コラム

 公開日: 2013-09-13 

私道について

宝塚花のみち法律事務所、弁護士木野達夫です。
今回は「私道」について書いてみます。


まず、「私道」とは何と読むのでしょうか?普通に読めば「シドウ」です。しかし、それだと、「市道」と間違いやすいです。だから、業界の人は「ワタクシミチ」とか「ワタクシドウ」などと読みます。


では、「私道」とは何でしょう?
簡単に言うと、私人が所有している道路です。
よく、「私道につき、立入禁止」などの立て看板を見かけますよね。これは、「私の個人的な土地で個人的に利用しているので他の人は通らないでください」という意思表示です。
この看板を見ると、「ああ、私道なのか、仕方がないな、他の道を通ることにしよう。」となりますね。
まあ、普通はこれでいいのです。


しかし、そうならない場合があります。所有者以外の他人が「私道」を通れる場合があるのです。
これには、いくつかの種類があります。例えば、公道に直接通じていない土地の所有者はその土地を囲んでいる土地を通ることができます。これを囲繞地(いにょうち)通行権といいます(民法210条)。その他には、他人の土地について賃貸借契約などを締結して通行することもあります。また、通行地役権(民法280条以下)というのもありますが、少しややこしいので省略します。


特に、よく問題になるのは、建築基準法上の道路です。
建築基準法では建物の安全や防災などの観点から種々の規制がなされていますが、その中に、建物を建てる場合、その敷地は原則として幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならないという規制があります(接道要件)。
この接道要件を満たすために、私道が「道路」として指定されることがよくあるのです。
具体的に言いますと、一定の規模の区画を開発して分譲住宅を複数建築する場合、もともとの土地はたいてい私人の所有ですから、もともと「公道」などはなく、私有地を建物敷地にする部分と「通路」にする部分に分けます。すると、その「通路」は私人の所有地であるけれども、「道路位置指定」という行政処分を受けます。すると、その「通路」は、建築基準法上の「道路」になるわけです。
このように行政処分を受けた「道路」はあくまで「私道」なのですが(公道になるわけではない)、日常生活でその「道路」を通ることが必要な人(その区画の住民など)は「私道」の所有者でなくても通れます。この場合、「私道」所有者は、「私道につき、立入禁止」の看板を立てて道路をふさいでしまうことはできません。


以上のように、「私道」といってもいろいろあるのですが、一般的にややこしい法律のことは知られていませんから、「私道」についてのトラブルは多いのです。
「私道」だからといって必ずしも所有者の自由にはなりません。近隣の方と揉める前に法律関係を確認しておくことをお勧めします。

この記事を書いたプロ

宝塚花のみち法律事務所 [ホームページ]

弁護士 木野達夫

兵庫県宝塚市栄町1-1-11 タカラコスモス六番館3階 [地図]
TEL:0797-85-3770

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0
<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
メールマガジン

宝塚花のみち法律事務所ではメールマガジンを発行しています。以下は,メールマガジンからの引用です少し前になりますが,テレビコマーシャルで有名な引越社が,...

 
このプロの紹介記事
「宝塚花のみち法律事務所」の木野達夫弁護士

民事・家事のほか企業法務で地域住民や中小企業をサポートする弁護士(1/3)

 交通事故や離婚など、暮らしの中で直面するさまざまなトラブルは、法律のプロに相談してみては。「私は街のみなさまの力になりたいと考えています。困ったことがあれば、どんなことでもすぐにお問い合わせください」と話すのは、「宝塚花のみち法律事務所」...

木野達夫プロに相談してみよう!

神戸新聞社 マイベストプロ

会社名 : 宝塚花のみち法律事務所
住所 : 兵庫県宝塚市栄町1-1-11 タカラコスモス六番館3階 [地図]
TEL : 0797-85-3770

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

0797-85-3770

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

木野達夫(きのたつお)

宝塚花のみち法律事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
駐車中の事故

駐車中の事故について駐停車中の事故に自賠法が適用されるでしょうか?自賠法1条の「運行によって」と言...

[ 交通事故・全般 ]

交通事故における「信頼の原則」

交通事故において「信頼の原則」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?判例によると,信頼の原則とは「...

[ 交通事故・全般 ]

自賠責保険が適用される「運行」とは

自賠法では,「自動車の運行によって人の生命又は身体が害された場合」に保険金が出るとされています(自賠法1条...

[ 交通事故・全般 ]

交通事故・物損編(レッカー代その他)

物損シリーズの最終です。レッカー代その他について。事故によって必要になったレッカー代は一般的には認め...

[ 交通事故・物損 ]

交通事故・物損編(休車損害)

今回は休車損害について。営業用車両が修理のために使用できず、それによって利益が減少した場合に利益の減...

[ 交通事故・物損 ]

コラム一覧を見る

人気のコラムTOP5
スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ