コラム

 公開日: 2013-10-04 

休業損害について

宝塚花のみち法律事務所,弁護士の木野です。

今回は交通事故の休業損害について書いてみます。


休業損害とは、文字通り、仕事を休業したことによる損害です。原則として、実際に仕事を休んで実収入が減少した額を請求できます。
給与所得者の場合、雇用主に「休業損害証明書」を作成してもらい証明します。仕事を休んでも今までと同じ給料をもらえたのであれば、「損害」がないので請求できません。
では、有給休暇を使用した場合はどうでしょうか?この場合は請求できることになっています。有給休暇を使用しても給料は減りませんが、本来であれば、別の機会に使用することができた分を使ったことが「損害」といえるからです。


自営業者の場合は、原則として直前の確定申告書所得額を基準にして、休業中にどれだけ実収入が減少したかを計算します。
本来、「実際の収入の減少」というのは、「怪我がなかったとしたら得られた収入」のことですので、本当は分かりません。あくまで、前年度の所得を参考にするしかないのでそうしているのです。
なお、家賃などの固定費は損害として認められます。休業中も家賃等は支払わなければならないからです。


では、主婦の場合はどうでしょうか?主婦は給料をもらっていません。だから怪我をして家事を休んでも「損害」がないのでは?と思われるかも知れません。
しかし、交通事故の損害賠償実務では、主婦の場合も、家事労働ができなかった期間については休業損害が出ることになっています。主婦の家事労働も金銭的に評価することが可能との考え方によるものです。
主婦の家事労働は幾らと評価されるのでしょうか?いろいろな考え方があると思いますが、交通事故の損害賠償実務では、働く女性の給料の平均額を基準にします。


ところで、自営業者や主婦の場合、給料が減ったというような目に見える物差しがありませんし、怪我をしていても、入院中やよほどの重傷で動けないなどの場合以外は、できる範囲で仕事や家事をする人が多いと思います。
ですから、必ずしも、治療期間の100%が「損害」と認定されるのではなくて、裁判例では、通院期間の50%分を認めたり25%分を認めたり、通院した日数分だけ認めたりして調整しています。


このように、一口に休業損害と言っても複雑な場合がありますので、判断が難しい場合は専門家のアドバイスを求めることをお勧めします。

この記事を書いたプロ

宝塚花のみち法律事務所 [ホームページ]

弁護士 木野達夫

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