コラム

 公開日: 2016-05-12 

水漏れを放置したマンション、階下の被害は甚大!

写真を公開することはできませんが、水漏れを放置した結果、階下の部屋に出た被害の事例を紹介します。

水漏れの原因は、給水管の銅管部(コーナージョイント)が劣化し、薄くなって穴が開いたようです。
これ自体は仕方がないことで、速やかに補修をすれば大事にはなりません。
一般的には、区分所有者が自費で補修しますが、大型マンションなどの場合は、修繕積立費で行う事例も出てきています。ただし、修繕積立費が潤沢でないとまず総会決議されることはないでしょうね。
床をめくり、管を交換して仕上げ材も新しくなるのですから。

今回の事例は、SRC構造のマンションに住む加害者の住人(3階)がなぜか10日間近く、水漏れの補修の先延ばしにしたことで起こったことです。
先延ばしにした理由はわかりませんが、2階を通り越して1階の部屋にまで水漏れしました。
トイレ排水管を伝わったものと思われます。

当初、2階と1階で同時に水漏れに気が付いたこともあり、2階の住人(被害者)は自分の部屋の配管から漏れたのだと勘違いし、すぐに業者さんを呼んで調べましたが、水漏れ箇所はありませんでした。
それならばと、管理人立会いで上階(3階)のメーターボックスを調べたところ、明らかに水道メーターが回っていたのです。
あとは、床をめくってどの部分が水漏れしているかを調べて補修するだけなのですが、なぜか加害者がすぐに補修することを拒んだのです。

被害者(2階の住人)の部屋はどのようになったかというと…
①室内の湿度が上がって、エアコンが効きにくいと感じていた。
②空気清浄器の湿度計が、92%を指すなど、機器が故障したのかと思った。
③室内にダニが大発生して、家族中が被害にあった。
④天井付近の壁紙が剥がれだした。
⑤コンクリート床に直貼りしている部屋のカーペットがぐっしょり濡れた。
⑥桐のタンスやガラス本棚の背後が、緑や黒のカビでびっしり覆われた。
⑦クローゼットの中に置いてあった鞄や、パイプにかけていた衣装が一部濡れるだけでなく、服全体にカビが生えて使い物にならなくなった。
⑧水漏れを止めてから数か月して、和室の天井板に水漏れ痕がでてきた。コンクリートに浸み込んだ水は、時間がたってゆっくり漏れてくるのもあります。

被害者は、物入や押入の中身をすべて放り出し、除湿器数台を連日フルパワーで稼働させて室内の乾燥に努めましたが、室内の湿度は平常状態に戻るのに軽く1か月以上かかっています。

この間、加害者は一度も部屋を訪れることなく、連絡もなく、加害者側の保険会社任せでしたが、保険会社も積極的に対応せず、被害者から督促してやっと、鑑定会社の担当者を伴って現地確認に来たのは3ヵ月後で、室内が一通り乾燥してからのことでした。こうなると漏水被害の証拠となるのは、壁や天井、カーペットの漏水痕になります。

被害者は、保険会社に床や壁をめくるなどして床下や壁体内の調査をしてほしいと主張しましたが無視されました。
表面的な現地確認のもとに提出された保険金額は到底、被害者が納得する金額にほど遠いものでしたが、一番の問題は見えない部分の調査に応じないという点でした。
後日、保険会社の消費者相談センターに電話すると、すぐに保険会社と鑑定会社の担当者がきましたが、そこでの発言は、被害者には驚きの一言でした。
「損害の証明は、被害者の負担で行うべきものです」

その後、水道業者立ち合いの元、カーペット等床の被害箇所を明らかにした写真などを鑑定会社に送りました。
鑑定会社から保険会社に送ったと連絡があったのみで、その後も保険会社からは何の連絡もありませんでした。

被害者が加害者に対応督促の連絡を入れてから、しばらく経ってさらに驚くべきことがありました。
被害者と保険会社から依頼を受けた弁護士からの連絡でした。
謝罪の一言もない加害者と、再鑑定結果に返答もしない保険会社がなんと弁護士に依頼したのです。
さすがにあきれた被害者が弁護士を立てて、調査をし、その是非を司法に問う準備に入ったのです。

被害者は水にぬれた壁や天井・床下の状況を確認したかったので、一旦、近所に仮住まいの上、弁護士と鑑定建築士の立会いのもと、内壁・天井・床の解体工事に着手しました。

本マンションの内壁構造は、外壁コンクリートにGLボンドで、断熱材付きの石膏ボードを貼ったものでした。
漏水の量は相当だったとうかがわせる現象が多くみられました。
①一度濡れて乾燥した石膏ボードは非常にもろくなっていた。
②漏水が止まって、9ヶ月も経過しているのに、壁の中は相当濡れていた。
③天井から流れてきた漏水痕が白糸の滝のようにコンクリート壁付着。
④GLボンドの塊に水が浸透していて、普段なら削り落とすのに苦労する塊が、バールで軽く叩くだけで簡単に取れた。
⑤ひどいところには、一面カビがこびりついていた。
⑥コンクリート壁に仕込んであるスイッチコンセント配線用の小金属ボックスが錆まみれ。
⑦濡れたスイッチコンセントの配線(銅線)に緑色の錆である緑青が付着。

SRC構造の天井なので、釣り天井を解体すると金属部が見えてきますが…
①天井全体の金属板に著しい錆が広範囲にあった。
②外壁際の金属板は錆でかなり腐食が進んでいた。
③解体した天井の石膏ボードの裏側に漏水痕とカビが多数みられた。
④吹き付け断熱材の裏側にも錆がびっしり付着していた。

配管がコンクリートスラブの上に露出している部屋・洗面所・トイレは、パーティクルボートで置床になっていましたが…
①外壁に面しているパーティクルボードが漏水で膨らみ、おびただしいカビが発生している箇所があった。
②内壁の石膏ボードと床の際に、漏水が溜まっていたらしく、カビが多数付着していた。

以上が、水濡れを放置されたSRC構造のマンションの被害実例です。復旧工事にかかるには、水に濡れた箇所を乾かしてからになりました。乾かして、錆やカビを取り除いてから内装工事に着手しました。
被害者は、仮住まいに移る間、喉のイガイガを訴えていましたが、復旧工事が完了してから咳は出なくなりました。
カーペットを含めてカビが蔓延して胞子が飛んでいたのでしょうね。
ちなみに、今回の被害者は「自分は加害者になりたくない」との思いで、自費で配管を交換されました。継手がなく、劣化しない素材の最新の工法です。

マンション生活者にとって、給水管などの老朽化による水漏れは避けられないことです。
でも、速やかに対応すればお互いの被害は最低限に抑えられます。
マンション生活者の皆様は、この点だけは最重要留意点ですのでご注意くださいね。

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