コラム

 公開日: 2017-09-24  最終更新日: 2017-09-29

収納に悩む場所No.1「押入れ・クローゼット」を解決する、とっておきの3つのルール

収納の悩みは人それぞれ。暮らしぶりや考え方で悩みも大きく違ってきます。セミナーをする際は、可能な限り事前にお悩みを伺っておき、当日は事例とともに詳しくお話しするようにしています。

中でも多く聞かれるのが、押し入れやクローゼットの悩み。「布団が入りきらない」「服が溢れている」「スペースがうまく使えていない」など、頭を悩ます収納場所といえば、やっぱりここがダントツ。

では、どうして押入れやクローゼットの悩みが多いのでしょうか。考えられる理由は大きく分けて2つあります。

ひとつは、「固定観念に縛られている」こと。もともと押し入れやクローゼットは、用途が明確に決められています。「押入れは布団を収納する場所」「クローゼットは服を収納する場所」というように。大半は、それに沿ってモノを収納していきます。決められている方が楽なように思えますが、それが暮らしぶりと合っていないと、その不一致がそのうちひずみとなって現れるのです。

そして、もうひとつの理由。それは、「スペースがただの空間」だからです。たとえば、キッチンや洗面所の引き出しや玄関のげた箱。それらの収納は小さく仕切られているため、たとえ片付けが不得手であっても、モノを並べるくらいならさほど難しくはありません。大きな納戸でさえ、大抵は何枚か棚板が備わっており、完璧を求めなければそこそこ形にすることができるでしょう。それに比べ押し入れは、中板が一枚あるだけの空間。高さも深さも扱えるキャパシティの規格外です。その手ごわさは、収納の上級者コースといってもいいほど。だからこそ、お手上げ状態となってしまうのです。

とはいえ、押入れの容量は抜群に大きく、扱いにくいからといってないがしろにはできません。ただの空間ということは、裏を返せば、使いようによってはいかようにも活かせるフレキシブルなお宝スペース。「使い切ってみせる」という心意気で、大物収納の片づけに挑みたいものです。

そこで、押し入れやクローゼットの収納の悩みを解決する、とっておきの3つのルールをご紹介します。

ルールその1「全体で考える」


一般的な間取りは、和室に押入れがあり、寝室にクローゼットがあるスタイル。そして大抵の場合、和室はリビングの続きにあり、寝室はLDKから離れた場所に位置しています。どちらの部屋が使いやすいかといえば、もちろんLDKに近い和室。であれば、クローゼットより押入れのほうが使いやすい場所にあるということになります。

では次に、収納されているモノを見てみましょう。前述のとおり、押し入れに収納されているのは、布団類であることが圧倒的。なぜなら、あの奥行きはまさしく布団サイズ。押し入れは布団を入れるように設計されているのです。

寝室が和室とは別にあり、普段和室で寝る人がいないという場合、毎日使っている布団は寝室のベッドの上にあるはず。となると、ここにある布団はおそらく客用かシーズンオフの布団。つまり、押し入れに入っている布団の使用頻度はかなり低いと想像がつきます。寝室クローゼットに収納されている服よりも使われる頻度は低いのに、服よりもいい場所を占拠しているということになり、そこに矛盾が生じています。使用頻度の低いモノ(普段使っていない布団類)が便利な場所に収納され、使用頻度の高いモノ(普段着ている服)が不便な場所に収納されているという矛盾。固定観念に従って収納するモノを決めていることにより生まれる矛盾です。

わが家を例に取りますと、収納の形状にかかわらず使用頻度で収納場所を決めた結果、和室押入れに服を収納し、寝室クローゼットに布団を収納するスタイルになりました。和室の押し入れという使いやすい場所に、ほとんど使うことのない客用布団をしまうことがどうしてももったいないと思えたからです。

(筆者自宅実例)
より詳しくご覧になりたい方は、こちらへ!
参考ブログ
「布団のクローゼット収納」
「バッグ、ベルト、ストールの収納」
「シーズンオフの服の収納法」

必ずしもこれが正解ということではなく、言いたいのはいろいろな可能性があるということ。どこで何をするのかという住み手の「行動」と、何をどれくらい使うのかという「使用頻度」、どこが一番使いやすいのかという「利便性」、それらを鑑みたうえで、固定観念に捉われない自由な発想によりベストな収納場所を決めていきましょう。答えは、住み手側が決めればいいのです。家の作り手の意図に合わせる必要はありません。

より詳しくご覧になりたい方は、こちらへ!
参考コラム
「散らかった部屋の片づけ。どこから手を付けるべきか悩むあなた

ルールその2「深さを利用する」


この場合はクローゼットというより、より奥行きのある押入れが対象です。

ご存知の通り、押入れの奥行きは大変深いため一筋縄では使いこなせません。布団収納が前提にあるので、「それ以外の使い方は自己責任で」というスタンス。使い手の手腕に全てが託されているのです。まさに押し入れは、奥行きをうまく使えるかどうかが勝負の分かれ目。大げさではなく、「奥行きを制する者が押入れを制す」のです。

奥行きを有効利用する方法は、大きく分けてふたつあります。ひとつは、奥行きを分割せずそのまま使う方法。もうひとつは、奥行きを分割して使う方法です。

大きいモノを収納する場合は、もちろんそのまま入れ込みますが、小さいモノの収納である場合、奥行きをそのまま使うには、ジャストサイズの引き出し式衣装ケースを使うのが一番手っ取り早くて有効。引き出せば奥のモノまで簡単に取り出せるうえ、容量の観点からもこれに勝るものはありません。衣装ケースに収まるものであれば、まずはその利用を考えましょう。


(神戸市東灘区 T様邸実例)

そして、そのまま使うには深すぎる場合、今度は奥行きを前後に分割して使うことを考えます。その場合、気を付けなければいけないのは、たとえ手前に何も置かなくても奥は使いにくいということ。そこを間違えているケースが散見されます。

このように、押し入れ上段の奥しか使っていない場合。せっかく奥行きを前後に分けていながら、使いやすい前部分を有効利用せず、使いにくい奥だけを使うことになります。確かに、モノや収納が前後に重なることはないので死角はなくなりますが、これでは収納量が半減するばかりか、モノを取り出すのに無理な体勢が強いられます。使い手が小さい子どもであれば、なおのこと使用は困難。いちいち背伸びをしたり下にある棚に足を引っかけたりしながらモノを取り出す羽目になります。

押入れ下段もしかり。奥であっても下なら手が届くと思いがちですが、実際は、張り出している中板があるために、潜り込まないとモノが取り出せなくなっています。いちばん上の引き出しなどは中板との間にすき間がないので、開けたところで中が見えません。

収納ケースを奥に入れ込めばスペースが有効利用できると考えがちですが、実際はわざわざ使いにくい場所に収納を設置しているだけ。これであれば、奥のスペースを殺してでも、収納を中板のヘリの部分まで持ってきて、潜り込まなくても見えるようにした方がいいでしょう。そうしたところで、使いやすくなることはあっても、この状態から収納量が減ることはないからです。

では、押し入れの奥行きを有効利用し、かつ使いやすくするにはどうしたらいいのでしょうか。答えは明快。使いにくい奥には頻度の低いモノを収納し、使いやすい手前には使用頻度の高いモノを収納すればいいのです。

実際の事例を見てみましょう。

(神戸市東灘区 H様邸実例)

この場合は、同じキャスター付き衣装ケースを4つ購入し、手前にシーズン中の服、奥にシーズンオフの服を収納しています。ふすまのラインぎりぎりに棚があるので、潜り込まずして服を取り出すことができ、前後のケースを入れ替えるだけで衣替えが完了します。もちろん、スペース全体を使ってモノが収納できているので、収納量もアップします。

より詳しくご覧になりたい方は、こちらへ!
参考コラム
「収納を見直すことで収納量を増やしてみよう!神戸市東灘区Hさ

こちらは、奥に保管のモノを、手前によく使うモノを収納している事例です。上段奥にあるのは、普段全く見ることのないアルバム。使いやすい場所に置く必要はありません。ただ、写真をもらった時などに、それを入れる場所だけはあった方が便利。棚上部にフタのないファイルボックスを備え、投げ込めるようにしておきます。

下段も前後で分けています。毛布やスーツケースの後ろに入っているのは、おじいさまが昔買ってくれたぬいぐるみたち。大学生になったお子さんたちが使うことはありませんが、メモリーなので要保管。100円ショップで買ってきた大きな洗濯ネットに入れて、押入れ奥に寝かせておきます。

このように、よく使うモノは手前まで持ってくるのが正解です。使いやすい前方ポジションを空けたまま、使いにくい奥にだけモノを並べるようなことのないよう注意しましょう。

ルールその3「高さを意識する」


押入れには深さと同時に高さがあり、収納を作る際にはそこも意識する必要があります。高さが意識できていないと、高さを有効利用できていない収納や、逆に、利用しすぎて無理のある収納が出来上がります。
これも実例で見ていきましょう。


(西宮市 Y様邸実例)

ビフォーでは、上に無駄なスペースができてしまっています。これだけの高さとなると、ただモノを入れていくだけでは使い切れません。大きなモノを収納する場合を除いては、何かしら収納アイテムを使った方がいい場合がほとんどです。

そこで、アフターです。この場合は、背後に棚が備わっている押し入れ用ハンガーラックを使います。それにより、奥と手前を分割して使えるだけでなく、空間を上から下までくまなくカバーできます。バッグの多いこのお宅では、手前によく使うバッグを掛けて取り出しやすくし、後ろの棚にはあまり使わないバッグを並べ保管しておきます。

また、有効利用しようとしすぎて、かえって使いにくくしている場合もあります。


(上/浦安市 A様邸実例、下/神戸市北区 M様邸実例)

左上段を見ると、衣装ケースがうず高く積まれているのが分かります。一見すると空間を上まで余すことなく使えているように見えますが、一番上の引き出しは高すぎるので開けたところで中が見えません。覗き込む必要のある引き出しは、目線より下で使うのが鉄則です。

そこで、アフター。一番上の衣装ケースは移動させ、そこに厚みのある半纏を直置きしました。これなら覗き込む必要なく取り出すことができます。どうしても何かに収納したい場合は、カゴを置きましょう。カゴならば、下におろすことができるので使用可能です。

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参考ブログ
「大きな押入れのビフォーアフター」

番外編「ふすまをやめる」


押入れの使いにくさは、空間が大きすぎることだけが原因ではありません。ふすまが使われているため、半分しか開かないところもその一因。開けたところで全体を見渡すことができないばかりか、半間分を超えたサイズのモノは収納できません。また、横に三分割して真ん中にモノを置くというようなアレンジも不可能です。

そこで、ふすまをやめるというのも、一つの方法。ロールカーテンやブラインドにすることで、空間をいかようにも使うことができます。

(西宮市 K様邸実例)

いずれにしても、押入れのだだっ広い空間は、左右前後に分割して使うのが基本。深さや高さによってそれぞれ適した使い方があります。そこを見極めたうえで、せっかくある大きな収納はうまく活かしていきましょう。

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