コラム

 公開日: 2017-08-10  最終更新日: 2017-08-11

「墓じまい」を考える前に読んでほしい物語(9) 「祖母VS母・お墓バトル」森下純一さん(37歳)

お墓にまつわるエピソード集「お墓物語」 

一見、同じように見えるお墓だが、実はそれぞれのお墓には、
それぞれの思いと数々のエピソードがあります。

全国の墓石を含む石材関連業者約1,300社が加盟する、
日本最大の業界団体である、(一社)日本石材産業協会では、
お墓にまつわる感動的なエピソードを集めた小冊子、
「お墓物語」を、2011年3月に発行いたしました。(非売品)


お墓にまつわるエピソード集「お墓物語」

「お墓物語」を発行するにあたり、作品を募集したところ、
全国各地から数多くの応募作品が寄せられました。


その中から33名の方の作品がこの小冊子に収められています。


涙あり、笑顔あり、驚きありの素晴らしい物語ばかりです。


マスコミ等で「墓じまい」ばかりが大きく取り上げられる昨今において、
「お墓ってこんなに素晴らしいものなんだよ」ということを、
今一度、一人でも多くの人に気づいていただければと思い、
ここに、33話、全ての物語を順にご紹介させていただきます。

これまでに、以下の8つのをご紹介いたしました。

「お墓物語」作品紹介(1)「祖母との出会い」/三浦るるさん
「お墓物語」作品紹介(2)「お墓参りの不思議」/伊東徳久さん
「お墓物語」作品紹介(3)「祖父のお墓で」/水野真由美さん
「お墓物語」作品紹介(4)「おはからい」/漣ほたるさん
「お墓物語」作品紹介(5)「星よりも近く」/倉木敬人さん
「お墓物語」作品紹介(6)「泣き虫」/藤田徹朗さん
「お墓物語」作品紹介(7)「田舎のお墓を訪れて」/長坂隆雄さん
「お墓物語」作品紹介(8) 「祖母の墓を抱きしめて」/梅山太郎さん

今回は、山口県在住の森下純一さん(37歳)の作品、
「祖母VS母・お墓バトル」をご紹介させていただきます。
心温まるエピソードを通じて、家族や大切な方との絆や、
命の尊さを考えていただくきっかけになればと考えております。


「祖母VS母・お墓バトル」/森下純一さん(37歳・山口県) 

小二の夏。


私は祖母と母の三人で祖父のお墓参りに行った。


祖父はその年の春に亡くなったばかりで、
祖母はまだショックから立ち直れていなかった。


お墓の掃除をした後、三人で一緒に手をあわせた。


私は心の中で「おじいちゃん。
ぼくは元気でがんばっています」と報告した。

母が、「おばあちゃんは何て言ったの?」と聞くと、
「早く私を迎えにきておくれと言ったよ」と答えた。

私が、「嫌だよ。おばあちゃんまでいなくなったら、
寂しくてしかたないよ」と言うと、祖母は微笑み、
「ありがとう」と私の頭を撫でた。

同様に、「お母さんは何て言ったの?」と聞くと、何と母は、
「おばあちゃんの願いを早く叶えてあげてねと言ったわ」と答えた。


その言い方たるや実に憎々しげであった。


すると、祖母はさっきまでの微笑みが一転、
急に鬼の形相になった。

そして、お墓に向かって、「さっきのは取り消し!」と言い、
母を指差し、「この人が亡くなってから私を迎えに来てちょうだい!
もし、先に私を迎えに来たら、あの世で毎日、
おしりをひっぱたくわよ!」と言った。

母も負けじとお墓に向かって、「お義父さん!
もし、先に私を迎えに来たら、あの世で毎日、
大嫌いなトマトを山ほど食べさせますよ!」と言った。


突然のバトルに唖然とする私。


が、次の瞬間、祖母と母は一緒に大笑いをしだした。


まだ幼かった私は、何が何だか分からなかったのだが、
その日を境に祖母はすっかり明るさを取り戻したのであった。


それから12年後。


自然の法則で祖母は母より先にあの世へ旅立った。


私は祖父母のお墓参りをする度に、
あの日の出来事を思い出し、
「おばあちゃん。あんまりあの世で、
おじいちゃんのおしりを、ひっぱたいちゃだめだよ」と、
お墓に向かって話しかけてしまうのである。


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・FAX:078・515・2737(24時間受付)
・メールでのお申込みはこちらまで
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「お墓物語」は、近畿地方の方限定でお送りさせていただきます。
なお、部数に限りがありますので業者の方のお申し込みはご遠慮ください。


             
            ~つづく~



次回は、咲ママさん(28歳・大分県)の作品、
「一片の桜」をご紹介させていただきます。


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