように分けるかについては,相続人間で協議をしたり,場合によっては調停や訴訟を行う必要があります。


このように,遺留分を侵害する形の遺言を作成してしまうと,後で,協議等の必要が生じますので,残された家族の間で紛争が起きる可能性があります。
遺言を作成する場合は遺留分に注意して,できれば,遺留分を侵害しない遺言を作成することが望ましいと言えます。

この記事を書いたプロ

宝塚花のみち法律事務所 [ホームページ]

弁護士 木野達夫

兵庫県宝塚市栄町1-1-11 タカラコスモス六番館3階 [地図]
TEL:0797-85-3770

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0
<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
メールマガジン

宝塚花のみち法律事務所ではメールマガジンを発行しています。以下は,メールマガジンからの引用です少し前になりますが,テレビコマーシャルで有名な引越社が,...

 
このプロの紹介記事
「宝塚花のみち法律事務所」の木野達夫弁護士

民事・家事のほか企業法務で地域住民や中小企業をサポートする弁護士(1/3)

 交通事故や離婚など、暮らしの中で直面するさまざまなトラブルは、法律のプロに相談してみては。「私は街のみなさまの力になりたいと考えています。困ったことがあれば、どんなことでもすぐにお問い合わせください」と話すのは、「宝塚花のみち法律事務所」...

木野達夫プロに相談してみよう!

神戸新聞社 マイベストプロ

会社名 : 宝塚花のみち法律事務所
住所 : 兵庫県宝塚市栄町1-1-11 タカラコスモス六番館3階 [地図]
TEL : 0797-85-3770

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

0797-85-3770

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

木野達夫(きのたつお)

宝塚花のみち法律事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
駐車中の事故

駐車中の事故について駐停車中の事故に自賠法が適用されるでしょうか?自賠法1条の「運行によって」と言...

[ 交通事故・全般 ]

交通事故における「信頼の原則」

交通事故において「信頼の原則」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?判例によると,信頼の原則とは「...

[ 交通事故・全般 ]

自賠責保険が適用される「運行」とは

自賠法では,「自動車の運行によって人の生命又は身体が害された場合」に保険金が出るとされています(自賠法1条...

[ 交通事故・全般 ]

交通事故・物損編(レッカー代その他)

物損シリーズの最終です。レッカー代その他について。事故によって必要になったレッカー代は一般的には認め...

[ 交通事故・物損 ]

交通事故・物損編(休車損害)

今回は休車損害について。営業用車両が修理のために使用できず、それによって利益が減少した場合に利益の減...

[ 交通事故・物損 ]

コラム一覧を見る

人気のコラムTOP5
スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ